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欧州旅行記 パリ編その1

ロンドンからパリに移動した1日目と、パリ2日目にベルサイユ宮殿+ちょっと市内散策した話です。

前回の記事はこちら。

~今回の旅行の楽しい仲間たち~
友人A:海外経験あり。英語が話せる。行動力の化身。マリーアントワネットが好き。
友人B:海外経験あり。行動力の化身。
友人C:パリ旅行歴戦の強者。英語が話せる。
私:海外は初めて。英語が話せない。

ロンドンからパリ移動(1日目)編

今日は移動日! ということで、荷物を1限ある日くらいの素早さで纏めてバスへ。ユーロスターでパリ北駅に向かいます。

このバスの車内で「硬貨は他国の通貨に両替不可」ということを知った海外初心者の私は、前日のオイスターカードのチャージで札を崩したことをひっそり後悔しました。おかげで財布パンパンだけど、いいもんポンドかっこいいし!! いつかまたイギリスに来たら使う機会もあるでしょう。

ちなみにこのころ(2020年2月下旬)ちょうどイギリスで20ポンド札の入れ替えがあったそうです。私の手元には旧20ポンド札があったのですが崩す機会がなく、日本に持って帰ってきてしまいました。旧札も新紙幣導入から半年は使えるそうなのですが、夏までにはさすがにイギリス行く機会無さそうだしな……と日本円に両替しました。

ユーロスターに乗ってからは、ひたすら昨日観たオペラ座の怪人の感想を連投したり、買ったパンフレットを読んでニヤニヤしていました。控えめに言って不審者。

ふと顔を上げて外を見ると田園風景が広がっています。わあトラックが走ってるなあ。車体にいろいろ書いてある。読めないし英語っぽくないな。
「あれ何語? フランス語?」とフランス語選択の友人に聞くと「そうじゃない?」と返されました。へえー、一応日本出る前にフランス語ちょっとやってみたけど(せいぜい「私は学生です」とかその程度)全然わからないや。

いや待ていつドーヴァー海峡越えた???

どうやら知らないうちにフランスに来ていたそうです。はっや。恐るべしユーロスター。
そうこうしているうちにあっという間に市街地へ入っていき、緩やかにスピードも落ちていきます。パリだー! 車窓からはパリらしき街並みも見えてきました。


「結構らくがき多いね……」「なんか既視感ない?」「わかる、見覚えあるわ。なんでだろう」

「……なんか池袋っぽくない?」
「わかる」

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池袋北口だわ。
どうして我々はパリにまで来て池袋を感じているんだろう。

いろいろ思うところはありつつ下車。バスでホテルに向かいました。
私と友人1名は昨日の疲れもありその後はホテルで休んでいたのですが、行動力の化身2名は出かけていきました。ほんとにその体力はどこから??
彼女たちはルーブル美術館などに行ったそうで、あとで「警備員がスマホいじってたんだよー」などなど教えてくれました。ゆるくていいな。
そして私はこの日も夕食を食べ損ねました。3日連続。胃腸の調子が戻らなくて全然お腹がすかなかったんですよね……。

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ちなみにこれはホテルのベッドで寝っ転がったときの視界なんですが、この上部に見えるロフトベッドの板に5回くらい頭ぶつけました。友人B、たびたび鈍い音とうめき声でビビらせてごめん。

あとホテルのシャワーがすごかった。
どうすごいかというと、レバーを捻って水道とシャワーを切り替えるタイプだったのですが、注意書き通りに回しても切り替わらない。
大パニックになりながら30分格闘した末に、絶妙な力加減でレバーをやや引きながら捻るとシャワーに切り替えることが判明。しかしシャワーヘッドが割れていてとんでもない方向から水が出る。目がああああ!!!
使いこなすには難易度が高すぎて、明日は別室の友人たちのところで借りようと決意したのでした。お安いプランだったので妥当という感じですかね……。


パリ2日目のはじまり

ホテルの朝食を食べて友人、「ロンドンの方が美味しかったのでは? そんなことある?」 君たちはイギリスの食べ物を何だと以下略。
私はパリのホテルのご飯もおいしくいただきました。好みの問題かな。
友人がパンになにか塗っていたので「何それ? ベジマイト?」と聞いたら「ヌテラだぞ!!?」と怒られました。ごめん。色が似てたんだよ。

食事を済ませた後はさっそくベルサイユ宮殿へ向かいます。
昨日ある程度パリを回った行動力マシマシ組いわく「オペラ駅は大手町駅だよ!」とのこと。なるほど、乗り換えに便利ということか。オペラ駅ってガルニエ宮あるところだよなあ、オペラ座の怪人も交通に便利なところに住んでるんだな~などとあれこれ考えつつ。ホームズといいファントムといい、私の推したちは便利なところに居を構えているようです。
というわけで、まずはホテルの最寄り駅でオペラ駅に出る地下鉄の切符を購入。そこからRER(近郊電車)に乗り換えてベルサイユ宮殿の最寄り駅へ。切符でどこまで行けるのかいまいち微妙だったのでひとまず乗り換えで区切って購入しました。

