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程暁農★経済グローバル化のチャイナリスク  2021年4月14日


 「経済グローバリズム1.0」の重心は中国だった。これによって2つの巨大な「中国の罠」が生まれた。第一に、中国マーケットを主なビジネスターゲットとする多国籍企業が「対中従属」になり、第二に、グローバルな商品サプライチェーンが「対中高依存」という罠に陥りやすいことだ。

 多国籍企業は、この2つの罠に対する認識不足に加えて、中国の「崛起」と対外進出が経済的グローバリゼーションにもたらす政治的リスク、中国の人権迫害が経済的グローバリゼーションへの政治的ショックにもなりうること。そして、グローバルなサプライチェーンを脅かす予期せぬリスクに備えがないことなどはほとんど予想していない。今、それを考えてみる時期だ。

 ★⒈ 経済グローバル化の忘れられたリスク

 過去数十年にわたり、経済のグローバル化は、人類の経済発展の継続的な進歩の指標と結果だと見なされてきた。そして、「世界の工場」としての中国は、まさにこの経済グローバル化の波の最も重要なメルクマールだと思われて来た。中国側もこの流れに乗って、世界経済の発展に貢献することを繰り返しアピールしたが、腹の中では、「やっと、自分たちがが地球の運命を支配するチャンスがやってきた」と思っていたのだ。

 なぜ、先進国の多国籍企業は中国で「世界の工場」に製造製品のインダストリアルチェーンやサプライチェーンを構築するのか。経済発展の歴史を振り返ると、世界の産業チェーンの配置構造は2種類ある。「分散化」は自国の経済を発展させるためで、「集中化」は先進国企業の低コスト地域移転だ。

 過去1世紀の間、グローバルな産業チェーンは、まず米国、そして日本、中国に集中し、これらの国はその都度「世界の工場」と呼ばれ、製造業の重要な中心となった。

 世界の工場」がこれらの国にあるのは、第1に基礎的な産業基盤があること、第2に産業・商業活動に対する規制が少ないこと、第3に輸出や国内販売がしやすいこと、などだ。

 1990年代以降、経済のグローバル化が中国にシフトしていったのは、当時の国際環境が大きく関係している。一方で、多くの先進国で海運が容易になり、関税が撤廃されたことで、企業が国境を越えて活動することが容易になった。

 他方、当時は国際秩序が安定しており、米・ソ冷戦が終わり、中国共産党はまだ弱く、対外的な野心も少なく、中東での一部の戦争を除けば、ヨーロッパと東アジアは長い間平和であった。このため、アメリカやヨーロッパの企業は、当時賃金の低かった中国に進出するようにると同時に、中国市場に夢中になった。

 経済のグローバル化が進んだこの時代は、これまでとは大きく変わった。以前、イギリスの企業がアメリカで、アメリカの企業が日本で活動していた頃は、製品や技術は今よりシンプルで、新しく作った製造拠点で生産ができた。

 しかし、1990年代以降、電子技術の普及に伴い、各国の製品設計、原材料の使用、技術の応用が複雑化し、先進国の特許規制がますます完備され、企業のデザインや技術などの無形資産の重要性が高まった。

 このため、先進国の企業が中国に投資して事業を行う際には、事業における製造・加工プロセスと製品設計を分離して考えるようになった。

 一方で、原材料や電子部品の中には、その複雑さや高度な技術ゆえに、すべてを中国で製造することはできず、製造能力のある国でしか製造できないものもある。

 そのため、外国でデザインし、外国の原材料を使って、中国でのプロセスは外国の部品の組み立てとなった。別の面では、一部の材料と電子部品の複雑性とハイテク性によって、中国では製造できず、能力のある国家で製造する。

 だから、中国での加工過程は、外来の原材料と外国部品による組み立てだ。 これが、中国の改革開放後間もない頃の広東省の製造業で「三来一補」(委託加工貿易と補償貿易の総称)構造である。

 多国籍企業の場合、研究・設計、部品生産、組み立て、マーケティングなど、製品生産の多くの側面が各国に分散していることがあり、各国の企業は技術力の分業に従い、原材料や部品の設計・製造を担当する。そして労働集約型の最終組み立ては中国の工場で完成させる。

 このグローバル化されたビジネスモデルは、多国籍企業のコストを大幅に削減し、世界の経済成長を押し上げ、「世界の工場」に急成長した中国にも恩恵をもたらした。

 昨年の新型コロナウイルス発生前は、世界の製造業生産高の半分がアジアで占められており、製造業の三本柱は中国(4.1兆ドル、アジアの58%)、日本(1兆ドル、15%)、韓国(5000億ドル、6%)だった。

 ★2「ビジネスの話だ」だけで中国と安定した経済関係が築けるか?

