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無限に薄いグレーゾーン

 DSMは一般的な尺度ではなく、ごく限られた領域での精神アプローチの手法であり、絶対的な定説ではありません。その点を気をつけて「あぁ、そういう尺度もあるのかぁ、。」程度に気軽にみてください。私もただの患者ですので。

 DSM-Ⅳという(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)統計的に人間の性格・気質を10の項目にふりわけて個人の心理を診断するものがあります。反社会性パーソナリティ障害、回避性パーソナリティ障害、境界性パーソナリティ障害、依存性パーソナリティ障害、演技性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害、妄想性パーソナリティ障害、スキゾイドパーソナリティ障害、統合失調型パーソナリティ障害、以上10個のパーソナリティを用意して精神を当てはめているものです。最初は数種類だったようですが多様化する価値観で後から増えていったそうです。数が多く全てを説明するためにはさらに多くの時間が必要ですのでここではやりませんが、一応10個の項目があるということだけお伝えします。

 やや怪しいDSMですが、個人が自分のスタイルを認知する分にはそこまで危険性のあるものではないと言えます。特に私のスタイルは回避性に近いので回避性の項目にて「習慣や繰り返しや型にはまったやり方があり、見知らぬことより、知っていることを好む。」というのには自分で納得してしまいました。そして自分はみんながそうなんだ、と思っていたスタイルが統計的には1%ほどと記載があり、内向きの性格の方が稀なものかと驚きました。

 健全と障害とで同じ精神状況でも異なる結果に行き着くところの難しさが書かれていて、人間の精神の不安定さをよく著していると思います。インターフェロン治療よりも抗癌剤が主流になったように、精神医療分野でも今後はどうなるのか、患者側の自分としても気になるところです。

 そんな内向きの性格な私ですが、6年前の7月入院で脳障害により免許が一時失効するという憂き目にあっています。脳障害により日常生活に影響があった場合、クルマの運転で他人を巻き込まないように、との公安からの通達でした。退院は10月8日にしましたが免許復活のために約5ヶ月ほど病院と免許センターでの公道試験(科目はフォローアップ講習でした)、これらをクリアして、やっと日常生活が取り戻せた頃には季節が夏になっていました。免許の再執行で苦労したのが数字を6桁7桁を記憶して伝えるというものが最も私には辛く、そして時間をようしました。対人スタイルに臆病さももっていたのでリハビリの都度に変わる療法士さんも混乱の一因だったと思います。やっぱり人間が怖いと思ってしまう臆病スタイルです。

 家族は心配していますが、現在ではなんとかクルマの運転をして通院をしています。世間一般では健常者しか運転はしていない、という風潮もあり自分の精神病理を他人に発露するのははばかられますが、病人と健常者の間を彷徨うグレーゾーンもいるということで、クルマの運転は優しく行きたいところです。譲り合いの精神は大切です。

 

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