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何清漣★中国人口問題で無視される重要ポイント 2021年5月13日


 中国が発表した第7回国勢調査には、多くの批判があります。最も批判されたのは、データの深刻な歪曲です。中国の統計データの捏造は「体制病」で、共産政権誕生時からです。計画出産が世界で批判される前にも、人口データの嘘や漏れがありましたが、今では人口増が新たな問題になっています。しかし、中国の人口問題に本当のポイントは、一部論者の間でははなはだ偏ったものとなっています。

 経済発展の欠如した地域から都市への人口の流れは、何も中国だけではなく、深刻な経済構造上の病理です。私は批判が集中しているいくつかの問題を細かく見てみました。

 中国各省の人口から見ると、南が多く北が少なく、東は多く西は少ない。北部や西部の省ではすでに人口増加率マイナスになっているところもあります。

 中国の経済は、北よりも南が発展し、西よりも東が繁栄しています。 経済的後進地域から相対的に発展した地域に人口が流れるのは、世界中で起きており、市場経済における人口移動の法則です。

 衰退しつつある東北部や、もともと後進地域だった西部、特に北西部の砂漠で水不足の地域は人間の生存に適していません。そこから、南や東に移動できたのは、中国社会の流動性が高まっていることと、現代の若者が先人よりも生き延びるための適応能力に優れていることの証拠でもあります。

 アメリカでも同じで、近年のニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴなどからの人口移動は、これらの民主党の州が、非移民の大量導入、BLM活動の活発化、重すぎる税金などのポリティカル・コレクトネスに固執した結果、多くの企業が撤退し、地域経済が衰退し、自然に人口と質の高い人々を持って行ってしまったからです。

 中国の本当の深刻な問題は、後進地域の経済構造が大変な機能不全に陥っていることです。その多くは経済的に自立することすらできません。

 例えば、最近中国のメディアが大々的に取り上げている中国陝西省仏坪県では、県全体の居住人口は約8千人に過ぎないのに、政府や公共機関で働く人は2,194人、県の機関に所属する年金受給者は2,991人です。県の地方収入は2018年が3,943万元、2019年が3,660万元なのに、この2年間の財政支出は各8億元、7億9,700万元でした。中央政府に頼って自活できない寄生型の地域です。

 このような状況は、中国の遠隔地ではよく見られることですが、共通するのは地元の若者に雇用の機会が与えられていないことです。

 というわけで、中国の人口分布の不均衡を論じるのは、深刻な「偽命題」なのです。経済地理的な差別、経済発展程度の相違から、世界上、どんな国でも人口不均衡は存在するのです。ただ全体主義の国だけが、異なる地域にバランスよく人口が分布しているのが正常だと考えています。

 ★中国的特色の老齢化の悩み

 国連の基準では、国や地域の高齢者人口の割合が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「中程度の高齢化」とされています。中国の65歳以上の人口はすでに13.5%で、ずっと老齢化問題は焦眉の急だと言われており、あたかも中国の高齢者問題は人口過多であるかのようです。

 国連は「World Population Prospects」を発表しています。これは世界各国の2014年、2030年、2050年の老齢化人口を予測するもので、人類は現在、2014-2030年の真ん中にいます。

 2014年、中国は人口の14.4%が高齢化しており、52位でした。 同年、96カ国の人口データが記録され、高齢化率が20%を超える国は世界で33カ国となりました。

 2030年には、この96カ国のうち、中国は43位で、総人口の23.8%が高齢者となります。この年には、世界の14カ国で高齢者人口が30%以上になり、発展途上国でそこに含まれるのはマルタとスロベニアだけになります。

 中国よりも高齢化が進んでいる国の多くは欧米諸国ですが、アルバニア、アルゼンチン、モンテネグロ共和国など、中国より下でランクインしている国は基本的に発展途上国です。

 最も高齢化が深刻なのは日本で、2014年には32.8%、2030年には37.5%になります。日本やEUなどは老齢問題を比較的うまく解決していますが、それぞれの国の高齢者人口の割合は中国よりもはるかに高いのです。

 これでわかることは、中国の老齢問題が、高齢化の進展という問題ではなく、老齢制度の問題であり、政治的・経済的な政策課題であることを示しています。特に、地方には約7,700万人の高齢者がおり、社会保険(健康保険、年金)にほとんど加入していないことを考えると、高齢者への支援がないという問題は非常に深刻です。

 ★少子化は人口ボーナス消失ではない

 少子化と人口ボーナスがイコールであるというのは間違いです。「World Population Prospects, the 2012 Revision」に掲載されている96カ国の人口年齢構成を見ると、若年層の比率が高い国は、出生率がコントロールされていないアフリカや中東、そしてブラジルやトルコなどのアジアの国々であることがわかります。