 よく各国の財界人の中には、「中国には巨大な経済的利益があるから、中国共産党との関係を壊すわけにはいかない」と言う。この婉曲話法の意味は、つまり「俺たちはビジネスの話をしているのであって、政治の話はしていない」だ。これは一見合理的に見えるが、重要なことが忘れられている。

 まず、国家間の政治関係は、ビジネスマンたちが完全に左右できるだろうか? それとも国家間の政治関係がビジネスマンの決定を左右するだろうか? 

 答えは言わずとも明白だ。実際、ずっと中国政府の対外政策が、外国企業の命運を決めて来た。中国政府は他の国とは違い、地域的な派遣と全世界的な派遣への野心を持つ国家なのだ。だから、ビジネス手段をその地政学的な、時には軍事的な目的にだって利用する。

 とりわけ、中国が米・中冷戦に火をつけてからは、インド太平洋地域の制覇を目的とした戦略的意図を開始した。特定の国が戦略的な抑止、制御の対象になると脅威を感じることになる。去年のオーストラリアが深くこれを学んだ。

 「ビジネスの話だ」は、双方が衝突していない波風の立たない時には当然のことだ。民主国家の間では貿易上の摩擦がおこる可能性があっても互いに似たような民主制度の国家なので、どちらも国際ルールを守り、そうした貿易上の意見の違いは解決できるし、国家間の衝突には至らない。

 しかし、民主国家と全体主義国家の間では完全に異なる。

 中国との経済関係は長年続いており、常に平和的であったのに、なぜ紛争やトラブルが起こるのか、という意見もあるだろう。

 問題の核心は、全体主義国家は対外的な拡大の野心を持っているが、「剣を抜いてみせる」期が熟したと感じるまで、長い間「爪を隠す」してきたということだ。それでも以前同様の「安定した経済関係」を維持できると期待する国家は、難題に直面するだろう。

 中国の脅威に直面し、自国国家安全保障に影響が出ても、なお貿易関係を維持するためには、政治的・防衛的な分野で譲歩をしなければならない。しかし、そうなれば中国はほしいままに振る舞うだろう。すなわち威嚇を受けた国家は全面的に受け身に立たされる。

 歴史上、そうした例はたくさんある。第二次大戦勃発前に英国首相のチェンバレンのナチスドイツに対する宥和主義は、最後にはやはり戦争を強いられた。大日本帝国がタイに圧力をかけた時、タイは従うしかなかった。

 もし全体主義国家と長期安定的な経済往来を維持できるのは、その国が対外拡張に踏み切る前だけであって、対外拡張が始まってからは無理なのだ。この激動の時代に、まだ企業は無邪気に「ビジネスの話しかしない」でいられるだろうか?

 ★3 経済グローバル化のリスク再考

 長い間、世界中のメディアや大学の授業では、経済のグローバル化の必要性やメリットばかりが語られてきた。しかし、経済のグローバル化がどのようなリスクを抱えているのか、様々なリスクがもたらす結果がどれほど大きいのかを具体的に分析した専門家はほとんどいなかった。では一体、どんな危険があるだろう?

