何清漣★中国で不動産課税すると 年収の25%になってしまう構造とは 2021年9月13日


 中国の不動産市場で、最近注目を集めているのが各地の不動産購入制限令による不動産価格の下落です。

 なぜか? 

 大変簡単な話で、不動産税(固定資産税)はまだ始まってもいないのですが、中国人の不動産とは、財産価値保全のための投資先であって、消費財ではないからです。

 中国の大衆の財産の7割は不動産の形で所持されとり、不動産価格が下がれば、家庭の財産の簿価も下がってしまいます。

 しかし、これは中国人の富の夢が縮小している一面に過ぎません。一旦、不動産税が課せられるようになれば、年収の3〜4分の一が税金にもっていかれてしまうようになるのです。

 これを理解するには、まず中国の不動産の特殊性からお話しなければなりません。中国の不動産は、利害関係者によって独特の奇妙な関係になっています。

 世界には、ある国の不動産マーケットが政府、銀行、不動産所有者がしっかりつながった利益共同体になっている国は、中国以外にありません。

 数年前、中国政府は経済構造のモデルチェンジが必要だと言い出しました。この変革には、不動産を経済全体の牽引力とするのは良くないので、改めようという意味があったのですが、達成できなかっただけではなく、反対に不動産への依存度がますます高まってしまいました。

 その理由は、これまで他の分析で詳しく説明してきまたので、ここでは簡単に。一番の理由は、中国の地方政府が土地金融に依存していることです。 土地金融依存度(土地金融依存度=都市部の土地利権/都市部の一般収入×100%)。

 第二に、中国の不動産は、中国の中央銀行にとって資金の「貯水池」になっていることです。不動産市場を信用で支えることは、中国政府が経済の安定を維持するための手段となっています。

 このやり方の最悪の結果はインフレです。しかし、インフレの家庭は社会の富の希釈化ですから、外国からの軍事的脅威や内部の厄介な反抗とは違って、直接政権を崩壊させるようなことはありません。

 例えば、ジンバブエのハイパーインフレは中国の何倍、何十倍であって、政権崩壊をもたらしたりはしませんでした。

 三つ目は、中国の家計資産の大部分が不動産だということ。2020年には中央銀行が、中国都市部の家計資産の70%以上を不動産が占めていると報告しています。

 中国の不動産市場は、長い間、政府を銀行とするポンジ・スキーム(ねずみ講詐欺)であったと言われています。5年前、一部の専門家は、政府が住宅市場を冷やし、不動産価格をまともにコントロールする方法を見つけるべきだと提案しました。

 専門家たちは長期的な視点で市場を考えていたが、中国政府はそう考えませんでした。政府は自分たちの懐具合を第一にしましたからポンジ・スキームを続けるしかなかったのです。

 アメリカではネズミ講が破綻しますが、それは参加者、銀行、政府(審判)が三者三様に異なる利害関係を持っているからです。しかし、中国では違います。レフリーは中央政府、バンカーは中央銀行、ビッグプレーヤーは地方政府です。

 地方政府が土地を売流には、小さな企業が賃貸用の不動産を買おうとしなければなりません。ですから、中国政府は例えば、購入限定、販売制限、価格制限など、思いつくものはなんでも使って、市場をコントロールしようとしてきました。

 政府が銀行家でもあり、審判でもあり、土地売却側でもある市場は、かっての日本やアメリカよりも大きなバブルを膨らませることもできますし、それを破綻させないための余地も大きかったのです。

 中国の不動産は長い間、中央政府や住民にとってはお金の貯蔵庫であり、地方政府にとってはATMでした。不動産に税金がかからないという状況で、は不動産は価値が下がらない投資先として、所有者は帳簿上の資産は大変大きくなり、多くの過程が資産家です。

 しかし、こうした家庭の財産の多くは、「本当の財産」というより実際は「心理上の満足」なのです。

 なぜか?と言うと、世界各国(おそらく北朝鮮やキューバを除いて)では、みな不動産に税金がかかります。中国政府は自国をいつまでもこの例外にしておくことはありません。

 二つ目は、もし自分がその家に住んでいるのなら、現金化できる可能性は小さなものです。もし売ってしまえば、またどこかに住む場所を探さなければなりませんから、マンションや家は財産というより「消費物資」の一種なのです。