 例えば、コロンビア、ベネズエラ、ペルー、南アフリカ、インド、インドネシア、ホンジュラス、イラク、パキスタン、ヨルダン、バングラデシュなどですが、これらの国は若者の失業率が高い国でもあります。

 少子化問題は家庭にとって大きな問題であり、中国では少なくとも一人っ子を失くした高齢者の親が200万人いると言われています。これは政府や社会が対処しなければならない問題ですが、人口ボーナスの消滅と同一視することはできません。同一視する人々は、人口ボーナスの実現には十分な就職先が必要だということを忘れています。

 中国は、改革開放、1990年代の香港・台湾・日本・韓国からの資本流入、2001年の世界の工場としてのWTO加盟以降、雇用が急速に拡大し、人口ボーナスの実現も可能な時代となりました。

 しかし、2010年代以降、労働集約型産業が徐々に中国から撤退し、「世界の工場」としての地位が低下し、若年層の雇用問題が深刻化し、都市部でも農村部でも大量の親に依存する「すねかじり族」が出現しており、当然、人口ボーナスは実現するすべがないのです。

 これを説明するのは、全世界の青年失業率を比較してみれば、中国の胡錦濤・温家宝時期の「黄金の10年」の人口ボーナスが、どれほど特殊な現象であったかわかります。

 世界の若者の失業率は、20年以上にわたって蓄積されてきた問題です。 国際労働機関が2000年10月に発表した「Global Employment Trends for Youth(若者の世界的雇用動向)」によると、1999年から2019年の20年間で、若者の全体的な労働市場参加率は53.1%から約12ポイント低下し、世界的に低下傾向を示しています。この間に、若者の総人口は、3億人増加しました。

 地域別で見ると、2019年の若者の労働市場参加率は、北米で最も高く52.6%です。北アフリカ・アラブ地域が最低でく27%。東アジアは45.2%と、世界平均の41.2%を上回っています。

 先に述べたように、これらの地域は高齢化率が最も低い地域であることに注意してください。それでも、これらの国々は青年の就職チャンスがないし、2015年以来、欧州へ押し寄せる難民の主な来源になっています。このことからわかるように、人口年齢構造が若いというのは人口ボーナスの一つの条件ではありますが、前提ということではありません。

 世界の工場としての中国の地位はもはやなく、世界規模での産業チェーンの再編が進み、自動化機器や人的資本の質に依存する現代な産業システム、若年層の出生率低下による労働力減少は、本当に心配すべき問題ではありません。人口のクオリティが問題なのです。

 今日の時点で、中国は依然として世界で最も人口の多い国であり、第3位の移民を排出しています。石油などの主要資源への外部依存度は60%以上、食料の輸入は30%です。物的サポー体制が極めて脆弱で、国際的な信頼度が低い国では、人口の「マルサスの罠」(訳注;人口が一定数に達すると、生きていくためのギリギリの量しか食糧を確保できなくなり、人口も生活水準も向上しなくなって社会の成長が止まる)を回避し、国の人口問題に合理的に対処することが重要なのです。(終わり)

何清涟:中国人口问题被忽视的几大要害
2021-05-13

中国公布第七次人口普查数据之后,引发的批评甚多,最受诟病的是数据严重失真。中国统计数据造假是种体制病,从政权诞生之日开始就存在。在计划生育被世界痛诟之前,人口数据是瞒报、漏报,如今变成虚增人口,也算是中国人口数据统计的新问题。但中国人口问题的真正要害却被一些讨论者带偏了 。

人口从经济欠发达地区流往城市并非中国独有,严重的是经济结构病态
我仔细看了一下被集中痛诟的一个问题:从各省人口来看,明显呈现南多北少,东多西少的情况,一些北方和西部省份已经出现人口负增长。区域间人口结构较为不均衡。北方和西部省份已经出现人口负增长。

中国经济南部比北部发达,东部比西部繁荣,人口从经济欠发达地区流往相对发达地区,是市场经济下的人口流动规律,全世界都如此。东北衰落、西部本就欠发达,尤其是西北部沙漠多的缺水地区,不利于人类生存,这些地区的青壮年能够迁往南部与东部并生存下来,既说明中国社会的流动性增强,也证明当代青年的生存适应能力较前辈要强。

美国也是如此,近几年出现逃离纽约、旧金山、芝加哥等情况,是这些民主党州坚持政治正确,比如大量引进非移、BLM活动频繁、税收太重,导致不少公司离开,本地经济衰落,自然带走了一批人口而且是优质人口。