 まず、中国の「崛起」が経済のグローバル化に政治的なリスクをもたらすとは、基本的に世界の誰も予想していなかった。だから、中国の対外的な軍事的拡大戦略が明確に示された今になって、各国が急に不満を感じるようになった。

 実際は、経済のグローバル化に伴う政治的リスクに対する準備不足は、近視眼的な必然の結果であり、中国当局の国際的野心に対するあさはかな無知の必然的な結果の産物であると言える。

 中国の軍備拡張は10年前からとっくに始まっていたが、長い間、各国政府とビジネスマン達はいつも僥倖を期待し、平和が続くとして、中国は動物園のパンダのような可愛い生き物で、インド太平洋地域の脅威になるなどとは思ってもみなかったのだ。

 第二に、経済のグローバル化のリスクが語られる場合でも、それは純粋に経済や金融レベルの局所的な出来事に限られることが多かった。
 例えば、ドイツのThieß Petersen博士は、2018年7月に「世界経済の7つのリスク」と題して、経済のグローバル化に対する7つのリスクについて言及した。

 それは
1.世界的な過剰流動性
2.債務の増加
3.保護主義の高まり
4.地政学的紛争の拡大
5.社会的な不安定さの増大
6.米国の金利上昇
7.技術の進歩による低スキル労働者の雇用機会の減少

 だった。

 このうち4つは中国ファクターを考慮していない。 このような分析は、重要な点を避けた単純な経済的視点であり、グローバル化したサプライチェーンが直面する可能性のあるリスクを考慮していないのだ。

 再度言うが、グローバル化したサプライチェーンにおける予期せぬリスクの脅威は、ほとんど議論されておらず、ましてや企業がそれに備えることなどない。国際社会には、経済のグローバル化を高らかに唱える専門家は多いが、経済のグローバル化が直面しうる予期せぬリスクを冷静に分析する専門家はあまりにも少ないのだ。

 ところが、実際のところ、経済のグローバル化にはさまざまな予期せぬリスクがつきもので、予期せぬリスクだけに、完全に回避できるものはない。

  この1年、国際社会では予想外の出来事が相次いだ。 世界と世界経済を脅かした中国での疫病、各国で価格高騰を招いた世界的なコンテナ・サイクル、多くの産業に打撃を与えた世界的なチップ危機、世界の海運の一部を遮断したスエズ運河など、いずれも多国籍企業にとっては想定外の出来事であり、非常に深刻な結果をもたらした。

 ★4 人権侵害はグローバリズムに政治的リスクをもたらしかねない

 中国は、国際レベルでは国際法やルールをあからさまに無視し、国内では集団的な政治的迫害を行なっている。米・中冷戦が激化する中、国際的な関心はますます高まっている。

 最近発生した、国際的な繊維・衣料品業界による新疆綿のボイコットは、国際的NGOが国際的なモラルから中国当局と対立することで発生した、経済的グローバリゼーションのもう一つの政治的リスクである。

 2019年7月、オーストラリアABCの調査番組「Four Corners Squared」は、新疆ウイグル自治区でウイグル族のイスラム教徒が逮捕され、繊維工場で強制的に働かされていることを明らかにした。

 2020 3月1日、オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)は、アップル、ナイキ、アディダス、ユニクロなど、国際的な大手衣料品ブランド83社の原材料サプライチェーンが、中国でのウイグル人をはじめとする少数民族の強制労働につながっているとする調査結果を発表した。

 去年、9月22日に米国議会では「ウイルグ強制労働防止法」が通過し、この問題は世界的な関心を集めた。今年3月30日に発表された米国務省の年次人権報告書では、「新疆ウイグル自治区の主にイスラム教徒であるウイグル人やその他の民族的・宗教的少数派に対するジェノサイドと人道に対する罪」が挙げられている。

 :中国では、「100万人以上」のウイグル人をはじめとするイスラム系少数民族を超法規的収容所に入れ、さらに「さらに200万人を昼間だけの『再教育訓練』している」とある。

 ジュネーブには「ベター・コットン・イニシアティブ(BCI)」というNGOがある。 BCIは、世界的に有名なアパレル・繊維小売ブランド、原料供給業者や綿糸加工業者、綿花生産者団体、綿花サプライチェーンに技術サービスを提供する企業などが参加するサプライチェーン連合だ。

