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何清漣★米・中関係――無視できぬある会議 2021年04月12日


 2021年3月20日から22日に、中国のハイレベルフォーラムが北京の釣魚台国賓館で、オンライン、オフラインで開催された。

 米・中関係がどこへ向かうのかに関して、米国はずっと戦略が曖昧なままにしています。アラスカ会議で恥をかかされた後、ブリンケン国務長官は多少の厳しい談話を出したもおの、相変わらず「競争関係」という位置付けは変えていませんし、バイデン政府は軍事費を2.5%削減しました。こうした情報でもまだ米国は中国を懲らしめてくれるだろうなどと幻想を抱いていても、最近、北京で開かれた会議に、米国から20人ほどの著名なる政治家や学者が超党派で参加し、そして彼らのスピーチの内容が、この問題をはっきりと示しています。

 この記事のポイントは

 中国の最高級会議の出席者リスト
 米国の「親パンダ(中共)派」はトランプの貿易戦争を否定
 米国の「親パンダ派」は北京に協力の見通しを事前説明


 ★中国の最高級会議に、米国から参加した人々

 中国政府の公式な「中国開発フォーラム2021:機関と学者」の外国人代表者リスト」によると、クリントン時代に形成され始め、ブッシュ、オバマ時代を通じて米国の対中政策を支配してきた「親パンダ派」の中心人物の多くが今回はも参加しています。

 キッシンジャー協会会長のヘンリー・キッシンジャー氏、元国務長官のローレンス・H・サマーズ氏、ハーバード大学教授で元国務長官のロバート・ルービン氏、外交問題評議会名誉共同議長のマイケル・K・マクドナルド氏など、注目の人物がズラリといます。共同議長:マイケル・J・ボスキン(元財務長官、スタンフォード大学教授、フーバー研究所上級研究員)、ピーター・マンデルソン(元大統領経済諮問委員会議長)、スティーブン・A・オーリンズ(米中関係に関する全米委員会会長 元米国国務省東アジア・太平洋地域担当国務次官補代理のステン・H・ヴァームンド氏らもです。

 全部紹介してもうんざりするだけでしょうから、北京の「統一戦線工作」の成功ぶりを比較的簡単に理解するために総括してみます。

 大統領経済諮問委員会の2人の前議長と現メンバー、ハーバード大学、スタンフォード大学、エール大学、コロンビア大学、ニューヨーク大学の6人のノーベル経済学賞受賞者、親民主党のシンクタンクであるブルッキングス研究所、ピーターソン国際経済研究所、カーネギー国際平和財団、国立国際問題研究所 、カーネギー国際平和研究所、米中関係全米委員会、米中貿易全米委員会の会長と元会長、フォード財団の会長、エコノミストの編集長が全て出席しています。

 これらの機関や人々は、この20年ほどの間、米国の対中関係において基本的に支配的な役割を果たしてきました。重要なのは出席人物のかおぶれより、その発言です。

 ★基本的にトランプの対中貿易戦の否定

 2018年3月に米・中貿易戦争が勃発後、米国の「親パンダ派」はほとんど沈黙していました。中国のハイレベルな公式会合にこれほど集中して登場したのは今回が初めてである。内容的にはトランプの中国政策を基本的に否定する発言だった。

ノーベル経済学賞を受賞したコロンビア大学教授のエドモンド・フェルプス氏は、この会議で

「一部の西洋人の中には、中国の経常収支の黒字や、中国の労働者がアメリカの労働者の仕事を奪うことに不満を持つ人がいる」
「このように見える原因は複雑で、市場の要因によって自然に決まるものであり、中国政府が意図的に操作しているわけではない」
「米中の経済・貿易関係は相互依存関係にあり、中国が『米国を利用している』という議論は意味がない」
「現在、中国の労働者が生産している中間製品を米国に移して生産すると、米国の労働者の賃金水準が高いために 生産コストが大幅に上昇し、製品価格の上昇につながる」
「多くの製品が中国で生産されているのは、生産効率が高いからであり、これは自然な市場選択の結果であり、すべての関係者にとって有益である」

と述べました。

 こうした長年の米・中関係を熟知した人なら、これは「比較コスト論」を使って、中国の「無実」を訴えていることがわかります。

 というのは、米・中貿易戦争が始まった主な理由には二つあって、一つは米国の対中国巨額貿易赤字((2017年は2,758億ドル、2018年は4,200億ドル近くを占める。米国の対外貿易赤字全体の67%以上、中国の貿易黒字の90%以上は米国からのもの)で、トランプ大統領は何度か「この25年間、我々は中国を再建してきた」と発言しているものです。

