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何清漣★ミャンマーの軍事クーデターが米・中関係に与える影響 2021年2月04日


 2月1日から、ミャンマー軍事クーデターが国際ニュースのトップを飾るようになりました、この事件の二つの要素が米国に関わってきます。

 一つは選挙が11月3日のアメリカ大統領選挙のちょうど6日後でほとんど同時期だったこと。二つ目は、米国「伝説のクーデター」ではなく、ビルマ軍が言っていた通りに実行し、既成事実化したことです。中国メディアは「ミャンマー版トランプ政変」と呼び、これまで国内報道を禁止してきた米国大統領選挙の不正の話を突然持ち出してきました。

 これはなぜでしょうか? それは、中国は1月20日以後、米国に「平和のオリーブの枝」を差し出してきましたが、米国側が受け入れる様子がないからです。これを分析するのは大変興味深いことです。

 ★国際社会の軍クーデターに対する微妙なスタンス

 ビルマ軍事クーデターに対する国際社会のスタンスは大きな違いがあります。タイとフィリピンはこれは内政問題であり、非難するつもりはないとしています。英国と欧州連合(EU)は、ビルマの軍事行動を「軍事クーデター」と位置付けました。米国のバイデン政府は3度非難はしたものの「軍事クーデター」だとは言っておらず、「選挙の不正」とういうデリケートな言葉は使っていません。国連安全理事会は会議を開く準備をする用意があるといいつつも、ビルマ軍による大規模な「政府の再編成」がその理由だとしています。

 西側メディアは、ミャンマーの軍事クーデターが中国の投資に影響を与えていると指摘し、中国が干渉することを願っています。しかしミャンマーに最も影響力のある中国は、外交部の汪文斌報道官が「ビルマで何が起きているかを認識しており、さらに状況を調べている。ミャンマーのすべての政党が、憲法と法的枠組みの下で、それぞれの違いを適切に処理し、政治と社会の安定を維持していくことを願う」とあっさり述べただけでした。

 中国のこうした態度は、「安保理で中国が、ミャンマー非難決議に賛成するとは思いなさんな」です。

 ★中国とミャンマーの軍事関係は密接

 米国をはじめとする欧米諸国は、長い間、ミャンマーに対して強硬な制裁政策を採ってきており、正式な外交関係はほとんどありません。ミャンマーの最も重要な外交相手は中国で、カンボジアとともに中国の東南アジアにおける最も忠実な盟友であり、中国の利益の代弁者です。

 大量の中国資本企業がミャンマーに投資しているほか、中国はミャンマーに石油パイプラインを建設し、マラッカ海峡依存から脱しようとしています。ミャンマーは中国にとっては、重要な経済意義があるだけでなく、計り知れない政治的価値があるのです。

 トランプ政権下で、米国防総省は米軍とミャンマーの軍事関係での初期協力を模索し、ビルマ人兵士への人道支援や軍用医薬品の提供、国防改革のための訓練などを行い、中国は即座に強い警戒心を抱きました。

 去年12月、中国のプロパガンダ機関の「環球ネット」は「ミャンマー軍と協力して、ミャンマーを徹底的に離脱(デカップリング)させようとしている」という記事をサイトに掲載。

 記事では米国が中国とミャンマーの仲を裂くことを、アジア太平洋復帰の重要目標として、ミャンマーとの軍事協力を加速しており、例えば、米・タイ協力への誘致やミャンマーに20数カ国が参加したゴールデンコブラ軍事演習に招いた目的は中国とのでカップリングを加速するためだ、と述べています。

 アウンサンスーチーがミャンマーの最高統治者になった後も、中国は依然として、両天秤に賭けており軍部とも密接な接触を保っていました。この1年間でも、例えば2020年7月16日、中国メディアは、中国の陳海大使が首都ネピドーでミン・アウン・フライングミャンマー国防軍司令官と中国・ミャンマー関係の発展について意見交換したことを高らかに報じ、ミャンマー軍が「一帯一路」と中国との経済回廊建設を支持していることを強調しました。

 ミャンマー軍は「一つの中国」を堅持し、台湾、香港、ウィグル、チベットなどの問題で、「国家の安全と香港の長期繁栄の安定のための措置であり、香港問題に他国は干渉すべきではない」と中国政府の立場を支持しています。

 2021年1月中旬、中国の王毅外相がミャンマーを訪問し、文大統領と会談したほか、ウン・サン・スー・チー上級大臣兼外相と会談し、ミャンマー国防軍のミン・アウン・フライング司令官とも会談した。

