何清漣★「グレートリセット」と中国の対米浸透 2020年12月10日

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 1月以来、グローバリゼーションのエリートリーダーたちは次々に「グレートリセット」について語っています。この「グレートリセット」は当然、米・中両国を軸にして展開されます。

 しかし、最近、相次いで起こった数件の出来事は米・中関係に深刻な影響を与え、少し前に米国の国家情報長官が「中国は米国にとってロシアの6倍の脅威である」という有名な主張を強く裏付けています。

 このうちの一つは、中国の専門家が得意のあまりネット上にアップしてしまったもので、もう一つはFBIが長年の捜査の結果です。なぜ、今のタイミングで明らかにされたかは謎です。

 ★「古い中国の友人」に米国人が仰天

 1月7日、Foxの「Tonight Show with Tucker Carson」で、タッカ・カールソンは、最近、インターネット上でセンセーションを巻き起こした翟東昇教授の講演の話題を紹介しました。

 この翟東昇は中国人民大学国際関係学院の副院長で中共の対外戦略研究センターの副主任兼秘書長ですが、10月28日、上海に本部のある「观视频工作室」(「観」動画ウォッチスタジオ)の生中継番組で、中国の米国政界に対するコントロール能力について、大っぴらに講演したのです。

 これは海外の中国系市民の間に爆発的な話題となって、英語のテロップが付け加えられて、次の言葉が有名になりました。

 「トランプ政権は中国と貿易戦争をしているのに、なぜトランプをやっつけられないのか?」「1992年から2016年の間に、米・中間では銀河号事件(訳注:1993年に中国政府のコンテナ船銀河がイランに化学兵器の材料を運んでいたとされる事件)や中国大使館爆撃事件(訳注:1999年5月7日には、B-2がベオグラード市内に出撃、誤って駐中華人民共和国大使館を爆撃した事件)、海南島事件(訳注:2001年に海南島付近の南シナ海上空でアメリカ合衆国と中国の軍用機が空中衝突した事件)でも、すべて米・中間の話し合いで「夫婦間の争い」程度で2カ月以内に解決できた。どうしてできたのか?それは、米国の権力の核心に近いところに、我々の友人がいるからだ!」

 彼は、さらに米・中貿易戦争に対して、ウォール街も手助けしようとしたが、力が足りなかったと述べた。現在、米国政府は交代し「エリート、伝統派」は、ウォール街と非常に密接な関係にあるとして、何人かの人物の名前を挙げたものです。

 その動画は現在、中国国内のウェブサイトから削除されていますが、フォックスの動画は現在、300万回近く再生されており、米国の多くのメディアで人気になっています。

 ★美女スパイが米国政界に潜り込んだ秘話も話題に

 12月8日、米短編ニュースサイト「アクシオス」は独占的に「調査:中国のスパイがカリフォルニアの政治家を標的にした疑惑」(「The story of Chinese spies and California politicians」)を掘り下げ、中国の女性諜報員・方芳(ファン・ファン)という疑わしい女性の米国での活動を伝えました。

 2011年から2015年にかけて、方芳は米国の地方や中央の政界人と広汎な関係を結び、その中にはカリフォルニア州15区選出の民主党議員エリック・スワールウェルも含まれていました。さらに気になるのは、米国の市長の地域会議に参加するなど、その活動が米国の地方自治体にまで及んでおり、全国に政治ネットワークを広げていたことです。

  約3年の間に、彼女は中西部の少なくとも2つの都市の市長と性的な関係や恋愛関係を持っていました。こっちの方が、その豊富な色っぽいお話だったので、先の翟東昇の話よりよほど人気がありました。

 アクシオスは中国のコラムも長く連載している左翼メディアであり、北京と友好的な関係にあるため、話は進歩派にも疑問の余地がありません。

 この2日間、英国のデイリー・メイル紙も、この話を追いかけていますが、美人スパイの方芳の方が、はるかに翟東昇の講演内容より刺激的で注目度が高いそうです。この話はワシントンの政界で波紋を呼んでいます。議会の情報筋によると、エリック・スワールウェルは下院情報委員会から解任されました。