 当時、これを聞いた中国は『環球時報』の記事では「アメリカが中国を再建したというのか? まるでアラビアンナイト物語だ」と激怒しました。それが今、アメリカの有名なノーベル経済学賞受賞者が中国を擁護してくれているので、北京にとっては大変嬉しい話です。

 同教授が中国における生産が市場の選択(コストの比較)の結果だとするのは当然、間違っていません。しかし、米国の経済学教授として、彼が見落としているのは産業移転が米国にもたらしたその結果です。2000年から2010年の間に、アメリカでは570万人の製造業の雇用が失われ、アメリカの製造業の雇用基盤は約3分の1に減少しました。

 これらの雇用喪失とその原因については、マスメディアや学術界でもよく知られていることです。 ラストベルトでの失業率や自殺率の上昇、地元の製造業労働者の絶望感、その多くが30年以上支持してきた民主党を捨てて2016年にトランプを支持したことなどが、アメリカの政治状況の大きな変位の直接の原因となりました。

 ニューヨーク大学教授でノーベル経済学賞を受賞したマイケル・スペンサー氏は、「中国の第14次5カ年計画は、イノベーションを中心とした需給面での優れた計画である」と評価しています。過去10年間の中国のイノベーション能力には目を見張るものがあり、中国にイノベーションの能力があることは間違いない」という言葉は、一見すると何の問題もないように聞こえます。

 しかし、ここ数年、米国が中国の知的財産権窃盗行為を攻撃した対象に百人を優に越す中国人科学者(かの「千人計画」の参加者が多い)がいることを理解すれば、そう簡単にこういう言い方はできないでしょう。先に述べたように、トランプ氏が米中貿易戦争を始めた理由は、膨大な対中貿易赤字に加えて、中国による米国の知的財産の大量盗用という2つ目の理由があるのです。

 中国がアメリカの知的財産を盗むのは、イノベーションの不足に加え、イノベーションのコストが高いため、アメリカにいる中国人や科学者の立場を利用して知的財産を大量に盗んでいるのです。

 2019年の米国301調査報告書では、技術移転と知的財産保護に焦点を当てています。2019年11月20日に発表された301調査報告書の最終改訂版において、米国貿易代表部は、1、航空、2、集積回路、3、情報技術、4、バイオテクノロジー、5、産業機械、6、再生可能エネルギー、7、自動車という技術集約型産業における数百件の報告された取引を検証しました。

 その結論:中国政府の政策・施策が、調査対象となった各技術集約型産業の投資に大きな影響を与えていることが示唆された。中国政府は、中央政府、地域政府、地方政府など様々な多層的に、これらの産業に属する米国企業や資産の買収を指示し、促進してきた。

 報告書には、数十社の中国企業が名を連ねています。 清華大学、中国電信、金華統合、中国南方航空などの名前が出てきて、国営、軍民混成、民間などのカテゴリー別に詳細に述べられています。 企業ではない清華大学は、海外の科学技術人材を導入する中国の「千人計画」の人たちの多くが清華大学の特別教授であることから名指しされました。

 報告書で取り上げられた中国国務院が発行した「「中国製造2025」は、米国から「中国が米国で知的財産を盗むためのガイド」だとはっきりと非難されました。

  また、北京は「米国の最大の関心事は貿易赤字ではなく、長期的な競争力である」ことをよく理解していますが、知的財産権の盗用の多くが国家主導で行われていることを認めようとせず、一部の調整を行っているに過ぎません。

 例えば、2019年12月に中国国務院総局が発行した通知では、新たな通知の日付から ,「中国製造2025」への言及を含む以前に発行された国務院事務局が出した第82号文書は執行停止となりました。

 アメリカの経済学教授としては、少なくともこのレポートが語る事実に注意を払うべきだ。 しかし、この教授たちは、事実を無視してまでトランプの政策に反対しているようで、トランプが提唱するものには何でも反対なのです。こうした他国の利益を自国の利益より優先する「国際主義」は、「米国を偉大に」を敵視する左派が権力を握った米国ならではのものです。

 ★北京に協力への期待を意思表示

 中国とアメリカの政界を行き来するシンクタンクの要人や経済学者たちが北京に行ったのは、協力の意思を事前に北京に伝えるという別の目的があったからです。

 行く前に、バイデンの第一次1.9兆円案が紹介され、4月に打ち出す第二次2.3兆円案はまだ発表されていませんが、アラスカ会談での中国代表の侮辱的な言動によって、米側としては協力の意思表明などできませんでした。