 ★クーデター後の中国メディアの論評

 以上の話は中国がミャンマー政府に影響力を持っているという話であって、中国が事実上、今度の政変を操っているという意味ではありません。

 しかし、中国メディアのクーデター後の論評は、世界の他のメディアと比べると特異なものです。とりわけ、1月20日以前、中国の宣伝部門は、米国の左派メディア同様に、米国大統領選挙での不正行為を論議することを禁じていたのですから、この種の嘲笑の意味合いは、一層、意味深長なものがあります。

 中国では、「環球時報」編集長の胡錫進は「敏感な時期」に「敏感な問題を語る」特権を持っていますが、ミャンマークーデターの直後に「突発!ミャンマークーデターでネットはちきれそう。米国政局と意味深な偶然の一致」という文章を発表しました。

 記事のポイントの一つは、ビルマでの軍事クーデターがビルマ憲法に則った正当な行為であったということです。ビルマの2008年憲法によると、ビルマ軍は文民政府に服従せず、国の政治的生態から外れた独立した軍人集団であり、「国家の守護者」であり「憲法の番人」です。

 もちろん、軍隊に特別な地位を与える憲法は、ビルマ国防軍の司令官であるタン・シュエ上級将軍の指導の下で作成されたことも忘れずに強調されています。

 2つ目の重要なポイントは、「『意味深な偶然の一致』と米国とビルマの異なる結末」という記事で説明されており、これは第59回米国大統領選挙の「ビルマ版」であり、「どちらも似たような形で始まったが、結果は異なっていた」のいう部分です。

 つまり「選挙結果が明らかになってから、トランプ大統領と連邦団結発展党(USDP:ミャンマー軍事政権の翼賛団体、連邦団結発展協会の後継組織)は、選挙結果が不服で、ともに「投票の偽造」が行われたと主張したが、USDPはトランプよりも冷静に対応した。彼らは11月11日に再選を求める声明を発表し、すぐにビルマ軍という「大きなバック」を見つけたのだ、というのです。

 もう一つの中共政府の特別なバックを持つ経済メディア「財新」は「ビルマ版トランプクーデター。バイデンはどうするか」を掲載しました。この重点は、大統領選挙の不正行為に焦点を当てています。

 「最も致命的なのは、選挙の公平性に疑問を持つ声が天地を覆うばかりなことで、軍部が支持する野党以外、ミャンマー内外のNGOや国連ミャンマー特別委員会も疑問を投げかけている。国際メディアや人権組織も注目しており、100万単位のロヒンギャは投票できず、基本的公民権を奪われていた」として、最後に「これは2020年の米国大統領選挙にそっくりではないか。どうやら米国に出現した投票の不正行為と大騒ぎは、ミャンマーでも同様に起きたらしい」と米国をあてこすっています。

 中国が言いたいのは、「国連とアメリカが介入したいと言うなら、まずミャンマーに言うことを聞かせる方法を考えるか、憲法を改正する方法を探せや」という意味だと分かります。そして、それには当然「ひどいインチキで政権についた政府が、民主主義を輸出するとか、他国の民主主義を守るとか、ご立派なことを言うでないよ」ということです。

 ★米・中両国、どちらが後手を踏んだか?

 中国は、トランプ氏の離脱後、バイデン政権が中国の選挙への熱意に報いることを期待していました。しかし、バイデン政権は今、多くの内部対立や高圧的な政策など、多くの困難に直面しています。

 だからこそ、バイデンのサリバン国家安全保障顧問は1月29日、ワシントンのシンクタンク「平和研究所」でのオンラインビデオ会議で、「内政は外交であり、外交は内政である」「今、米国にとって最も遠大で差し迫った国家安全保障上の課題は、自分たちの家を整理することである」と言ったのでした。

 アントニー・ブリンケン国務長官は、2月1日、NBCとのインタビューで、中国は他国に比べて米国にとって最大の問題だとし、米・中関係は、敵対的な側面、競争的な側面、そしていくつかの問題については協力の機会を含む複雑な性質を持っており、米国は弱さよりもむしろ強い立場アプローチしなければならない、と繰り返し述べたのでした。

 対中政策がはっきりしない状況で、ビルマの政変に対してバイデン政府内部ではずっと混乱が続いています。

 米メディアが引用したインサイダー筋によると、政府関係者はビルマ軍の行動のタイミングに「非常に不満」を抱いており、ビルマの状況にどう対処すべきかについては、米国内でもホワイトハウスでも意見が分かれています。「クーデター」と呼ぶべきかどうかの議論が行われていると言われます。