 BCIは、世界の綿花サプライチェーン、価格決定力、綿花の品質基準に影響を与えることができ、世界の綿花供給の30%を手配しており、中国はその主要顧客の一つだ。

 昨年3月下旬、BCIは新疆での優良綿花許可証の発行を停止することを発表し、昨年10月21日には新疆でのすべての活動を停止することを決定した。その結果、中国は新疆綿の最大の顧客から買い手制裁を受けることになった。今年の3月22日、EU、英国、米国、カナダは、新疆ウイグル自治区のウイグル族をめぐる中国政府関係者に対する制裁を発表し、オーストラリアとニュージーランドは制裁への支持を表明した。

 新疆ウイグル自治区の綿花に対する国際的なビジネスボイコットは、中国経済と世界のアパレル・繊維製品のサプライチェーンにかなりの影響を与えている。

 中国は世界最大の綿花消費国、第2の生産国であり、世界の綿花生産量の4分の1を占め、新疆は中国の生産量の87%を占めている。中国の繊維・アパレル産業の輸出額は年間1,900億ドル近くにのぼり、全生産量の約半分を占める。

 中国の繊維輸出の90%は、海外で販売するためには、外国ブランドが不可欠だ。ブランドを付けた外国人が新疆綿をボイコットするようになると、中国の繊維・アパレル産業は、外国のブランドを付けられなくなり、売上の半分を失いかねず、その結果、多くの雇用を失うことになる。

 オーウェル・コンサルティング社が発表したレポートによると、中国は昨年、新疆綿に対する国際的なビジネスボイコットのために、衣料品や繊維製品の輸出で約4000億元の損失を出したという。

 繊維製品の国際市場におけるバイヤーのボイコットに対処できない中国は、今年の3月24日から海外ブランドの衣料品に対する批判とボイコットを行っているが、この方法は中国のアパレル・繊維産業を政治的苦境から救うものにはならない。長い間、中国製品で棚を埋めてきた多国籍企業は、今後、新しいサプライチェーンの再編成も考えなければならないだろう。

 ★5 経済グローバル化の中国の罠

 経済グローバリズムの重点が中国におかれたことで、少なくとも二つの巨大な「中国の罠」が生じた。 1つは、中国の販売市場を主な事業目的とする多国籍企業が、自国を中国の脅威に屈する罠に陥ること。2つ目は、グローバルな商品サプライチェーンが高い中国依存度という罠に陥ることだ。
 
 一つ目は大した説明はいらない誰でも理解できるものだ。販売市場を中国に依存するようになった多国籍企業は、自国が中国の脅威にさらされたとき、自国政府に中国と対立しないように要求するだろう。

 そして、これらの利己的な企業は、本国の抵抗意志を弱め、中国の圧力と浸透による悲惨な結果を本国の人々に与えかねない。現在、米国、日本、韓国ではこのような企業が、中国の脅威に対して可能な限り妥協するよう自国政府に呼びかけている。

 2つ目のトラップについては、少し詳しく説明しよう。

 多国籍企業はグローバル経営モデルを採用した時、製造過程を簡略化するために、複雑な技術を中国に移転し、コストを低減するために自国の工場を閉鎖し、完全に中国企業の製造に依存した。

 こうした多国籍企業は「無工場経営」として、自分は市場調査、製品設計、原料、部品買い付け、市場販売とアフターサービスだけを行い、製造にはノータッチとなった。これによって生まれた巨大なリスクとはつまり、こうした「無工場経営」の多国籍企業は「世界の工場」と高度な依存関係にあるということだ。

 平穏な時代には、このような国際協力企業は「良い時代」になったと思われるが、「世界の工場」である中国との「協力」には、多国籍企業運営が平和な国際環境に依存するという大きなリスクがある。とりわけ中国と米国の間では必ず「ハネムーン状態」でなければならない。

 しかし、中国はすでに長年、軍備を拡張しており、去年前半に米・中冷戦を発動し、突然多国籍企業の高度な「世界の工場」依存と米国間の安定した環境は消滅してしまった。これらの多国籍企業は、自社の商品サプライチェーンを維持するために中国の脅威を軽視しようとするため、時には利益のために中国の「第五列」の役割を演じることもある。

 現在、米中関係は事実上の冷戦状態にあり、双方にかなりの敵意があるなど、国際環境は必然的に変化した。多国籍企業が好むと好まざるとにかかわらず、また、米国大統領が二国間関係をどのように定義するか(訳注;バイデンはトランプ時代の「敵」を「ライバル」に言い換えた)にかかわらず、米・中の「ハネムーン」は終わりだ。

