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何清漣★ロシア・ウクライナ戦争が世界の軍事地図を塗り替える 2022年3月6日


 ロシア・ウクライナ戦争は続いていますが、ホワイトハウス、NATO、英国はすでに態度を明らかにしています。

 :軍隊は絶対に派遣しない。武器、軍事装備だけを提供して、ロシアに対して各種の金融、経済、文化制裁による打撃を与える。

 ですから、今回の戦争の構図はこうなります。

 :政治(外交)、金融・経済、情報戦ではウクライナと欧米が勝ったが、地上での軍事戦ではロシアが優位に立つ

 3月4日、ブリュッセルで行われた同盟外相会議で、ブリンケン米国務長官は、米国はNATO諸国の領土の隅々まで防衛すると保証しました。
 NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は3月4日、ブリュッセルのNATO本部で開かれたNATO加盟国特別外相会合後の記者会見で、ウクライナでの飛行禁止区域の要請を拒否したことを明らかにしました。 NATOはこの戦争に巻き込まれることはない、と。

 この戦争はまだ終わっていませんが、第二次世界大戦以来、米国が長く維持してきた国際的影響力については、同盟国の信頼をほとんど失っており、その結果、世界の政治・軍事地図は今後変化していくでしょう。

 ★地に落ちた米国の国際的影響力

 米国が目を光らせ、世界がそのあとにっくっついていく時代はもうとっくに終わっています。2021年に米国がアフガニスタンから軍を撤退させる際、英国をはじめとする同盟国にはその準備状況を知らせず、同盟国の心は冷え切ってしまいました。

 英国はただちに軍事費増大を決め、軍事上の自立を目指し、米国の庇護一辺倒をやめました。今回のロシア・ウクライナ戦争をめぐる国際的な戦列は、次々と国際的な各種制裁がおこなわれるほか、国連の評決が注目されます。

 まず国連の投票を見てみましょう。 国連加盟国193カ国のうち、投票に参加したのは181カ国。 このうち、141カ国がモスクワ非難決議を支持しました。反対した加盟国はロシア、ベラルーシ、シリア、北朝鮮、エリトリアの5カ国だけです。

 35の加盟国が棄権し、その中には中国、インド、アラブ首長国連邦という影響力のある(あるいは地域的に影響力のある)大国が含まれていました。

 国際世論が圧倒的にウクライナに有利な現在の国際情勢の中で、棄権することは非常に困難です。これは米国に追随はしないという強い意思表示とみるべきでしょう。

 中国の棄権は欧米も予想していたでしょうが、インドの棄権は米国を怒らせました。米国はずっとインドとの「準盟友関係」(米国側の見方ですが)を重視してきましたから、当然、不満で圧力をかけようとしました。

 3月2日、政治ニュースサイトAxiosは、米国務省が米外交官に送った電報を回収(取り消し)したと報じました。それはインドとUAE在住の外交官に、ウクライナ支持を求め、さもなければロシア陣営に属するとみなす、という内容でした。

 こうした強圧的に態度表明を求める電文を取り消したということは、もう他国に態度表明を求めることは、米国の利益にならないということのあらわれです。

 ただ、インドとロシアの関係は確かに特別です。冷戦時期までさかのぼって、カシミール紛争ではロシア(当時のソ連)はずっとインド側につき、拒否権まで行使しました。今回の立場を鮮明にする争いの中で、ロシアが一番国際世論として支持を受けたのはインドだったというべきでしょう。

 インドが米国と距離を置こうとするのはこれだけではありません。3月3日、米国、日本、インド、オーストラリアの首脳が四極安全保障対話(QUAD)ビデオサミットを開催し、ウクライナ危機を議論でインド太平洋へのコミットメントを再確認しています。

 そのなかで、インドは他の三ヵ国とウクライナ戦争にたいする姿勢の違いが注目されました。

 AFPの情報筋によると、4者構成による対話は、インドが躊躇する中、ロシアのウクライナ侵攻を非難することに関して合意に達することができませんでした。

 モディ政権は、「4者会談はインド太平洋地区の平和維持と繁栄を中心に専念すべきであって、ウクライナ危機は対話による外交にたちもどるべきだ」と述べたのでした。

 四国連合は、インド太平洋戦略を実現するための米国のツールで、インドは重要な一環ですが、対中国姿勢では日本・豪州とは完全に違っていました。そして、今、またひとつ違いが増えてしまいました。