 もし「クーデター」であれば、対ミャンマー援助を打ち切り、ミャンマーを中国に押しやることになります。しかし、これを無視することは、「ビルマの民主化プロセスを促進する」という米国の公約に違反することになります。

 しかしここ数年、アメリカなど西側国家がアウンサンスーチー女史にあまりにも批判的で、支持しなかったから軍部に乗じる隙を与えたという意見もあります。専門家は、クーデターは中国に一層影響力を高めるチャンスを与えたとみています。

 バイデン政府が今後、どんな措置を取ろうとも、ミャンマー軍事クーデターは間違いなく、米国がつまずき、中国が先手を得ました。

 しかし、台湾にとっては良い話かもしれません。米国のブリンケン国務長官の姿勢では、台湾と米国の関係を一時ストップさせかねませんでしたが、今の地政学では、米・中対決が続けば、台湾の現状を保護し、中国を調子ずかせないために、バイデン政府の短期的な選択肢となるでしょうから。(終わり)

緬甸軍事政變對美中關係的影響
2021年02月04日

從2月1日開始,地處東南亞的緬甸因其軍事政變,佔據國際新聞頭條,又因該事件的兩個元素與美國掛起鉤來,一是大選日期與11月3日的美國大選僅晚6天,幾乎同步;二是美國傳說中的軍隊政變沒影子,而緬甸軍隊說幹就幹,做成了事實,中國媒體將此說成「緬甸版川普政變」,將此前禁止的美國大選舞弊話題突然拉出來晾曬。

為何如此?只因1月20日之後,中國向美國伸出的帶刺橄欖枝,美方沒表態接受。分析此事,特別有意思。

國際社會對緬甸軍事政變表態的微妙差別

關於緬甸軍事政變,國際社會的表態差別很大:近鄰泰國、菲律賓說這是「內政」,不打算譴責;英國和歐盟領導人則將緬軍方行為定義為「軍事政變」;美國拜登政府發了三次譴責,但均未提「軍事政變」,也迴避使用「大選舞弊」這個敏感詞。聯合國安理會表態準備開會討論,但只提原因是緬甸軍方大規模「改組政府」。

於是西方媒體紛紛指出,緬甸軍事政變影響了中國投資,希望中國干預。但對緬甸最有影響力的中國卻只由外交部發言人汪文斌出面淡淡表示,「我們注意到緬甸發生的事情,正在進一步瞭解情況。……我們希望緬甸各方在憲法和法律框架下妥善處理分歧,維護政治和社會穩定。」

由中方這種表態可以預知:安理會上別指望中國贊成譴責緬甸軍方行動。

中國與緬甸軍方關係密切


長期以來,美國等西方國家對緬甸實行高壓制裁政策,與緬甸幾乎沒有任何正式外交關係。緬甸的最主要外交國就是中國,並和柬埔寨一道成為中國在東南亞最忠實的盟友與利益代言人。除了大量中資企業在緬投資,中國還在緬甸修建石油運輸管道,以擺脫對麻六甲海峽的依賴。緬甸對於中國來說,不僅有重要的經濟意義,更有不可估量的政治價值。

在川普政府時期,美國國防部探討美緬軍事關係的初步合作,為緬甸軍人提供人道援助、軍事醫藥和國防改革方面的培訓,立刻引起中國高度警惕。去年12月,環球網發表報導《美欲通過合作控制緬甸軍隊 促使緬徹底脫離》,文中直指美國把離間中緬關係作為其重返亞太後的重要目標,美國加快與緬甸的軍事合作,比如邀請緬甸加入美泰合辦、有20多個國家參與金色眼鏡蛇軍演,目的就是使緬甸加快脫離中國。

在翁山蘇姬成了緬甸的最高統治者之後,中國仍然是兩邊下注,繼續與緬甸軍方保持密切接觸。就以最近一年為例,2020年7月16日,中媒就高調報導中國駐緬甸大使陳海在內比都同緬甸國防軍總司令敏昂萊就中緬關係發展交換意見,並特別強調緬軍隊支持「一帶一路」和緬中經濟走廊建設,緬軍隊恪守一個中國政策,支持中國政府在臺灣、涉港、涉疆、涉藏等問題上的立場,支持中方為維護國家安全和香港長期繁榮穩定所採取的措施,認為香港問題純屬中國內政,其他國家無權干涉。2021年1月中旬,中國外長王毅訪問過緬甸,不僅見了緬甸總統溫敏,與緬甸國務資政兼外長翁山蘇姬舉行會談,還見了緬國防軍總司令敏昂萊。