「中国依存症」に陥った多国籍企業は、この状況を覆すことはできず、この劇的な変化に痛みを伴って直面しなければならないだろう。

 経済のグローバル化は今後も続くだろうが、各国のサプライチェーンが「世界の工場」に過度に依存することは終わりにならざるを得ない。

 経済のグローバル化は、長い間、進歩の象徴であり、人間社会の最高レベルとみなされてきた。しかし実際は、経済グローバリゼーションが「中国の罠」に陥った根本的な理由は、世界各国の政府が、全体主義政府の支配下にある超巨大経済体が経済グローバリゼーションに参加するすれば、政治的・経済的に良からぬ結果が遅かれ早かれ出現することを見抜けなかったことにある。

 西側の企業は、無理やり虎を猫、狼を羊として扱うことにこだわり、中国の「世界の工場」に世界の産業チェーンを依存させることで、実際に自国の国家運命を左右する首吊り用の縄を中国当局の手に委ねているのである。

 トランプ大統領の最大の貢献は、この危険性と中国共産党の野心を見抜き、タイムリーに対策を講じたことだった。

 そして、最近では米国がチップチェーンの再構築に乗り出しており、TSMC社が米国に工場を建設して2ナノメートルなどの最先端製品を製造することにしたのも、世界的な再編成の一端だ。これは、米・中冷戦2年目以降に見られる産業レイアウトの自覚的な突破口となるものであり、TSMCの米国工場建設は、経済グローバル化の2.0版におけるハイエンド製品の新しい布陣の始まりを意味している。(終わり)

经济全球化的中国风险

经济全球化1.0版的重心放在中国,由此产生了两个巨大的中国陷阱。其一是以中国销售市场为主要经营目标的跨国公司容易自掘“屈从中国”的陷阱;其二是全球商品供应链陷入对中国高度依赖的陷阱。

除了缺乏这两种陷阱意识之外,全世界也基本上没人预见到中国“崛起”及其对外扩张可能给经济全球化造成政治风险,没想到中国的人权迫害也可能构成对经济全球化的政治冲击,而各国企业更未对意外风险会威胁全球供应链作未雨绸缪之备。现在,反思这一切的时刻到了。

本文要点:

经济全球化被忘却的风险
在商言商,便能维系与中国的长期稳定之经济往来?
重新思考经济全球化的风险
人权迫害可以造成经济全球化的政治风险
经济全球化的中国陷阱

一、经济全球化被忘却的风险

过去几十年里,经济全球化被看作人类经济发展不断进步的标志和结果,而中国的“世界工厂”形成,恰恰就是这一波经济全球化的最大特点。中国也紧紧抓住这个旗号,反复宣传要为世界经济发展作出贡献;而背后的心里话是,好不容易,机会难得,总算轮到我来主宰地球命运了。

为什么发达国家的跨国公司都到中国去依托“世界工厂”来组建自己的产业链和制造业产品的供应链?从经济发展史看, 全球产业链布局大致有分散化和集中化两种,分散化是因为各个国家都要发展本国的经济,而集中化是因为工业化国家的企业往成本低的地区转移。过去一个世纪里,全球产业链曾经先后在美国、日本和中国集中过,这些国家因此先后被称为“世界工厂”,成为制造业的重要中心。“世界工厂”之所以会在这几个国家,首先是都具备基本的工业基础,其次是对工商业活动的限制比较少,再次是出口和内销都比较方便。


20世纪90年代以来,经济全球化之所以转移到中国,与当时的国际环境有很大的关系。一方面,随着海运的便利和许多发达国家去除了关税,企业的跨国经营越来越方便;另一方面,当时的国际秩序比较安定,美苏冷战结束了,中共还很弱,没有多少对外野心,除了中东地区还有一些战乱,欧洲和东亚地区都长期和平,因此美国和欧洲的企业开始往当时工资低的中国转移,同时也迷恋中国的市场。

