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ワークショップ第10回[20200608-0614]『予想通りに不合理』【読書会】

この記事はコミュニティ内部向けの記事になります。ご了承ください。

皆さんこんにちは。お世話になっております。ひらすと申します。1週間宜しくお願いします。
久々の課題図書ですが、内容は興味深い「実験」の内容がメインとなっていますので、かなり読みやすいかと思います。(その分「くどい」と感じる方もおられるかもしれません。)
それでは、今回の課題図書はこちら。

本書の位置づけは、「行動経済学」の入門書という位置づけになります。行動経済学とは何か、と言われると私もあまりハッキリしないのですが、とりあえずこの本を読む前置きとしては、「経済的意思決定に関する心理学」と捉えていただければ大丈夫です。そうです。どちらかというと「経済学」でなく「心理学」なのです。(少なくとも入口は。)

本書のタイトルにもある通り、本書の大雑把なメイン・テーマは、
「(現実の)人間はそこまで合理的ではないのではないか」という点にあります。そしてそこから、完全に合理的な人間を想定した従来の経済学では分析が不十分なのではないかという流れに繋がっていきます。

確かに、自分の意志決定の全てが合理的である、と自信を持って言える人はそう多くはないと思います。時には、人によるともっと高頻度で、よく考えれば正しくない決定を下してしまうこともあります。(ダイエット中についつい食べてしまう人の例が分かりやすでいしょうか。)
ただ、これだけでは「そりゃ人間時には不合理な決定をすることもあるでしょ」で話が終わってしまいます。それではあまり学びがありません。
大事なことは、「不合理」的な行動は、しばしば繰り返され、また、その行動には一定のパターンがあるかもしれないということです。(書籍のタイトルの「予想どおり」の部分。)
行動にパターンがあるということは、その背後に潜む「論理(理由)」があるかもしれないということです。そしてそれを体系的に理解することは、私たちの行動を分析する際に極めて大きな貢献をすることは疑いようがありません。
また、「不合理」なパターンが存在することに意識的であることは、自分が「不合理」な後悔する選択をすることを回避することに役立つはずです。

本書では、筆者のある程度母数のある実験によって得られた様々な「予想通りに不合理」な事例が並べられています。ものによっては「そりゃそうだよね」といった内容から、「マジで?」と驚くような実験結果もあるかもしれません。ワークショップを通じて、人間の不合理性やその回避について何か知見を得ていただければ幸いです。 長くなりましたが、WSの具体的な内容はこちらになります。

■月・火曜日→具体例を集める。
・本書にある様々な実験の中から、自分が気になった内容の実験をピックアップして、面白いと思った点や、自分の日常と重なる部分を見つけてみてください。
・本書に挙げられている内容以外でも、自分が感じた「不合理な選択」を見つけてみてください。その際なぜ自分がそのような不合理な選択をしてしまったのかという理由についても考えてみて下さい。

なんか面倒くさく感じますが、気軽なコメントで全く問題ありません!
【気軽なコメントの例】
・日常の不合理→試験前で準備がヤバいけどゲームを一日中やった(結果、間に合わなかった。)
・理由→今日やらなくてもまだギリ間に合うと思ったから
ぐらいの短さで大丈夫です!

■水・木→具体から抽象へ、そして対応策
・集まった具体例の中から、何か人間の心理に共通するものが見つかれば、それについてコメントしてみて下さい。
(後述する「ファスト&スロー」はその一例でもあります。)
・自分、もしくはメンバーの方が投稿した不合理な選択への対応策を考えてみて下さい。
■金曜日→抽象から具体へ(1つの答え)
以下に、行動経済学でノーベル経済学賞を受賞した、ダニエル・カーネマンの著書「ファスト&スロー」の中に提示されている2つの思考システムについて簡単に記述します。
2つのシステム、とりわけ『システム1』と私達の「不合理」についての関連性を考えてみて下さい。身近な「不合理」に当てはめてみると良いかもしれません。


【システム1】→直感的な早い思考(ファスト)
思考の第1のシステム。無意識的であり、自動で、かつ高速である。思考に意志力をほぼ使わず、外的な刺激から印象を受けたり、何かを連想することが得意である。経験則から答えを導き出す。大きな音がした方を向くなど、動物の本能的な反応もシステム1に含まれる。システム1があるからこそ、人間は膨大な情報をぱっぱと処理することができる。
(システム1の一例)
・人の顔を見て怒っているのか、喜んでいるのか等を判断する。
・2×4の答えを出す
・「今でしょ」というフレーズから林修氏を思い浮かべる
【システム2】→論理的で遅い思考(スロー)
思考の第2のシステム。システム1で解決しない場合にバトンタッチする。意識的に働かせるものであり、意志力を使ってじっくり論理的に考える。多くの情報をスピーディーに処理することは苦手で、キャパシティはそこまで大きくない。面倒くさがり屋なのでなるべくシステム1までで解決して欲しいと思っている。大事な時に登場する重役的存在。意思決定の最終決定権を握っている。
(システム2の一例)
・難しい数学の問題を考える
・人生の大事な選択について考える

■土・日→ラスト・クエスチョン
・なぜ、人間は不合理なのでしょうか?また、経済学的に不合理とされる選択は淘汰されることが望ましいのでしょうか?

最後は書籍テーマから外れて、皆さんの自由な意見をいただければと思います。
内容を結構盛り込んでしまったので、忙しい方は参加できるタイミングでご参加いただければと思います。

それでは、1週間宜しくお願いします!


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