何清漣★オーストラリアいじめで「人を呪わば穴二つ」の中国 2020年12月23日

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 「元手を惜しんでは敵をやっつけられない」と言いますが、今回の中国は、「千人の敵をやっつけて、自分も八百を失う」というよりもっと滑稽です。「八百人の敵をやっつけるのに、自分は千人失う」結果になったのですから。

 北京はこのほど「元手を惜しんでは敵をやっつけられない」を実践しました。この「元手」は中国国民の正常な暮らしでした。

 いまや、多くの省や自治区で電力不足が起こり、相次いで電力時間制限による工業生産停止がおこり、国家企業の湖南電力は「戦時状態」にまで突入しました。21日早朝から電力制限は広東省にも広がり、上海闵行工業団地まで電力制限を始めました。全国各地の街が夜は真っ暗、高速鉄道まで間引き運転になって、20余の列車が運行を取りやめました。

 北京の狙いは、石炭禁輸などの経済制裁を通じオーストラリアを困らせて、その「裏庭」(バヌアツ)に中国の軍事基地を設置することに無条件で服従・黙認させようとしたのでした。

 オーストラリアは世界最大の石炭輸出国であり、中国はオーストラリア第2位(日本がトップ)の石炭市場でです。

  しかし、北京は何のために、オーストラリアへの被害を計算するだけで、自国の工場を閉鎖し、高速鉄道を一部閉鎖するという、国民の通常の生活を失わせるような状態で経済制裁を行なったのか? 通常の国がやるまともとは到底思えない決断をしたのでしょうか?

 ★米国の選挙と関係はあるのか?

 中国のアジア太平洋戦略において、オーストラリアは近年、中国の浸透に控えめに抵抗していることから、中国からは「眼中の棘」のように見られています。

 同時に、オーストラリアは中国からすると、西側諸国の中の「弱いリンク」とも思われていましたから、中国はアメリカが大統領選挙で混乱している今、オーストラリアに圧力をかけるチャンスだとおもったのでした。

 しかし、米国大統領選挙が「生煮えの鍋」状態にになってしまった今、北京は来年の1月20日までのチャンスを利用して、オーストラリアに参ったと言わせて、中国がバヌアツに軍事基地を作るのを黙認させようとしたのです。これを理解すれば、なぜ北京が焦っているのかが理解できるでしょう。

 ホワイトハウスが「バイデン政権」になれば、なぜ中国が米国からの圧力を心配する必要がないのか。 バイデンの内閣のメンバーを見てみましょう。

 現在、バイデン政権の閣僚入りして外交政策をリードするために待機しているのは、2017年にアントニー・ブリンケン氏(オバマ前政権で国務副長官)が設立した戦略的アドバイザリー会社「WestExec Advisors」です。バイデンの閣僚として名前があがっているブリンケン国務長官候補、ホワイトハウスのジェン・プサキ報道官、国家安全保障アドバイザー、国防長官のトップ候補は、すべてこの会社の出身です。


 この会社の創業者の背景は、元国務省副長官、元国防副長官、元国連大使参謀長、元ホワイトハウス国家安全保障会議長官、元国防長官上級顧問、元ホワイトハウス国家安全保障会議長官、主要メンバーの元CIA長官、元テロ対策センター長、元イスラエル駐イスラエル米国大使など、4人とも元政府関係者です。

 彼らは2017年、ヒラリーの敗北が確定した後公職をひいて私人として米国政府の「回転ドア」通過し、カムバックを期していたのでした。

 この会社は、意図を隠そうとはしていません。West Politics Consultingのウェブサイトには、ホワイトハウスとオフィス・ビルの間の安全な道路であるWest Executive Avenueの地図が掲載されており、同社がクライアントのために何ができるかを示しています。彼らはいつでもホワイトハウスに戻る準備をしていたのでした。

 ブリンケン社がクライアントに示した強みの一つは、クライアントの「中国市場への進出」を支援することです。 WestExecのウェブサイトの「市場参入・拡大支援」では、製薬会社の事例から、「米中貿易緊張を防ぎながら、中国での市場参入を拡大するための戦略を練ることができる」ことが示されています。

 WestExec は、「エンゲージメントのために中国と米国の利益ん関係者のための戦略を策定しました」、「アジアでの市場参入に関しては、現地の主要な上級利害関係者との契約を促進するエンゲージメント計画を策定しました」と述べています。

 明らかに中国は、こんかいの対オーストラリア制裁によってオーストラリア経済が大きなダメージを受けることだけを考慮し、自分たちの損害は「国民は1月20日まで我慢しろ」と考えていたようです。

 ★中国はオーストラリアからの輸入を止められるのか?