这个时期的经济全球化比以前有了很大的改变。以前英国公司到美国经营和美国公司到日本经营,产品和技术比较简单,可以在新形成的制造业中心完成。而上世纪90年代以来,随着电子技术的广泛引用,各国的产品设计、原材料使用和技术应用越来越复杂,而发达国家的专利法规也越来越完备,企业的设计、技术等无形资产的重要性越来越大,因此,当发达国家的企业到中国投资经营时,开始将经营过程中的制造加工过程与产品设计、技术开发、售后服务分离开来,只有加工过程在中国进行;另一方面,一些原材料和电子零部件的复杂性和高技术又决定了,它们不可能都在中国制造,只能到具备这方面能力的国家去制造,于是,在中国的加工过程就成为外来设计、外来原材料、外来零部件的组装过程。中国改革开放后早期广东的“三来一补”就是这种来料加工式制造业结构。

对跨国公司来说,许多产品生产的各个环节, 如研发设计、零部件生产、组装和营销可能分布在不同国家,不同国家之间的企业按照技术能力分工,分别承担原材料、零部件的设计、制造,而最后组装这个劳动密集型环节则在中国的工厂完成。这种全球化的经营模式大大降低了跨国公司的成本,推动了全球的经济增长,中国也大为受益,并迅速成为“世界工厂”。去年的疫情爆发之前,全球制造业产出的一半来自亚洲,亚洲的制造业三大支柱分别是中国(4.1万亿美元,占亚洲的58%)、日本(1万亿美元,15%)和韩国(5千亿美元,6%)。

二、在商言商,便能维系与中国的长期稳定之经济往来?

各国商界有一些人经常讲,他们在中国有巨大的经济利益,所以不能损坏与中共的关系。其委婉一点的说法是,我们在商言商,不谈政治。这些话语貌似颇有道理,但其中好像忘掉了重要的东西。

首先,国家之间的政治关系是商人们能完全左右的吗?还是相反,是国家间的政治关系在左右商人们的决策?答案不言自明,实际上一直是中国政府的对外政策在左右外商的命运。中国政府与其他大国不同,它有谋求区域性霸权乃至全球霸权的野心,因此,可能利用商业手段来达到其地缘政治上、甚至是军事上的目的。特别是中国点燃了中美冷战之后,它开始展现其控制印太地区的战略企图,某个国家只要成为它的战略慑控目标,就会感受到它的威胁。去年澳大利亚深切地体会到了这一点。

在商言商,在风平浪静的年代当然如此,交往双方没有冲突的时候也是如此。在民主国家之间,虽然可能出现贸易上的摩擦,但彼此的民主制度相同,也都遵守国际规则,这样的贸易分歧是可以解决的,不会引起国家之间的冲突。但是,民主国家和极权国家之间就完全不一样了。也许有人会说,和中国的经济交往持续多年,一向平和,为什么要惹纠纷、出麻烦呢?问题的关键在于,极权国家虽然有对外扩张野心,却可能长期“韬光养晦”,直到它觉得时机成熟,才会“亮剑”。那时,期待与其继续维持稳定经济关系的国家便面临难题了。

一旦中国的贸易对象国面临来自中国的威胁,国家安全遭到冲击,想要继续维持贸易关系,就只能在政治、国防等方面作出让步;而这种局面开启之后,若中国步步逼近,予取予求,则被威胁的国家就陷入了全面被动。历史上这样的例子屡见不鲜:二战爆发前英国首相张伯伦用绥靖主义政策敷衍纳粹德国,最终仍然被迫与之交战;大日本帝国对泰国施加压力,最后泰国只能臣服。若想与极权国家维持长期稳定的经济交往,只可能发生在它尚未对外扩张之前,而无法奢望于它开始扩张之后。在风波迭起的年代,企业还能天真地光讲在商言商吗?

三、重新思考经济全球化的风险


长期以来,世界各国的媒体和大学课堂里,只讲经济全球化的必要性和好处,但很少有专家具体分析经济全球化可能面临哪些风险,各种风险到底会有多大的后果。究竟经济全球化有哪几大类风险?