 ですから、、米側の好意をどのように明かすか? このような政府側のバックグラウンドを持つ人物たちが最も適切でした。

 マイケル・スペンサーは、中国が深刻なインフラの過剰能力を生み出し、本来は過剰能力を世界に輸出するための「一帯一路」プロジェクトを立ち上げなければならなかったという事実を無視して、空港や港湾、鉄道などへの投資など、より重要な「日常生活でのメリット」で 「米国はこの点で中国や他の発展途上国から学び、公共部門の投資にもっと注意を払うべきだ」と中国のインフラ整備を賞賛しました。

 元大統領経済諮問委員会委員長のジェイソン・ファーマンは、「米国は巨大な財政出動を開始したので、人々は中国、欧州、日本から商品を買う」と、中国に直接はっきり「朗報」を伝えました。

 ここで重要なのは、上記の会議が中国では大々的に報道されたが、米国の主要メディアでは全く報道されなかったことです。理由を理解するのは難しくありません。(終わり)

美中关系:一场不能忽视的会议
2021/04/12

有关中美关系的走向,美国一直不肯放弃战略模糊状态,阿拉斯加会议受辱之后,国务卿布林肯虽然也发了一些狠话,但并未改变竞争关系这一定位;与此同时,拜登政府减少2.5%的军费。假如以上所有信息还让人不肯放弃美国将惩罚中国的幻想,那么最近一场在北京召开的会议,美国前去参会的20余位人士的显赫政学双栖身份及发言内容已经非常清楚地说明问题。

本文要点:

中国最高级别经济会议的出席者名单
美国“拥抱熊猫派”基本否定川普对华贸易战
美国“拥抱熊猫派”提前向北京透露合作有望
中国级别最高的经济会议,美国去了哪些人?

根据中国官方发布的《中国发展高层论坛2021年会 境外代表名单:机构与学者》,从克林顿时期开始形成、历经小布什、奥巴马时期主导了美国对华政策的拥抱熊猫派核心人物这次去了不少。

以下仅列举知名度相当高的一些人物:亨利·基辛格(Henry Kissinger),基辛格协会主席;美国前国务卿劳伦斯·萨默斯(Lawrence H. Summers);哈佛大学教授、美国前财政部长罗伯特·鲁宾(Robert Rubin);美国对外关系委员会名誉联合主席、美国前财政部长迈克尔·波斯金(Michael J. Boskin);斯坦福大学教授、胡佛研究所高级研究员;美国总统经济顾问委员会前主席彼得·曼德尔森(Peter Mandelson),欧伦斯(Stephen A. Orlins),美中关系全国委员会会长;美国国务院东亚和太平洋事务前代理助理国务卿斯滕·维尔蒙德(Sten H. Vermund)等等。

全列出来让读者感到很Boring(乏味),概括一下比较容易理解北京的统战工作做得有多成功:美国总统经济顾问委员会前主席两位及现任成员;哈佛大学、斯坦福大学,耶鲁大学、哥伦比亚大学、纽约大学的六位诺贝尔经济学奖得主;亲民主党智库布鲁金斯学会、彼得森国际经济研究所、卡内基国际和平研究院、美中关系全国委员会、美中贸易全国委员会会长与前任会长、福特基金会会长、《经济学人》主编等全部出场。

这些机构、这些人基本上成了近20多年美国对华关系的主导者。

这些人物出场还不是主要的,而是其中的一些重要人物说了什么。

FILE - In this Dec. 4, 2013, file photo, Chinese President Xi Jinping, right, shakes hands with then U.S. Vice President Joe Biden as they pose for photos at the Great Hall of the People in Beijing. (AP Photo/Lintao Zhang, Pool, File)

基本否定川普对华贸易战[i]

2018年3月中美贸易战开打之后,美国拥抱熊猫派基本沉寂,这是第一次如此集中出现在中国官方的高层会议上,他们的发言从内容上看,基本是否定川普的对华政策。

美国哥伦比亚大学教授、诺贝尔经济学奖获得者埃德蒙·费尔普斯在会议上发言称:“一些西方人抱怨中国的经常账户顺差、抱怨中国工人抢了美国工人饭碗。 这些表象背后的成因很复杂,是由市场因素决定自然形成的,并不是中国政府故意操控的。美中两国之间的经贸关系是相互依存的,中国‘占美国便宜’这类的说法是讲不通的,……如果把现在中国工人生产的中间产品转移到美国去生产,由于美国工人的工资水平较高,生产成本将大幅提升,导致产品价格升高。 很多产品在中国生产是因为中国生产效率高,这是市场自然选择的结果,对各方都是有益的。”

熟悉这些年中美关系的人都知道,这还是在用“比较成本理论”在为中国叫屈,因为中美贸易战开打的主要理由有两条,一是美国对华巨大的贸易逆差(2017年为2,758亿美元,2018年美国对华贸易逆差近4,200亿美元,占美国对外全部贸易逆差的67%以上;中国贸易顺差90%以上来自美国),时任总统的川普说过好几次:“我们在过去25 年里重建了中国。”