  今、世界は化石エネルギーをグリーンエネルギーに徐々に置き換えることを提唱しており、米国民主党の急進派も「グリーンプラン」を打ち出しています。しかし、グリーンエネルギーの先頭に立っているど膣の苦境を見て、(カリフォルニア州もなんどもこの計画のために苦しんでいますが)、このエネルギー代替計画は、大変ゆっくりした歩みで、きわめて大きな困難に直面する問題だとおもわれています。

BP(英国石油)の「2019年エネルギーレポート」によると、中国は主要な原炭生産国ではなく、米国やロシアに比べて回収可能埋蔵量がはるかに少ない。しかし、2018年の世界の石炭火力発電量は10,100.5TWh(テラ・ワット・アワー)で、中国が4,732.4TWhと世界全体の46.8%を占めてトップだ。次いで石炭火力国は、米国が1245.8TWh、ドイツが229.0TWh、南アフリカが225.0TWh、ロシアが177.5TWh、ポーランドが134.7TWh、韓国が133.5TWhとなっています。

 石炭火力発電は世界平均で38.0%と圧倒的なシェアを占めています。 平均以上の国は、南アフリカが87.9%、ポーランドが79.2%、インドが75.4%、中国が66.5%、カザフスタンが65.5%、オーストラリアが59.9%、インドネシアが58.4%です。

 アジア太平洋地域は、石炭火力発電のシェアが最も高い地域で、発電量の59.4%を占めています。

 世界的には、エネルギーミックスが現状であり、短期的に需要の大幅な減少は見込めません。中国発展改革委員会のオーストラリア石炭に対する最近の禁輸は、国内の石炭価格を安定させるという理由で、1トンあたり97.8ドル以下と制限することで正当化されました。

 オーストラリアの石炭価格は1トンあたり100ドル以上ですから、中国国内の発電所が高値のオーストラリアの石炭を輸入しなくなり、モンゴル、インドネシア、ロシアからの輸入を好むようになることを意味し、それがオーストラリアの石炭に対する制裁になるのでした。

 ニューヨーク・タイムズ紙は最近、中国がオーストラリアの石炭の購入を拒否したことは、世界のエネルギー源が石油化学時代に別れを言うことを意味すると論じているが、これは的外れな誤りです。

 中国はオーストラリアの石炭にとって重要な市場であり、2019年には140億豪ドル(約100億ドル)相当の石炭を輸入しており、日本に次ぐオーストラリア第2位の石炭顧客でした。

  中国がオーストラリアの石炭輸入を禁止したことは、短期的にはオーストラリアに大きな打撃を与えるでしょう。

 オーストラリアの石炭はやや高価ですが、他の地域の石炭資源よりも発熱量が高く、炭素排出量が少ないため、同等のエネルギー生産を維持するためには、中国は他の地域からより多くの石炭を購入し、排出量を増やす必要があります。

 環境への影響から日本、韓国、インドなどでオーストラリアの石炭需要が増加しているほか、近年ベトナムの需要も大きく伸びており、EUではグリーンエネルギー政策の問題から電力用石炭の需要が増加しています。

 2019年から2020年にかけての、オーストラリアの動力炭.燃料炭、コークス炭の輸出総額は546億豪ドルで、中国のシェアはわずかに100億ドルです。そのうち少なくとも20億ドル前後は、他国への供用拡大で簡単に確保できるでしょう。

 最後に、この中国のオーストラリア制裁に対する考え方を少しまとめておきます。

 1.中国の対豪経済制裁は、アメリカの選挙という特殊な激動期を利用したオーストラリアへの政治的報復。しかし、この報復は、中国の伝統の「八百人の犠牲を出しても千人を倒す」よりさらに滑稽なことになっています。