首先,全世界基本上没人预见到中国“崛起”可能给经济全球化造成政治风险,以致于现在中国的对外军事扩张战略已经毫不遮掩地展示出来了,各国才感到突兀不满。其实,这种对经济全球化遭遇政治风险而无所防备的心态,是目光短浅的必然后果;也可以说,是对中国当局国际野心一无所知的产物。中国的扩军备战早在十年前就开始了,但长期以来各国政府和商家始终心存侥幸,以为和平长存,中国就象动物园的熊猫,不会构成对印太地区的威胁。

其次,即便有人谈到经济全球化的风险,也往往局限于纯经济或金融层面的局部事件。比如,德国的Dr. Thieß Petersen于2018年7月以《全球经济的7个风险(7 Risks for the Global Economy)》为题,提到了经济全球化的7个风险:1、全球流动性过剩;2、债务增长;3、保护主义抬头;4、地缘政治冲突升级;5、社会不稳定性增加;6、美国的利率上升;7、技术进步减少低技能工人的就业机会。其中的第4点并未专门考虑中国因素。这样的分析是一种简单的经济视角,避重就轻,他完全没有考虑全球化供应链的可能面临的风险。

再次,意外风险对经济全球化供应链的威胁,基本上也没人讨论,更没有企业未雨绸缪。国际社会里高调鼓吹经济全球化的专家太多了,而冷静分析经济全球化可能面临的意外风险的人却太少了。事实上,经济全球化可能发生各种各样的意外风险,只有我们想不到的意外风险,却没有哪种意外风险能完全避免。最近这一年里,国际社会里接连发生了许多意外事件。从中国疫情危害世界各国和全球经济,到全球集装箱循环乱套导致各国商品涨价,再到全球芯片危机冲击许多产业,还有苏伊士运河堵船卡住全球部分海运,这些事件都是各跨国公司事先想不到、而后果又非常严重的。


四、人权迫害可以造成经济全球化的政治风险

中国在国际上公然藐视国际法和国际规则、在国内坚持实行大规模政治迫害的做法,随着中美冷战的升级,引起了国际社会越来越大的关注。最近爆发了国际纺织服装行业抵制新疆棉花的事件,这是国际非政府组织出于国际道义而与中国当局对抗,因而发生的另一种经济全球化的政治风险。

2019年7月澳广ABC调查节目《四角方圆》披露,维吾尔族穆斯林被抓捕并被强迫在新疆的纺织厂工作。随后,Cotton On集团和Target的澳大利亚分公司宣布不再使用新疆棉花。2020年3月1日澳大利亚战略政策研究所(ASPI)发布一份研究报告称,苹果、耐克、阿迪达斯、优衣库等83个国际知名服装品牌的原料供应链与中国维吾尔族及其他少数民族的强迫劳动有关。

去年9月22日美国国会通过了《防止强迫维吾尔劳动法》,这个问题随后引起了更多的国际关注。美国国务院今年3月30日公布的年度人权报告提到,“在新疆发生了针对以穆斯林为主的维吾尔人和其他少数民族和宗教少数群体的种族灭绝和反人类罪”;中国除了把“超过1百万”维吾尔人和其他穆斯林少数民族群体送入法外关押营外,“还有2百万人受到只在白天进行的‘再教育’培训”。

日内瓦有一个非政府组织“良好棉花发展协会(Better Cotton Initiative, BCI)”。它是个供应链联盟,会员包括国际知名服装纺织品零售品牌、原料供应商和棉纱加工商、棉花种植者组织、为棉花供应链提供技术服务的公司等。BCI能影响全球棉花供应链、定价权和棉花质量标准评定,它安排的棉花供应量占全球的三成,而中国是它的大客户之一。去年3月下旬BCI宣布,暂停在新疆发放良好棉花许可证;去年10月21日BCI决定停止在新疆的所有实地活动。中国因此遭遇到新疆棉花最大客户的买方制裁。今年3月22日欧盟、英国、美国和加拿大宣布,就新疆维吾尔族裔问题对中国官员实施制裁;澳大利亚及新西兰宣布支持这一制裁措施。