緬甸軍隊政變後中國媒體的評論


以上是談中國具有對緬甸政府的影響力,不等於說中國事實上操控了這次政變。但中國媒體在緬甸軍事政變之後的評價,與世界媒體相比,算獨樹一幟,尤其是考慮到就在1月20日之前,中國宣傳部門與美國左媒一樣禁止討論美國大選舞弊,這種嘲諷式談論更意味深長。

在中國,《環球時報》總編胡錫進享有在敏感時期談論敏感問題的特權,他在緬甸軍事政變之後立刻發表《突發!緬甸軍事政變刷爆互聯網,為什麼會與美國政局神同步?》,重點之一是談緬甸軍隊政變是符合《緬甸憲法》的合法行動。據緬甸《2008年憲法》規定,緬軍不接受文官政府約束,是獨立的、超脫於國家政治生態之外的軍人集團,又是「國家的監護人」和「憲法的守護者」。當然,胡也沒忘記強調,這部賦予軍隊特別地位的憲法是在緬甸國防軍司令丹瑞大將指導下制定的。重點之二則在該文「美國與緬甸的『神同步』與不同的結尾」中闡述,說這是美國 59屆總統大選的「緬甸版本」,二者開局都差不多:選舉結果出來後,川普大統領和USDP(緬甸團結與發展黨)都不服,都聲稱「選票造假」,只不過USDP玩的比川普要酷多了:人家11月11日就發表聲明,要求重選,而且很快就找上了緬軍這麼一個「大靠山」。

另一家公認有官方特殊背景的《財新》雜誌則在網上登載《緬甸版「川普政變」,拜登何去何從》,重點就是談大選舞弊:「最為致命的是,針對選舉公平性的質疑也是鋪天蓋地,除了軍人支持的反對黨、緬甸內外非政府組織,以及聯合國緬甸人權特別調查員也發出質疑。國際媒體與人權組織關注,數以百萬計的羅興亞人無法參與投票,他們當中很多人的基本公民權利被剝奪」,最後又與美國掛上:「這一幕是不是在2020年美國大選中似曾相識?看來不僅是美國出現了選票舞弊糾紛,緬甸也是如出一轍!」

不難看出,中國的意思是說,聯合國與美國要干預,先得想法子讓緬甸服從,還是想法子修憲。當然還包含一重:一個依靠嚴重舞弊上臺的政府,別再來唱輸出民主,捍衛他國民主的高調了。

中美兩國誰失先手?


最後分析,中國為什麼此時此刻要在緬甸問題上先出手?

中國原本指望川普下臺後,拜登政府對中國的熱心助選有所回報。但拜登政府如今面臨很多困難,內部矛盾大,高壓政策也多。因此,拜登的國家安全顧問蘇利文在1月29日華盛頓智庫和平研究所的網路視訊會議上說:「內政即外交,外交即內政」,「目前,對美國來說,最深遠而緊迫的國家安全挑戰是整理我們自己的屋子。」這意思是攘外必先安內,對付內敵優先,國外政策調整不是重點。2月1日,美國務卿布林肯(Antony Blinken)接受NBC專訪時再次重申,與其他國家相比,中國對美國構成最大挑戰。美中關係性質複雜,其包含對立層面、競爭層面和在部分問題上的合作機遇,美方必須從實力地位而不是弱勢位置處理對華關係。

在對華政策尚未明確宣示的情況下,對待緬甸變局,拜登政府內部一直處於「混亂」狀態。據美媒引述內部消息人士的話稱,官員們對緬軍方採取行動的時機「非常不滿」,美國乃至白宮內部對於如何應對緬甸局勢看法有異,正就是否將緬甸局勢稱為「政變」展開辯論——如果將緬甸局勢定義為「政變」、切斷對緬甸的援助,恐將緬甸推向中國;可若置之不理,便違背美國「推動緬甸民主化進程」的承諾。但有輿論認為,正是因為過去幾年美國等西方國家對翁山蘇姬批評太多、支持不夠,才給了軍方以可乘之機。同時有專家認為,緬甸政變對中國提高影響力提供了機會。

不管拜登政府事後採取什麼措施,緬甸變局無疑是美國踩空,中國得了先手。但對臺灣可能是個利好消息,按照國務卿布林肯的態度,將台美關係抬格至邦交會暫停,但從地緣政治與中美政治較量來說,保護臺灣現狀,不讓中國得手,會是拜登政府短期內的選項。


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