 ★この戦争は新たな軍拡につながる

 インドの対露姿勢にはもう一つ理由があって、ロシアはずっとインドへの武器供給国だったということです。インドはロシアの防空システムS-400を購入したことで米国から制裁を受ける可能性に直面している。現在の国際情勢の下では、軍備拡張を考えるのはインドだけではない。日本でもおおっぴらに核武装論議が表明されています。

 ドイツを例にとると、ロシア・ウクライナ戦争後、複数のドイツ軍将兵がドイツ軍装備が不十分であると述べています。

 2月24日、ドイツ軍のアルフォンス・マイス長官(司令官)は、ソーシャルネットワークCollageを通じて、ロシアのウクライナ侵攻についてこう語っています。

  :「ドイツ連邦国防軍、つまり私が光栄にも率いている陸軍ははっきり言ってハゲ頭のようなものだ。政治家に示せる連合支持力の選択はきわめて限られたものでしかない」

 メルケル前首相の国防大臣だったアンネグレート・クランプ=カレンバウア(訳注:2019年7月から2021年12月まで国防大臣、一時、メルケルの後継者とも言われた)女史も同日、「自分たちの歴史的失敗について非常に怒りを感じている。我々はグルジア、クリミア、ドンバスの後、我々はプーチンを本当に抑止できる用意をしなかった」とツィートしました。

 連邦軍のアルフォンス・マイス中将は、LinkedIn(リンクトイン)に「平和のために奉仕して41年目にして、また戦争を経験することになるとは思ってもみなかった。我々の軍隊は基本的に徒手空拳の状態」と書いています。

 ウクライナにロシア軍が来襲した直後、ドイツ政府は多額の軍備投資を決定した。ドイツのシュルツ首相は政府声明で、1000億ユーロを連邦国防軍」に投資し、軍隊を現代化すると表明しました。

 3月3日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、この戦争がが「ヨーロッパ大陸全体を変えた」と述べ、フランスとヨーロッパのパートナーは、ロシアの天然ガス依存、エネルギーの自給自足と他国への依存をやめ、軍隊の近代化のための『大きな努力』をしなければならない。私たちはもはや、食事や世話、情報提供、資金提供などを他人に頼ることはできないのです」と述べました。

 ★世界の核兵器廃絶の努力は水の泡に

 ロシアが2月24日ウクライナに出兵したことで、プーチン首相は27日、核システムを起動準備状態に置いたと声明し、NATOにロシアとウクライナの軍事衝突への軍事的関与を警告。同日、日本の安倍前首相は日本の核保有問題についてテレビ演説で触れました。

 ロシアと米国を合わせると、世界の核兵器の約93%を保有しています。 冷戦時代、核保有国であるアメリカとソ連は、戦略的攻撃兵器の相互削減と制限を目指して、冷戦終結後も戦略兵器制限協議(SALT)を開催してきました。1963年に初めて開催されて以来、60年近くにわたり、8つ以上の関連合意に達してきました。

 簡単に言えば、1980年代以前は、大量破壊兵器が米ソの核兵器備蓄にほぼ集中していたため、核の破滅を回避することが米ロ間のコンセンサスとなり、交渉の主要な動機となったのです。こうした努力はソ連解体後にも続けられました。

 第二次世界大戦で米国から2発の原爆を受け、世界で唯一核兵器による攻撃を受けた日本は、第二次世界大戦後、国連総会で決議される2020年12月まで27年間、毎年核兵器廃絶の決議文を国連に提出するなど、積極的に核廃絶を訴えてきた。それが今回、核兵器所有というデリケートなテーマへの積極的な主張が提起されたことは注目されます。

 安倍晋三は2月27日、フジテレビで、米国の核兵器を日本に配備して共同使用する、いわゆる「核シェアリング」政策について、日本も議論すべきとの考えを示し、一部のNATO加盟国は同様の政策を実施していると述べました。