 第三には、父母が不動産を子供世代に残したいならば、どんどん上がっていく相続税に対して、子供世代は十分な負担に耐える力が必要になります。

 ★1%の不動産税は中間層にとって重い負担に

 今年5月11日、財政部、全国人民代表大会常務委員会予算工作委員会、住宅・都市農村開発部、税務総局の責任者が北京で「不動産税制改革試行に関するフォーラム」を開催。不動産税制改革試行に関するいくつかの市政府の担当者や一部の専門家・学者の意見を聞きました。

 このニュースが流れた後、中国の世論は「不動産税が導入されるのではないか」と考えました。しかし論議の焦点は、意外にも不動産価格で、不動産税が中国の都市住民に対して重い負担になることではありませんでした。

 不動産税は地方税にです。各地方政府が現地の状況に応じて徴税します。しかし、どんな形で徴税するにせよ、中国都市住民の水準はそこそこです。

 第一財経が今年4月14日に発表した記事「全国40都市の住民の2020年の中国の一人当たりの所得
によると、2020年には中国の40都市のうち7都市の一人当たりの所得がそれぞれ6万元以上になると言います。

 7都市とは、上海、北京、深圳、広州、蘇州、杭州、南京の4つの第1級都市と、長江デルタから新たに第1級都市となった蘇州、杭州、南京の3つの都市です。いずれも中国の総GDPの上位10都市に入っています。

 例えば上海では、一人当たりの可処分所得は7万2232元で、市内の中古住宅の現在の価格は、1平方メートル当たり6万〜10万元、80平方メートルの家でも最低450(7600万円)〜800万元(1億3600万円)します。

 不動産税の税率が、市場価格から計算されるとなれば、一家3人で2人が働いて、年収15万元(ざっと255万円)なら、ざっと5万元(85万円)の税金になってしまいます。

 南京市を例にとれば、個人の収入平均が約6万元(102万円)で、中古住宅が3万5千元から4万7千元の間です。80平米のマンションが283万(4800万円)〜381万元(6400万円)します。共働きで家庭収入が12万元だとすると、すくなくとも25%が税金になってしまいます。

 この二つの例は最低の住宅価格と年間所得ですから、実際はもっと高くなるでしょう。

 アメリカの「建国の父」の一人であるベンジャミン・フランクリンの有名な言葉に、「この世には、税金から逃れるには死以外ない」があります。

 賢明な読者は、ご自分の年収と不動産価格に基づいて、「消費物資としての不動産」である自分の家の税額を計算できます。

 そして、固定資産税が年々上がっていくことや、政府が利益を得る形で不動産価格が調整されることも想定しておく必要があります。

 中国のメディアが固定資産税の住宅価格への影響についてしか語らないのは、それしか許されないというプロパガンダ上の制限があるからです。

 しかし、住宅価格ばかりを気にして、不動産税に対する思慮を欠いて、未来の家計プランで「不動産は多ければ多いほど良い」などと思っていては、大変なことになりますよ。(終わり)

何清涟:中国开征房地产税:保值品变为消费品

2021-09-13

关于中国的房地产市场,最近民众关注的是各地的限购令导致房价下挫。为何关注?原因其实也非常简单:因为政府征收房地产税还未正式成行,中国人的房产主要是保值的投资品,而不是消费品。中国民众的家庭财富约70%体现为房产,房价下跌,意味着家庭帐面资产缩水。但是,这只是中国人财富梦缩水的一方面。一旦房产税开征,平均意义上来说,中国家庭视其所居城市的房产价格,将为房产这一消费品交纳出约三分之一到四分之一的年收入。

要理解这种情况,先得从中国房地产的特殊性说起。

中国房地产让利益相关者形成奇特的利益捆绑

世界上没有一个国家的房地产市场将政府、银行与房地产所有者捆绑在一起,形成了一个利益共同体,唯有中国做到了。

多年前,中国政府声称要经济结构转型。这个转型本来就包含着不再以房地产为龙头拉动整个经济,但不仅没做到,反而对房地产的依赖度越来越高。

这原因我详细解释过,在此长话短说:

首位原因是中国地方政府的土地财政依赖度。土地财政依赖度(土地财政依赖度=城市土地出让金/城市一般性财政收入×100%)。

其次,中国的房地产已经成为中国央行的货币储水池。用信贷支撑房地产市场,已成为中国政府的经济维稳之道。这种方式最恶劣的后果是通胀。但通胀的过程只是一个稀释社会财富的过程,没有外来军事威胁与内部难以压制的反抗,并不会直接导致政权垮台,比如津巴布韦的恶性通胀比中国要高不知多少倍,但也没有导致政权垮台。

第三是中国人家庭财富中的主要部分是房地产。2020年中国央行报告称:城镇居民家庭资产当中,房产占比超七成。

中国的房地产市场早就是个政府做庄家的庞氏骗局。五年以前,还有些专家建议政府要想办法为房市降温,控制房价。这些专家是从长远考虑,从市场角度考虑,但他们的考虑重点显然与中国政府不同,当局考虑的是政府的钱袋,要保持钱袋饱满,就得玩庞氏骗局。

 在美国,庞氏骗局破产,那是因为玩家、银行与政府(裁判)是利益不同的三家人。而中国不一样,裁判是中央政府,庄家是央行,大玩家是地方政府。地方政府要卖地,就得有小玩家愿意借贷买房,源源不断入局。加之中国政府早就发明了一整套控制市场的方法,比如限购、限售、限价,想用哪种就用哪种。一个政府兼做庄家、裁判及卖地大玩家的市场,泡沫可以吹得比当年的日本与美国大,其回旋余地也比他们大。

中国房地产早已成为中央政府与居民的货币储水池,成为地方政府的提款机。在无须为房产作为消费品付税的情况下,其投资保值品让房产拥有者的家庭帐面资产看起来很富有,不少家庭都是千万富翁。

但中国人这样计算家庭财富,其实更多的是心理上的自我安慰,为何这样说?一是世界各国(也许北韩、古巴等除外)都开征房产税,中国政府绝对不会让自己成为这一惯例中的例外;二是如果是自住房,变现的可能性小,因为你卖了后得去租房住,这房产与其说是财富,不如说主要是家庭的消费品;三是父母一代想将房产做为遗产留给后代,节节看涨的遗产税需要后代有足够的承受力。

1%房产税将成为城市中产的重负

今年5月11日,财政部、全国人大常委会预算工委、住房城乡建设部、税务总局负责人在京主持召开房地产税改革试点工作座谈会,听取部分城市政府主管官员及部分专家学者对房地产税改革试点工作的看法。

这条消息出来后,中国舆论认为,房地产税即将开征。但舆论关心的焦点竟然是房价,而不是房地产税将成为中国城镇居民不轻松的负担。

房地产税是地方税种,由各地政府根据当地情况征收。但不管如何征收,中国城市居民的年收入水平摆在那里。第一财经今年4月14日刊发一篇《中国2020年全国40个城市居民人均收入》(http://finance.eastmoney.com/a/202104131882994912.html),该文显示,2020年,中国40个城市中有7个城市人均收入超过6万元,分别是上海、北京、深圳、广州、苏州、杭州和南京,其中有四个一线城市以及苏州、杭州、南京这三大来自长三角的新一线城市。这7个城市的GDP总量均位居中国城市GDP前十名。

以上海为例,人均可支配年收入为72232元,目前市区二手房价格在6-10万元每平米之间,一套80平方米的房子,至少450万-800万。房地产税率如果按照市场价格,那就是一家三人当中两人工作,年收入15万,得付5万房地产税,几乎是家庭年收入的三分之一。再以南京为例,个人年收入为60606万元,目前市区二手房价格为35400-47700之间,一套80平方米的住房,房价在283-381万,家庭年收入12万余,至少得付四分之一以上——两地的房地产税估算,均是按照最低限度的房价与人均年收入,实际征收应高于此数。

美国“开国三杰”之一的本杰明·富兰克林曾说过一句名言:“在这个世界上,只有死亡和税收无法逃避。” 有心的读者可以按照自己家庭年收入与房产价格做一估算,就明白自己将为房产这一消费品付多少“消费税”了。此外,还得预期房地产税会逐年调高,而房价政府也会按照有利于政府的方式调整。中国媒体只谈房地产税对房价的影响,那是宣传口径规定它们只能如此,但中国公众如果这时还只关心房价而对房地产税抱侥幸心理,不做未来的家计预算,以为房产越多越好,那是对自己的钱袋不负责任。


(文章只代表特约评论员个人的立场和观点)

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