国际商界对新疆棉花的抵制活动,对中国经济和全球服装纺织品供应链产生了相当大的影响。中国是世界上最大的棉花消费国,也是第二大棉花生产国,全球棉花产量的四分之一在中国,而新疆的棉花占中国产量的87%。中国的纺织服装业一年的出口额接近1,900亿美元,占总产量约一半%。中国出口的纺织品九成要用外商品牌才能卖到国外,品牌外商开始抵制新疆棉花后,中国的纺织服装业无法贴上外国品牌,将失去一半销路,也因此失去大量就业机会。

据奥纬咨询发布的报告,去年中国就因为国际商界对新疆棉花的抵制活动,失去了大约4,000亿元人民币的服装和纺织品出口。中国无力应对纺织品国际市场买主的抵制,因此从今年3月24日开始展开了对外国品牌服装的批判和抵制,但这种做法对挽救中国服装和纺织品产业的政治困境,毫无用处。但哪些长期用中国产品充填货架的跨国公司,如今也必须考虑重新组建新的供应链。


五、经济全球化的中国陷阱

经济全球化的重心放在中国,至少还有两个巨大的中国陷阱。第一是以中国销售市场为主要经营目标的跨国公司把母国带入屈从中国威胁的陷阱;第二是全球商品供应链陷入对中国高度依赖的陷阱。

第一个陷阱无需多说明,其道理显而易见。跨国公司如果形成了对中国销售市场的依赖,一旦母国遭到中国的威胁,它们就会要求本国政府不要与中国对抗。这些自私的公司就可能企图削弱母国的抵抗意志,让母国民众承受中国压力和渗透的严重后果。目前美国、日本、韩国都有这样的公司在呼吁本国政府要对中国的威胁尽量妥协。

我对第二个陷阱稍加说明。跨国公司采用全球化经营模式时,为了方便制造过程,逐渐把复杂的技术转移到中国,甚至为了降低成本,关掉了本国的工厂,完全依赖中国企业的制造。这样的跨国公司就变成了“无厂经营”,它只负责市场调查、产品设计、原材料和零部件的采购、市场营销和售后服务,而不再有制造业功能。由此而造成了一个巨大的风险,那就是,这些“无厂经营”的跨国公司与“世界工厂”形成了高度的相互依赖。

在风平浪静的时候,这种跨国协作好像确实“花好月圆”;然而,它们与中国的“世界工厂”之跨国协作却潜伏着一个巨大的风险,那就是,跨国公司的顺利经营必须依赖和平的国际环境,尤其是中国和美国之间必须保持“蜜月”状态。中国已经扩军备战多年,然后在去年上半年点燃了中美冷战,于是突然之间跨国公司高度依赖的“世界工厂”与美国之间安定的国际环境消失了。当这些跨国公司试图淡化中国威胁,以保住自己的商品供应链时,它们有时可能为了利润而扮演中国的“第五纵队”角色。

现在,国际大环境已经不可避免地改变了,中美关系处于实际上的冷战状态,双方在相当程度上呈现出敌对关系。不管跨国公司喜欢不喜欢,也不管美国总统如何定义双边关系,中美“蜜月”是一去不复返了。那些已经患上“中国依赖症”的跨国公司不可能扭转这一局面,只能痛苦地面对这个巨大的变化。经济全球化还会继续下去,但各国供应链对“世界工厂”的过度依赖将不得不终止。

一直以来,经济全球化被看作是人类社会进步的标志和最高境界。其实,经济全球化落入“中国陷阱”的根本原因是,世界各国政府都没有看到,一个极权政府支配下的超大经济体加入经济全球化之后,其政治经济上的不良后果早晚会出现。西方各国企业界硬要把老虎当成猫,把狼当成羊,依赖中国的“世界工厂”提供全球产业链,其实是把自己国家命运的绞索往中国当局手中送。

川普总统的最大贡献就在于,他看到了这种危险,看到了中共的野心,及时采取了反制措施。而最近美国开始重建芯片产业链,台积电在美国建厂制造2纳米等尖端产品,就是半导体供应链的最先进部分全球重新布局的一个环节。这是中美冷战进入第二年以来可以看得到的产业布局方面一个认知上的突破,台积电赴美建厂,代表着经济全球化2.0版高端产品新布局的开篇。

 


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