 安倍首相は「「世界の安全保障はどうすれば保たれるのか。 現実の議論をタブー視してはならない」として、「1994年にウクライナが署名したブダペスト覚書には、ウクライナの核兵器保有を放棄することが明記されていた。現在、国土を自衛できないウクライナだが、ソ連崩壊当時は世界第3位の核兵器を保有しており、米国、ロシア、英国がその主権と安全性を約束していた」こと、そしてまた、当時のブダペスト覚書の調印には、ベラルーシとカザフスタンも旧ソ連から引き継いだ核兵器をロシアに引き渡したと述べました。

 戦争や疫病はいつの時代も人間社会を変化させる大きな要因でした。ロシア・ウクライナ戦争はまだ10数日ですが、世界の軍事地図の塗り替えはもう始まってしまいました。(終わり)

何清涟:俄乌战争将改写世界军事版图
2022-03-06

俄乌战争(法国媒体已经称之为俄乌军事冲突)虽然未结束,但由于白宫、北约、英国都已经表明态度:绝不派兵介入,只提供武器、军事装备,并施展各种金融、经济、文化制裁打击俄罗斯。因此这场战争成了如下态势:乌克兰与西方赢了政治(外交仗)、金融经济战、信息战,但在地面的军事战中,却是俄罗斯占优势。

3月4日,美国国务卿布林肯在布鲁塞尔召开的联盟外长会议上再次向北约各国保证:美国将保护北约国家的每一寸土地。北约成员国特别外长会议3月4日在布鲁塞尔北约总部举行,北约秘书长斯托尔滕贝格在会后举行的新闻发布会上表示,北约拒绝了在乌克兰设立禁飞区的要求。北约不会卷入这场战争。

尽管这场战争还未结束,但美国在二战以后长期保持的国际影响力,已经让盟友失去了大部分信心,今后世界政治军事版图将由此改变。

美国国际影响力:无可奈何花落去

这世界早就不是美国瞪瞪眼,世界都跟着转的年代了。2021年阿富汗撤军时,美国未通知英国等盟国预作准备,盟国的心全都寒透了,英国立刻做出加大军费投入的决定,表示军事上自力更生,不再一心指望美国保护。本次围绕俄乌战争的国际站队,除了陆续跟进的各种制裁之外,联合国的表决算是一次大站队。

先看联合国的投票情况。联合国193个成员国当中,有181个参加了投票。其中141个支持谴责莫斯科的决议案,只有5个成员国反对,包括俄罗斯、白俄罗斯、叙利亚、北韩和厄立特里亚。有35个成员国弃权,其中包括几个有影响力(或区域影响力)的大国,中国、印度、阿联酋。

在当前国际舆论一边倒地支持乌克兰的国际氛围中,投弃权票的很不容易,实际上应该算是一种不跟美国走的强烈表示。中国投弃权票在美国与欧盟意料之中,但印度投弃权票,让美国很生气。美国一直重视与印度的准盟友关系(美国的定位),对印度这一姿态当然很不满,曾想直接施压。3月2日政治新闻网站Axios的报导,美国国务院已召回一份发给美国外交官的电报,该电报指示他们通知印度和阿联酋的外交官,两国在乌克兰问题上的中立立场使他们“处于俄罗斯的阵营”。收回逼迫表态的电报,表明美国权衡利弊之后,不再逼他国表态站队了。

但印度和俄罗斯关系确实很不一般,往前可以追溯到冷战时期。在历次克什米尔战争中,俄罗斯(苏联)都站在印度一边,甚至不惜行使否决权。在这次站队鲜明的国际斗争中,俄罗斯获得的最强烈的国际舆论支持,应该是印度。

印度对美国的疏离还不止于此。3月3日,美日印澳四国领导人召开“四方安全对话”(QUAD)视讯峰会,在谈及乌克兰危机时,重申对印太的承诺。其中,印度和其他三国在乌克兰战争上不同的立场格外引人注目。法新社消息称,在印度态度犹疑的情况下,四方对话未能针对谴责俄罗斯入侵乌克兰一事达成共识。莫迪政府表示,“四方对话必须持续专注于促进印太地区和平、稳定与繁荣的核心目标。”并称乌克兰危机“有必要回到对话和外交的道路上。”

四方联盟是美国印太战略的实施工具,印度是其中重要一环。在对华态度上,印度本就与日本、澳大利亚不完全相同,如今又增加了一项。

俄乌战争必将开启新一轮军备热潮

印度未表态谴责俄罗斯还有一个原因,俄罗斯一直是印度军方的主要武器供应国,印度因购买俄罗斯S-400防空系统,正面临受到美国制裁的可能性。在目前的国际态势下,考虑加强军备,不是印度一国,而是许多有条件的国家。日本公开表明需要发展核武器。

