歌ったっていい。ポピ横の狂人編

 まぁまずは、『ポピ横の狂人』聞いてくださいよ。
 素敵ですよね。
 VRC×音楽を象徴しているような曲だと思うんですよ。韻を踏んだリリックが気持ちいい。
 VRChatに存在するポピー横丁というワールドで撮られたMV。これがすごく良い。
 もちろん、AMOKAさんとか、VRChatで撮影している音楽erの方ってほかにもおられるんですけど、これはすごい映像が近いんですよ。近いってのは見慣れた絵っていうことで、別にいまそこにいってこれが見えても不思議じゃない映像。
 いまおもえば、この近いことが衝撃だったんです。
 ここまでだったら、まぁ、衝撃はあっても、ただのいい曲で済んでんたです。

 カバーがやって来ました。
 原曲のカット割りと全部踏襲したムービー。
 エモいっていうと語彙が足りてないですね。えっと、なんというか憧れ、みたいなものを感じたのです。
 同じ場所に行って同じことをする。dreamでもなくgoalでもなく、ただ憧れの発露。そんな感情を感じたのです。
 そして、細部までクオリティが高い。むしろこんなことできるあなたにも憧れるわという気持ちもありました。
 ここまでだったら、そう、ポピ横の狂人は、ただの人に突き刺さる曲ですんでいたんです。

 二の矢がやってきました。
 前ふたつを踏襲したムービー。かわいい。
 いや、これさやばいですよ。感情が全部もってかれました。
 違っててもいいんだ。なによりもいちばんとても輝いてみえたんです。好きにまっすぐな宝石のきらめき。
 で、よぎってしまったんです。

「わたしもやりたい。それ以前に、わたしにもできるのでは」

 ここまで来たら、やるしかないじゃん。
 今までの3ヶ月、繁忙期だからってなにしてたんだよ。

 やりました。

 まずマイクからの音とカラオケ音源を同時に流す方法がわからない。
 abletonのどのボタンを押すと録音できるかすらわからない。
 ノイズを消す方法もわからないし、音がオーバーフローして割れる。
 歌うにしても音程が取れない、リズムが取れない。1週間練習してどうにか聞けるぐらいになりました。
 動画編集もわからない。拡張編集は知っているけど、本当に知ってるだけでどうやって音と合致させるかわからない。とにかく何度も流してタイミング調整するしかないのでさ力技で行いました。
 ダンスも正直なところ未経験。VRCで習ったシャッフルダンスもどきをやってみる。でもいちばん楽しい時間でした。
 ポピー横丁以外のロケ地もわからない。ので、知ってる楽器のあるところとamebientで撮影する。
 そもそも完成図が見えてないので、結果的にすべて一発撮りになってしまった。編集作業中に後悔するも、やり直すとどんどん完成が後送りになってしまいますので、ここは諦めることに。
 そして字幕つけるのは骨と思いきや、ありました。https://wiki.yr32.net/lyrics/%E3%81%A6%E3%82%8C%E3%81%8B%E3%81%99/%E3%83%9D%E3%83%94%E6%A8%AA%E3%81%AE%E7%8B%82%E4%BA%BA
 ありがとう。
 でも歌詞を出すタイミングは手作業。とにかく何度も動画を流しながら埋めていく。いつダウンロードしたかおぼえていないしねきゃぷしょんフォントに、感謝しました。

 いろいろ大変でしたけど、完成させました。いま思うといくらでもやり直せるところはありますし、あると思いますが、これがいまの限界で最高傑作です。
 そして、わたしでもできたんだから、ポピ横の狂人動画もっと増えてほしい。増殖してほしい。VRChatがあれば、この絵は撮れるんです。
 あなたのポピ横の狂人をわたしも知りたい。もっとこの曲があまねく知られると嬉しいし、それの一助になれば幸いなことだとおもいます。

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