 しかし、中国の米国への潜入は単なる「点」の問題ではなく、ポンペオ国務長官は2月の演説で、中国の米国の州、市、郡への潜入を「面」と呼んでおり、その「面」は決して「小さなものではない」のです。

 ★州知事たちと市長たちの交流計画は長年継続中

 今年2月8日、マイク・ポンペオ国務長官は全米知事会(NGA)に出席し、「米州と中国の競争」をテーマに講演。 演説では、北京が米国の開放性を利用して米国を弱体化させようとしているとし、中国を相手にする際には「慎重な考え方」を維持するよう知事や地域の首長に促しました。また、2019年に北京のシンクタンクが報告書で米国の50人の知事の対中態度を詳細に分析し、「フレンドリー」「強硬」、「曖昧」に分類したことを明らかにしています。

 ポンペオ演説の直後、中国外務省は強く反応し、米国務長官の演説は「冷戦思想と政治的偏見に満ちている」とし、「米・中が交流を再開した当初から、両国は政治体制が異なることを明確に認識していた」と強調しましたが、しかし、こうした交流の存在は否定しませんでした。

 この友好的な交流はいつから始まったのでしょうか? 私の印象では10数年の歴史があります。中国のネット上からは、「美公使为中美省州长会议"吹风" :将成重要历史时刻」(米公使が米・中州知事会議に「重要な歴史となるだろう」と見解を述べる 2011年2月23日)という記事を見つけました。

 また、湖南省の周強・党委書記(当時)が米中知事会議に出席するためにワシントンに出発する前夜、新たに任命された米国の新任のロバート・ワン公使は、北京で複数の中国メディアと会談し、米中の省・州政府関係者の交流は関係に新たな息吹を吹き込み、双方の利益を徐々に強化・拡大させることができると主張したと書いています。

 それ以前にも、米・中の地方政府同士の交流は頻繁でしたが、こうした相互訪問は単独で不定期なもので、制度的なものではありませんでした。

 しかし、米・中省州フォーラムは、まさにこの問題を解決するものでした。中国対外友好協会と米国の全国知事会は、この土台の上にたってが米・中の地方レベル政府間の年次制度化された交流を実現し、「タネをまいて収穫を得る」ことを願っています。報道によると、このような米中知事間の交流は2019年まで存在し、米中間の数十回のプログラム交流の重要な一部となっているといいます。

 2019年5月24日、ケンタッキー州レキシントンで、米中商工会議所(以下、商工会議所)、全国知事会(以下、知事会)、中国人民対外友好協会(以下、対外友好協会)は第5回米・中知事フォーラムが開催しました。フォーラムには、甘粛省、江西省、陝西省、重慶、ケンタッキー州、テネシー州、ワシントン州、コロラド州、ミシガン州の知事(市長)または副知事、両国のビジネスリーダーなど約400人が参加。教育・文化、先進製造業、インフラ開発・投資、電子商取引・国境を越えた貿易などのテーマで活発な対話が行われ、5つの2国間協定が締結されました。

 ★国際社会で悪化し続ける中国の地位

 中国の国際社会への深刻な潜入ぶりは、その潜入方法の腐食性、他国への影響の有害性、それに中国の戦狼型外交により、各国の間で深刻な不満が生まれています。こうした不満の大半は口には出されませんで、米国のようにはっきりと態度を明らかにして制裁に踏み切るのは少数です。

 立場の弱い欧米諸国、例えば豪州などは、自国の利益を守り、安全保障を危うくする過度の侵入を防ぎたいという願望から、中国に少し厳しく言っただけで、中国にからあらゆる種類の容赦のない、恥知らずな報復を受けました。資源輸出国であるオーストラリアは、長年の中豪経済取引を経て、経済的に中国への依存度が高まっていることから、これが中国から見れば「弱み」ですので、現在、大々的に石炭からワインまでとことん猛烈な関税をかけられています。

 しかし、こうした行動は国際社会の中国に対する警戒心を高めさせており、多くの国々が豪州を応援しています。NATOと欧州連合(EU)はこのほど、双方とも中国を民主主義社会への挑戦と捉え、「共通の価値観に基づいて米国との協力を強化していく」との報告書を発表しました。