真正严重的问题是中国经济欠发达地区的经济结构极不正常,不少地区连财政都不能自给。比如最近被中国媒体热炒的中国陕西佛坪县,整个县城的常住人口只有八千多人,但在政府、事业单位上班的,仅公开的数据就有2194名,全县机关事业单位养老保险人数2991人。2018年该县地方财政收入为3943万元,2019年3660万元,这两年的财政支出分别为8亿元、7.97亿元,是个不能自给依靠中央财政喂奶的寄生型地区。佛坪的情况比较极端,但在中国偏远地区的县,当地青年缺乏就业机会却是共同的现象。

基于上述理由,讨论中国人口分布不均衡是个看起来严肃的假问题,由于经济地理的差别、经济发展程度的差异,世界上没有哪个国家的人口均衡分布在不同的地区。只有极权国家喜欢控制人口流动并认为人口均衡分布在各地区是正常的。

中国特色的“老龄化”忧虑

按照联合国标准,一个国家或地区的老年人口比重超过7%即可认定进入老龄化社会,14%即表示“中度老龄化”,中国国65岁及以上老年人口占比已达13.5%,舆论一直称老龄化问题迫在眉睫,仿佛中国老无所养仅仅是老年人口过多的问题。

联合国曾颁布过World Population Prospects, the 2012 Revision,该项目分别预测了世界各国在2014年、2030年、2050年老龄化人口,人类现正处在2014-2030的中间阶段。

2014年,中国以老龄化人口占14.4%排在第52位。同年录得96个国家的人口数据,世界上老龄化人口超过20%的共有33个国家。

2030年,在同样的96个国家当中,中国以老龄化人口占总人口比23.8排在第43位。这一年,世界上有14个国家的老龄人口超过30%,发展中国家只有马尔他、斯洛文尼亚列入其中。

老龄化程度比中国高的多是西方国家,但也有阿尔巴尼亚、阿根廷、黑山共和国等国,但排在中国之后的基本都是发展中国家。

老龄化问题最严重的是日本,2014年为32.8%,2030年为37.5%。日本与欧盟等国的老有所养都解决得比较好,但这些国家的老龄人口占比都远高于中国。由此可见,中国的养老问题不是老龄化人口增多的问题,而是养老体制问题,这是一个政治兼经济政策问题。尤其是考虑到农村老年人口约有7700万,这个群体几乎完全没有任何社会保险(医保、养老),老无所养问题非常严重。

少子化≠人口红利消失

将少子化与人口红利划等号,很容易被证伪。World Population Prospects, the 2012 Revision列举的96国人口年龄结构数据表明,年轻人口比例高的国家,都是出生率失控的非洲国家与中东国家,以及亚洲国家,比如巴西、土耳其、哥伦比亚、委内瑞拉、秘鲁、南非、印度、印尼、洪都拉斯、伊拉克、巴基斯坦、约旦、孟加拉国等等,但这些国家恰好是青年失业率最高的国家与地区。


少子化对于家庭来说是个大问题,据说中国失独老人至少已超过200万,这是一个需要政府与社会共同关怀的问题,但它与人口红利消失之间不能划等号。在少子化与人口红利消失之间划等号的人忽视了一个问题:人口红利的实现需要年轻人充分就业。

中国自从改革开放以来、1990年代由于港台日韩资本涌入,2001年加入WTO后成为世界工厂,正是就业率高速成长阶段,自然能够实现人口红利。但从2010年代以来,因劳动密集型产业逐渐转出中国,世界工厂地位式微,青年就业问题日益艰困,城乡都有大量啃老族出现,人口红利自然无法实现。

说明这个问题,只要对比一下全球青年失业率,就知道中国在胡温时期的黄金十年的人口红利是个多么特殊的现象。

全球青年失业是个积累了二十余年的问题。国际劳工组织于2000年10月发布的《全球青年就业趋势》指出,1999—2019年20年间,青年的劳动力市场参与率总体呈现全球下降趋势,从53.1%下降了约12个百分点,而这期间青年人口总数却增长了3亿。从地区差异看,2019年青年的劳动力市场参与率北美最高,为52.6%;最低的是北非和阿拉伯地区,为27%;东亚地区为45.2%,高于全球41.2%的平均水平——请注意,如前所述,这几个地区是老龄化人口比例最低的地区,但这些国家的青年并没有什么就业机会,也成为2015年以来欧洲难民潮的主要来源之地。由此可见,人口年龄结构年轻化只是实现人口红利的一个条件,但不是前提条件。

随着中国世界工厂地位不再,产业链在全球范围内重组,加之现代产业体系更依赖自动化设备和人力资本的素质,青年人口出生率下降引起的劳动力数量下降不是真正值得担忧的问题,而是人口质量。

截至现在,中国仍然是世界第一人口大国,也是对外输出移民第三大国,石油等主要资源对外依赖程度逾60%,30%的粮食依赖进口。这种物质支撑系统极为脆弱且国际信任度极低的国度,如何避开人口的“马尔萨斯陷阱”,理性对待本国的人口问题是为至要。
 


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