中国当时听后很愤怒,《环球时报》发文质疑“美国重建了中国?对中国听众来说,这实在有些天方夜谭”。现在有美国大名鼎鼎的诺贝尔经济学奖获得者来帮中国说话,对北京来说十分解气。

这位教授关于产品在中国生产是市场自然选择(比较成本)的结果,这当然没错。但作为一位美国经济学教授,他没看到产业转移给美国制造业带来的后果:自 2000-2010 年间,美国失去了 570 万个制造业就业岗位,使美国制造业的就业基础减少了近三分之一。这些失业及其原因已经在大众传媒和学术界得到了充分的证明。铁锈地带的失业、自杀率增高,当地制造业从业者陷入绝望之中,2016年,许多人放弃他们支持了三十多年的民主党,转而支持川普,这是美国政治版图发生大位移的直接原因。


纽约大学教授、诺贝尔经济学奖获得者迈克尔·斯宾塞则称赞“中国的‘十四五’规划在供给和需求方面做了很好的规划,创新是其中的核心要素。过去十年,中国的创新能力令人印象深刻, 毋庸置疑,中国是有能力做创新的”——这话,表面听起来毫无问题,但如果了解近几年美国针对性地打击中国盗窃知识产权、逾百华人科学家(其中不少是中国千人计划的参与者)这一情况,就不会如此简单地看待这一说法。如前所述,川普发动中美贸易战的原因是两点,除了巨大的对华贸易逆差之外,就是中国大规模盗窃美国的知识产权。

中国盗窃美国知识产权,就是因为创新能力不足,再加上创新成本太高,因此利用在美华人及科学家,利用他们的职务之便大量盗窃知识产权。

2019年美国301调查报告的重点就是技术转让和知识产权保护问题。 在2019年11月20日发布的301调查报告最终修订版中,美国贸易代表审查了以下技术密集型行业数以百计的报告交易:1、航空;2、集成电路;3、信息技术;4、生物技术、5、工业机械;6、可再生能源;7、汽车。

得出结论:证据表明,中国政府的政策和措施对所研究的每个技术密集型行业的投资都产生了重大影响。 在多层次的政府——中央,地区和地方——中国政府已经指导并促进了美国公司和这些行业资产的收购。

报告点了几十家中国企业的名。清华大学、中国电信、晋华集成、南航都被点名,并按照国营、军民混合、民营等分类归置,相当详细。清华大学并非企业,它之所以被点名,乃因中国引进海外科技英才的千人计划中的人,不少就是清华特聘教授。

该报告重点提到的由中国国务院颁布的《中国制造2025》,更是被美国直指为“中国在美偷盗知识产权的指南”。北京也很清楚,“美国最大的关切不是贸易赤字而是国家长期竞争力”,但决不肯承认许多盗窃知识产权的行为是在国家支持下进行的,只是悄悄地做了一些调整,比如中国国务院办公厅于2019年12月发布通知,称自新通知印发之日起,此前发布的含有《中国制造2025》提法的国办发〔2016〕82号停止执行。

作为一位美国经济学教授,至少应该关注一下这个报告所谈的事实。但这些教授似乎反对川普政策已经到了罔顾事实的程度,凡川普主张的,就一定要反对。这种视国际主义(他国利益)比本国要高,也只有在将“让美国伟大“视为错误的左派当道的美国才会出现。


提前向北京透露合作有望

这批穿梭于中美两国政界的智库要员与经济学教授去北京还有一个目的,向北京提前释放合作意愿。

在去之前,拜登的第一个1.9万亿计划已经出台,第二个2.3万亿的与拟在4月推出的2万亿计划还未宣布,中美合作因为阿拉斯加会谈中中方代表的言行让美方无法表示合作,如何释放美方的好意?这种有官方背景的人士出场最为合适。

迈克尔·斯宾塞则称赞中国基础设施建设更重要的是“功在日常”,比如投资机场、港口、铁路等基础设施,罔顾中国造成的基础设施产能严重过剩,不得不向外推出原本是向全世界输出过剩产能的“一带一路”计划这一事实,提出“在这方面,美国应该向中国和其他发展中国家学习,更加重视公共部门投资”。

美国总统经济顾问委员会前主席福尔曼(Jason Furman)则干脆直接向中国宣布好消息:“美国推出了巨大规模的财政刺激政策,这意味着人们将从中国、欧洲、日本购买商品“。[ii]

必须指出,上述会议在中国被大张旗鼓地宣传,但美国主流媒体却根本未予报道,其中缘由不难理解。


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