 さらに興味深いのは、北欧諸国の中央銀行ノルウェーは12月4日、中国人女性と結婚していたジョン・ニコライセン副総裁がセキュリティ・クリアランスの更新を怠ったため、即効で辞任したと正式に発表したことです。ニコライセン氏は、ノルウェー中央銀行のナンバー2として、主に政府が出資する投資ファンドのノルウェーのソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)の国家監督担当でした。SWFは、全世界有数のファンドで、その規模は1兆ユーロを超えます。

ノルウェー国民保安検査委員会はその理由として、彼の妻が中国に住んでおり、ニコライセンから生活費を支給されていることだとしています。

 米・中を軸としたグローバリズムの力の「グレート・リセット」は、中国自身の人脈と米国国内政治の構造的な複雑な変化によって、すべてが真っ暗闇で見通せない状況となっています。(終わり)


何清涟:大重置与中国对美的政治渗透
2020-12-10

1月以来,全球化的精英领袖纷纷出面谈大重置(Great Reset),这个大重置当然以中美两国为轴心展开。但近日接连发生几件严重影响中美关系的事情,强有力地证实了美国国家情报总监前不久发出的那句著名论断:中国对美国的威胁是俄罗斯的六倍。这些件事情当中,一件是中国专家出于炫耀而送上门的,另一件据说是FBI跟踪调查多年所得,为何在此时揭露则让人猜不透。

美国的中国老朋友让美国人惊诧不已

1月7日,福克斯晚间的“塔克∙卡森今夜秀”节目中,塔克(Tucker)介绍了最近走红网络的翟东升讲话视频。这位翟东升现为中国人民大学国际关系学院副院长、中共对外战略研究中心副主任兼秘书长,10月28日,他在总部位于上海的“观视频工作室”的直播节目中发表了一番演讲,大谈中国对美国政界的操控能力。这个演讲在华人圈火爆一时,有人加上中英文字幕,其中被广为传颂的有这么几句: “特朗普政府同中国打贸易战,我们为什么搞不定特朗普?以前1992到2016年之间,中美之间各种问题都能搞得定,所有的危机, 不管是银河号事件,还是炸大使馆,还是撞了飞机,所有的事情,全部都是‘床头吵架床尾合’,两个月之内搞定”,“什么原因?咱们上边有人,我们在美国的权势核心圈有我们的老朋友!” 他还称,中美贸易战过程中,华尔街也试图帮忙,但是“力有不逮”。现在,美国政府换届,“精英,建制派,他们跟华尔街的关系是非常密切的”,其中还点名道姓地提到几个人物。

这一视频现在在中国境内网站上删除殆尽,但Fox这视频现在已有近三百万观看量,在美国很多媒体上不胫而走。

美女间谍渗入美国政界故事持续发酵

12月8日,美国短新闻网站Axios独家深入调查:Suspected Chinese spy targeted California politicians(《中国间谍与加利福尼亚政客的故事》),讲述了一名叫做方芳的疑似中国女情报人员在美国的活动:2011年至2015年期间,方芳与地方和国家政界人士建立了广泛联系,包括加州第15选区民主党国会议员Eric Swalwell。令人比较在意的是方的活动范围延伸美国地方政府,比如她参加了美国市长的地区性会议,得以在全国范围内扩大她的政治关系网。在大约三年时间里,她与至少两位中西部城市的市长发生过性关系或恋爱关系——这故事因其香艳,情节丰富,流量远超翟东升的讲话。由于Axions是左派媒体还长年办有中国专栏,对北京持友好态度,这报道让进步派一方无法质疑。这两天英国媒体《每日邮报》正在跟进,新的情节更加香艳刺激,受到的关注远比翟东升的“老朋友”故事更多。此事现在在华府政治圈中掀起波澜,据国会消息, Eric Swalwell已被从众议院情报委员会中除名。