 というのは「千人の犠牲を出して八百人の敵を倒す」になって、自分の方により大きな被害を出してしまったからです。

 2 中国はこれまで、世界の各国に自分たちの市場と需要を与える代わりに政治的な服従を強いるやり方が成功したのを発見し、何度も繰り返しこうしたやり方を採用してきましたが、それは各国の妥協的態度のせいです。

 オーストラリアと中国の関係が今日のようになったのは、歴代のオーストラリア政府の対中国政策に関係します。しかし、何事も常に第一回目というのはあるもので、もし、オーストラリア政府が歯を食いしばって今回、一定時間頑張りぬけば、完全に両国関係を、これまでよりまともな軌道に戻すことができるでしょう。

 これには、当然一定の代価を支払わねばなりませんが、長い目で見た場合、これは支払うべき代価だといえます。やがて時間が、今、オーストラリアの払う代価の価値を証明することでしょう。(終わり)

中国制裁澳大利亚:单向计算伤害成本的自残
2020/12/23


“舍不得孩子套不住狼”,但这比中国传统的那种两败俱伤的战争“杀敌一千,自伤八百”更可笑,因为成了“杀敌八百,自伤一千”的自残,带给中国的损害更严重 。
中国制裁澳大利亚:单向计算伤害成本的自残


最近北京在践履那句“舍不得孩子套不住狼”的民间俗语,正在“舍出孩子”,这个“孩子”,就是中国百姓的正常生活。如今,多个省区以用电存在裂缝缺口为由,相继拉闸限电停工限产,国网湖南电力更要全面进入“战时状态” ,从21日凌晨起,限电板块伸延到广东省,连上海闵行也开始限电。全国多地一到晚间街市封闭漆黑,连高铁也被拉闸限电,合杭高铁20余趟停运。

北京想套住的“狼”,就是希望通过煤炭禁运等经济制裁措施,让澳大利亚无条件臣服,默许中国在其“后院”(瓦努阿图)建立军事基地。

中国的计算有时间窗口

澳大利亚是世界上最大的煤炭出口国,中国是澳大利亚的第二大煤炭市场(日本居首)。但是,让本国工厂停产、高铁部分停运与民众正常生活消失,这种只计算他国受损的单向成本计算的经济制裁,几乎不是正常国家能够做出的决策,是什么让北京做出这种决策?

还是与美国大选有关。

在中国的亚太战略中,澳大利亚因为近年对中国势力渗透采取了有节制的抵制,被中国视为眼中钉;同时,澳大利亚也被中国视为西方国家当中较软弱的一环,中国一直想趁美国白宫易主对澳大利亚施压。但如今美国大选煮成一锅“夹生饭”,北京想抓住1月20日之前这一机会窗口,让澳大利亚低头,并默认中国在瓦努阿图建立军事基地。理解了这一点,就会理解中国政府这么着急的原因。

为什么“拜登政府”入主白宫,中国就不需要再担心有来自美国的压力呢?这一点只要看拜登的内阁成员就知道了。

目前正在等待入阁、并主导“拜登政府”外交政策的班子,是布林肯于2017年成立的“西政咨询”(WestExec Advisors)战略顾问公司。拜登提名的国务卿布林肯、白宫新闻秘书莎琪(Jen Psaki),连同国安顾问以及热门国防部长人选等一干人马,都出自这家公司。这家公司四位创办人的背景:前副国务卿,前副国防部长,前美国驻联合国大使参谋长,前白宫国家安全委员会主任,前国防部长高级顾问和前白宫国家安全委员会主任,重点成员前CIA局长、反恐中心前主任、美国前驻以色列大使等,都是前政府官员。他们从希拉里败选确定后,纷纷在2017年走了这道“旋转门”,由公转私,等待东山再起。

这家公司并不讳言自己的从政意图,“西政咨询”的网站上放了一张西行政大道(West Executive Avenue)的地图,这是白宫大楼西翼与艾森豪威尔行政办公大楼之间安全的道路,展示了这家公司可以为客户做的事情,他们也随时准备着从这里走向白宫。

布林肯的公司向客户展示的强项是帮助客户“打进中国市场”。在西政咨询网站“市场进入和扩展支持”栏,以制药公司案例说明,他们可以“制定战略以扩大在中国的市场准入,同时防止中美之间的贸易紧张局势”,“WestExec制订的战略,确定了中美利益相关者的参与”,“关于亚洲的市场进入,WestExec设计参与计划,促进了与当地主要高层利益相关者的联系”。

显然,中国这次制裁澳大利亚,只算计到澳大利亚的经济严重受损,自家本身的损害是这样算计的:老百姓们暂时忍受一下,挺过1月20日。

真正的问题在于中国能否通过这种愚蠢的制裁达到目的。

中国是否可以停止从澳大利亚进口?

