排害主義の必要性

2011年3月11日に東京電力福島第一原子力発電所が、地震と津波に見舞われ、爆発事故を起こし、この日以降「放射能汚染」が問題となった。
先日、その「福島原発の建屋内にある放射性物質を含む水の、トリチウムを除く放射性物質を、安全基準を満たすまでに浄化した水」、ALPS処理水と正式にはそう呼称される処理水が放出された。
この放出をめぐって、今回私が特筆したいのが、この放出をめぐって、中国からのイタ電や、中国内にある日本料理店への襲撃などの事件が相次いだことについて、稚拙ながら書いておこうと思う。

「福島の飲食店や旅館などに中国語の迷惑電話が殺到 4店舗で計1000件以上の着信も」

「福島県内の飲食店や旅館などに中国語の迷惑電話が殺到していることがわかりました。警察署などにも相談が寄せられているということです。 二本松市などのラーメン店では25日の午前10時ごろから「86」で始まる中国からの電話が相次ぎました。 「ショリスイ」などの言葉も使い中国語で一方的に話し、着信拒否をしても別の番号からかかってきて、系列の4店舗で合わせて1000件以上の着信があったと言います。 迷惑電話があったラーメン店などを経営・山本一平さん「お店も営業していて、仕込みの時間にも電話があって、いい加減対応しきれなくなり電話回線を止めた。早いことにやめてほしい」 福島中央テレビが、発信元の一つに電話すると男性が出て「なぜ日本に電話をかけたか」ただすと中国語で「それは答えらない」などと話し電話を切られました。 同様の電話は、ホテルなどにもかかっていて、警察にも相談の電話が寄せられています。」

(8月26日 日テレNEWS報道・Yahoo!ニュースサイトより

同様の問題も既にANN、FNNなども報じているが、同じように「ショリスイ」「オセンスイ」などと馬鹿の一つ覚えで無関係の民間企業にまで電凸をしかけるという幼稚な性格が、これらの行為をおこなった連中の頭の中には存在するわけだが、大陸からの「電凸」だけにとどまらず日本国内でも中国人の男性が、新宿の居酒屋でトラブルを起こした。
「中国人へ 当店の食材は全て福島県産です」
この様に書かれた看板が新宿の居酒屋に掲示されていたのを中国人男性が見つけ、警察への通報や、謎の老弁護士の登場で看板を即時撤去させると言う結果となり、実に炎上している状況だ。
中国のニュース記事を翻訳し掲載する「Record China」に、その件について触れた翻訳記事を発見したので、その時の男性の言い分や、中国のネットユーザーなどの反応を引用し掲載したい。

・・・・・・男性は最後にカメラに向かって「警察と店主とのやり取りでボードを撤去させた。もし国外で自分が差別されている、不快だと感じたら、必ず勇気を持って立ち上がり反撃しなければならない。われわれは正当な権利をもって要求を通さねばならない。全ての人が尊重されなければならない」と興奮気味にまくしたてた。
中国のネットユーザーからは「この兄ちゃん、できるな」「すごいぞ」「カッコ良すぎる。このように気骨を持つべき!」「韓国人でも、アメリカ人でも、イギリス人でもなく、中国人とだけ書く。これが差別でなく何なのだ!」「こういう堂々とした人は尊敬する」といった声や、「この弁護士の方は素晴らしい!」「驚いた。通りかかった弁護士はとても正義感があり、強気。警察に物言えるなんて」といった声が上がり、多くの共感を得ている。
一方で、少数ながら「日本の処理水放出に反対しているのは中国人だけだから(あのように書かれていた)」「中国人が反対しているのだから中国人に向けて書くことのどこが問題なのだろう」との声も。
このほか、「うわ。そっちの警察官ってすごく礼儀正しいんだな」「もし中国ならカメラは絶対没収されてるね」「文明的な法執行を見た。話し合いも非常に理性的だ」など終始冷静に対応した日本の警察官の姿勢を称賛するコメントも書き込まれている。(翻訳・編集/北田)

警察の扱いについてはいろいろ言いたいこともあるがそこはほっとくとして、「差別」が重点に置かれているわけだ。しかしながら、処理水の問題をめぐっては中国国内でも日本に対する差別的風刺画が描かれ、それが賞賛されているのだから「アンタ方も言えたタチじゃねえだろう」が私としての本音である。

G7開催時に中国のSNSで拡散された風刺画。緑の液体を注ぐ柴犬が日本を表している。

先述した新宿の一件は、攻撃を受けた際に断固として立ち向かう「反攻」の精神に則るものであろうし、イタ電事件で「オセンスイで作ったラーメンが食べたい」などとほざく連中には、日本国民がこの様な態度で望むべきであると言う手本だと思いたいものである。

さて、行動する保守運動の全盛期、「新攘夷運動 排害社」という組織を率いた金友隆幸氏が書いた「排害主義者宣言 支那人の日本侵略」について触れておきたい。
この本が発行されたのは2011年10月5日。尖閣諸島周辺で海上保安庁の船舶と、領海侵犯を強行した中国漁船が衝突した事件で日中情勢が非常に大荒れとなった年でもある。
この年に発行された本著を初めて開き読んだ時、「面白い話だな」という感覚と同時に、日本の商売が如何に中国人観光客に依存しまくっているのかについて衝撃を受けた。
本著90pから、秋葉原の店舗が如何に中国人集めに必死だったのかについて書かれている。

・・・・・・他の店舗も負けてはいない。隣に立つオノデンも、店先に真っ赤な中華灯を並べたり、簡体字で支那人を呼び込む看板を押し立てている。(略)支那人漁船の船長が政治判断で釈放された際には、このオノデンの社員がマスコミの取材に対して、「ホッとしました」などと売国的な暴言を吐いている。・・・・・・(※紹介はまだ続く。国慶節を祝ったりだとか。)

2011年10月5日 金友隆幸著「排害主義者宣言 支那人の日本侵略」(p94)

日本の商売は、海外から来日する観光客に著しく依存する傾向がある様に思われる。観光立国政策により、「儲かればなんでもいい」の精神が観光の要所となる場所にて商売をする企業・店舗には存在するので、そりゃあ引用文の中にある様な行為も平気でやるだろうなとは考えた。
今、処理水放出の影響により中国人らが寄り付きたがらない日本。むしろ安全圏から叩きたがるような幼稚な集団には、「国民に排害主義」の普及というものは絶対的なものでなければならないと考えざるを得ないわけである。
今後、日中関係は「政冷経熱」ではなく「政冷経冷」、最悪「政経崩壊」なのかも分からない。
早期の観光立国政策・対中経済依存からの脱却は必然なのである。


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