以德国为例,俄乌战争发生后,德国多位将领都表示德国军队的装备相当落后。2月24日,德国陆军总监(司令)阿方斯·迈斯(Alfons Mais)就俄罗斯入侵乌克兰一事通过社交网络领英表示:“联邦国防军,也就是我有幸领导的陆军,或多或少都是光秃秃的。我们能提供给政治家的支持联盟的选择是极其有限的。”德国前总理默克尔执政期间的最后一任国防部长克兰普-卡伦鲍尔(AKK)当天也通过推特表示:“我对我们自己的历史失败感到非常愤怒。在格鲁吉亚、克里米亚和顿巴斯之后,我们没有准备任何能够真正震慑普京的东西。”德联邦国防军陆军中将迈斯在领英上写道:“在我为和平服务的第41年,我永远不会相信我将不得不经历另一场战争。而联邦国防军,也就是我有幸领导的陆军,或多或少都是光秃秃的。我们能提供给政治家的支持联盟的选择极其有限。”德国联邦国防军陆军总监麦斯(Alfons Mais)毫不留情地说出了联邦国防军的现状:”这是一支基本处于赤手空拳状态的军队。”

俄军开入乌克兰后,促使德国政府决定投入巨资扩充军备。德国总理肖尔茨在一份政府声明中宣称,将投入一千亿欧元”联邦国防军特别资产”对军队进行现代化改造。3月3日,法国总统马克龙表示,俄乌冲突“改变了整个欧洲大陆的时局”,法国及其欧洲伙伴国必须进行‘投资’,以摆脱对俄罗斯天然气的依赖,在能源生产方面实现自给自足,解决国防和粮食生产的短板。我们不能再依靠别人来养活我们、照顾我们、通知我们、资助我们。我们不能依靠别人来保护我们。”

世界努力半个世纪的废核功亏一篑

俄罗斯2月24日出兵乌克兰,俄总统普京于27日声明已让核系统处于随时可启用的状态,警告北约不要军事介入俄乌军事冲突,同日,日本前首相安倍在电视上的谈话触及日本拥核话题。

俄罗斯与美国总共拥有全球约 93% 的核武器。在冷战时期,拥核大国美国与苏联曾举行战略武器限制谈判(Strategic Arms Limitation Talks,缩写:SALT),冷战结束后,美俄继续就此会谈,旨在达成双方的削减和限制进攻性战略武器。从1963年首次举行以来,迄今近60年,双方达成的相关协议有八种以上。概言之,1980年代之前因大规模毁灭武器多集中于美苏之核武存量,如何避免核灾难成了美俄两国的共识,也成为双方谈判的主要动因。这类谈判于苏联解体后仍然持续。

日本在二战中曾遭受过美国两颗原子弹攻击,是世界上唯一遭受过核武器攻击的国家,因此日本一直积极主张废核,自二战后,日本每年都会向联合国提交废除核武器的决议案,直到2020年12月联合国大会通过这一决议案时为止,持续27年整。一个积极主张废核的国家提出拥核,令这一敏感话题再次特别受到关注。

2月27日,安倍晋三在富士电视台的节目中说,他认为日本应该讨论所谓“核共享”政策,即在日本部署并且共同运用美国的核武器,北约组织部分成员国正在执行类似政策。提到俄罗斯进攻乌克兰时,安倍提出:“世界的安全如何得到维护?不可把现实的讨论视为禁忌。”他特别提到1994年乌克兰在苏联解体后签署了《布达佩斯备忘录》,其中规定乌克兰放弃拥有核武器——现在无力自保的乌克兰在苏联解体时,曾拥有世界上第三核武库,当时,美国,俄罗斯和英国对其主权和安全做出承诺。当时参与签署《布达佩斯备忘录》的还有白俄罗斯和哈萨克斯坦,这两个国家当时也把从前苏联继承的核武器移交给了俄罗斯。

战争、瘟疫历来是改变人类社会的重大因素。俄乌战争至此时不过10多天,但改写世界军事地图的布局已经开始。

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