全世界现在都主张绿色能源逐渐取代化石能源,美国民主党的激进派甚至推出“绿色计划”,但有德国这个绿色能源先锋国的困境在前(美国加州事实上也多次因这种绿色能源计划陷入困境),这个能源替代计划注定是一个非常缓慢也遇到极大挑战的问题。根据BP (Britain Petroleum)2019年能源报告的数据:中国不是原煤资源大国,其可采储量远低于美国和俄罗斯,但中国是燃煤发电的大国,2018年全球燃煤发电量达10100.5 TWh,中国居首,为4732.4 TWh,占全球总量的46.8%。燃煤量位居第二的国家是美国1245.8 TWh、德国229.0 TWh、南非225.0 TWh、俄罗斯177.5 TWh、波兰134.7 TWh、韩国133.5 TWh。

燃煤发电在全球发电份额中占据主导地位,平均为38.0%。高于平均数的国家为南非87.9%、波兰79.2%、印度75.4%、中国66.5%、哈萨克斯坦65.5%、澳大利亚59.9%、印度尼西亚58.4%。亚太地区是燃煤发电最高的地区,燃煤发电占该地区发电份额的59.4%。

全球能源结构如此,也就是说,短期内不可能出现需求大量减少的情况,中国发改委最近禁运澳大利亚煤炭的理由是以稳定国内煤价为由,将战略性减少高价煤炭的购买,限制在每吨97.8美元以下,澳大利亚的煤炭价格高于100美元以上——这项政策意味国内发电厂不再进口价格偏高的澳洲煤矿,将更倾向从蒙古、印尼和俄罗斯入口,变相制裁了澳洲煤矿。《纽约时报》最近认为,中国拒绝购买澳洲煤炭,意味着世界能源将告别石化时代,这是离题万里的谬评。

中国是澳洲煤矿重要市场,2019年进口了价值140亿澳元(约100亿美元)的煤矿,是澳大利亚仅次于日本的第二大煤炭客户。中国禁止澳煤进口,短期内对澳大利亚确实打击甚大。澳煤价格虽然略高,但与其他地区煤炭资源相比,热值更高且碳排放更少,这意味中国如果想保持同等能源生产,就需要从其他地方购入更多煤,以及加大排放。正因为考虑到环保效应,日韩印等国对澳大利亚煤炭的需求一直在增长,越南需求近年亦有强劲的增长;与此同时,欧盟由于绿色能源政策陷入困境,对动力煤的需求增加。2019 年至2020年,澳大利亚动力煤和炼焦煤出口总额为546亿澳元,中国只占100亿澳元。其中至少20亿左右,可以通过扩大其他国家的供应轻易获得。

最后,对中国这种制裁澳大利亚的方式做个小结:

1、中国对澳大利亚的经济制裁,是利用美国大选特殊的动荡期对澳大利亚的政治报复,这种报复比中国传统的那种两败俱伤的战争“杀敌一千,自伤八百”更可笑,因为成了“杀敌八百,自伤一千”的自残,带给中国的损害更严重 。接下来进入中国传统的春运期间,上述情况持续下去,对中国的伤害更大。

2、中国近年来发现,自身能成功地将各国对中国市场与中国需求的依赖转化为政治服从,一而再、再而三地玩这套把戏,其实也与各国的妥协态度有关。澳中关系发展到今天这状态,与历届澳大利亚政府的对华政策有关系。但万事都有第一次,如果澳大利亚能够咬紧牙关,挺过这一段时间,应该会发现,完全有可能让澳中关系回到相对正常的轨道上来。这当然需要付出一些代价,但从长远来看,这是应该付出的代价。时间将会证明,澳大利亚此时付出的代价物有所值。


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