但中国对美渗透远非几个“点“的问题,美国国务卿蓬佩奥今年2月在一次讲话中提到了中国对美国各州市县进行渗透,那是“面“,而且这“面”不小。

美国州长-市长交流项目已持续多年

今年2月8日,美国国务卿蓬佩奥(Mike Pompeo)出席全美州长协会(National Governors Association)并发表演讲,主题是《美国各州与中国的竞争》(U.S. States and the China Competition)。在演讲中,他敦促各州州长和地区首长在与中国打交道时要保持“谨慎的心态”,称北京正在利用美国的开放性,企图破坏美国,他还透露了2019年北京某智库在一份报告中,详细分析了美国50位州长的对华态度,并且逐一点名及贴上标签:友好、强硬,或者模棱两可。

蓬佩奥这一讲话发表之后,中国外交部立刻作出强烈反应,称美国国务卿的讲话“充斥冷战思维和政治偏见”,并强调“中美重新打开交往大门之始,双方就清楚地认识到两国政治制度不同”,但并没有否认中国对美国存在这种友好交流。

这种友好交流从什么时候开始?我的印象是有十来年历史。从中国新闻网上,我查到一篇《美公使为中美省州长会议"吹风" :将成重要历史时刻》(2011年2月23日)。其中提到时任湖南省委书记周强动身前往华盛顿参加中美省州长会议前夕,新上任的美国驻华公使王晓岷(Robert Wang)22日在北京与多家中国媒体座谈,他认为中美省州级官员的互动,可能为两国关系注入全新活力,使双方的利益逐步增强和扩大。尽管此前中美地方政府交往频繁,但这些交往与互访是单独的、不定期的,并没有形成平台和机制。而中美省州论坛的建立正是要解决这个问题,中国对外友协和美国全国州长协会希望这个平台能实现中美地方级政府每年机制化的交流,“种瓜得瓜、种豆得豆”。根据媒体报道,这种中美省州长之间的交流活动直到2019年还存在,是中美之间几十种项目交流当中的一个重要部分。2019年5月24日,美国中国总商会(以下简称总商会),美国全国州长协会(以下简称州长协会),以及中国人民对外友好协会(以下简称对外友协)在肯塔基州列克星敦市联合主办第五届“中美省州长论坛”。本次论坛活动汇聚了来自中国甘肃省、江西省、陕西省、重庆市的省(市)长或副省长,美国肯塔基州、田纳西州、华盛顿州、科罗拉多州、密歇根州的州长或副州长以及两国商业领袖等约400人。与会嘉宾就教育文化、先进制造业、基础设施建设和投资,以及电子商务与跨境贸易等议题展开了积极对话,促成了5项中美双边协议的签署。

中国在国际社会的地位持续恶化

中国对国际社会的严重渗透,由于其渗透方式的腐蚀性、后果对他国的危害性,以及中国的战狼式外交,导致各国严重不满,这种不满大多数是腹诽,少数国家如美国是明白宣示并制裁。弱一点的西方国家如澳大利亚,仅仅只是出于捍卫本国利益、防止过度渗透危害本国安全,对中国态度稍微强硬一点,就遭到中国各种毫不留情、近于无耻的打击报复。澳大利亚是个资源出口国,多年中澳经济来往,在经济上已经对中国形成较高的依赖,这就成了中国眼中的痛脚,现在正在加大打击力度,从煤炭禁购到葡萄酒猛增关税,无所不用其极。

但这些举动加强了国际社会对中国的防范之心,多国声援澳大利亚。北约和欧盟最近不约而同发表报告,都把中国看成是对民主社会的挑战,也打算“加强与美国在共同价值观基础上的合作”。更有意思的是北欧国家挪威央行于12月4日正式宣布,与一名中国女子结婚的挪威央行副行长尼古拉森(Jon Nicolaisen)因未能延续安全许可而辞去职务,立即生效。作为挪威央行二号人物,尼古拉森主要负责国家监督挪威的主权财富基金,挪威国家主权财富基金是全球最大的主权财富基金,资产规模超过一万亿欧元。挪威公民安全检查委员会未能延续尼古拉森安全许可的理由是:其妻住在中国,由尼古拉森提供生活费。

全球化力量以中美为轴心的Great Reset,由于中国自身的关系,也由于美国国内政治的波谲云诡,一切都晦暗难明。



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