ここで軽くパリの地下鉄のシステムの話をしようかと思います。
パリ中心部なら1.9ユーロ(だいたい220円くらいですかね)の切符で地下鉄が2時間ほど乗り放題でした。便利! 郊外に行く場合はもっとかかりますが。
ちなみに切符は日本みたいに改札を出入りする都度必要、というわけではなく、『入場券』のイメージが強い感じでした。改札に入るときは必要ですが、出るときはそのままドアを開けるなりゲートを通って駅から出られます。たまに切符を持っているか抜き打ちチェックもあるようで、滞在中一度遭遇しました。タダ乗りする人もいるんでしょうね……。

パリの地下鉄を初めて利用した感想は、「なんか臭くない?」
微妙にゴミ臭い。年金改革デモでゴミ処理施設が稼働を止めた、というニュースも旅行前に耳にしていたのでその影響でしょうか。車両の外側に落書きがしてあったのもちょっとびっくりでした。
そして乗っていると、車内にしばしば「S'il vous plait」(他にも何か言ってたけどここだけ聞き取れた)と言いながら紙コップを片手に徘徊する人が現れました。紙コップに集めた硬貨を使い、電車に乗り続けて暮らしているのではないかと思われます。それと何がしかのビラを置いていき、しばらくするとそれを回収しに来る人もいました。特に絡まれるようなことはありませんでしたが、フランスの世情を少しだけ垣間見たような気がしました。

というわけでオペラ駅に到着し、RERのベルサイユ行きの切符を購入しようとした私たち。券売機があったのですがこれがどうにも気分屋で、切符を選んでクレジットカードを挿入しても振り出しに戻る。券売機が2台あり、私たちは4人組だったので半分ずつに分かれてそれぞれ悪戦苦闘していました。
私の前で友人Cが券売機とにらめっこしていると、「大丈夫ですか?」と男性に声をかけられました。ジャージっぽい服装で、駅員証らしきものを首から下げています。係員の人かな? 
「どこに行きたいんですか?」「ベルサイユ宮殿に行きたいんです」
「だったらこれですね」と手際よく券売機を操作してくれる男性。
画面を見ると往復で50ユーロ。約6000円。

あれ? 帝劇B席以上の金がここで飛ぶのか?

よく見ると券売機の脇に「ベルサイユ宮殿まではRERで片道3.65ユーロ(約430円)」という表記が。……という旨を友人Cに伝える私。
「この3.65ユーロは?」「それはバスの値段ですね!」いや本当か?
「いや、これは何かおかしい」と友人C。さすが歴戦の海外旅行者である。
隣の券売機とにらめっこしていた友人2人に「どの切符買った? バスの切符がーとか係員みたいな人が言うんだけど」と聞くと、
「3.65ユーロのやつ! 私はスマートフォンと自分の目しか信じない
かっこいいな。
私と友人Cもそれにならって同じ切符を買いました。その間にも例の男性が「大丈夫ですか?」としつこい。大丈夫です。
結果から言うと3.65ユーロで正解でした。すごい! ぼったくられかけた!
駅員証もどきをしてたけどあの人はおそらく駅員ではない。スリにはとても警戒していたのですが、駅でのぼったくりは盲点でした。
たぶん友人Cがいなかったら流されていた気がする。ありがとう友人C。
そう、私はこの旅行で彼女におんぶにだっこ状態でした。海外初めての赤ちゃんの面倒を見てくれてありがとう。



ベルサイユ宮殿へ!

こうしてなんとかベルサイユに到着し、「たぶん人がたくさん流れていくほうがベルサイユ宮殿だ」という推測のもと歩くこと数分。

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すごーい!! 世界史の資料集で見たことある!!

我々はすでにオンラインチケットを購入していたのですが、それでも荷物検査が長蛇の列。なかなか待たされましたが、中に入った時の感動がすごい。

私はシャンデリアの写真ばっかり撮っていました。

友人Aがマリーアントワネットに詳しいので、彼女の説明を聞きながら見て回りました。いやしかし広い。そして風が強い。ビル風ならぬ宮殿風。友人たちがベルサイユ宮殿を背景に自撮りを試みてもTwitter映えしそうな写真しか撮れない。

ちなみに宮殿の周囲でエッフェル塔がモチーフらしきお土産品らしきものを抱えた人がうろついてました。「ベルサイユなのになんでエッフェル塔なんだよ」とは友人の言。確かに。


夜のパリ散歩

夕食はルーブル美術館の近所にあるレストランへ。私はエスカルゴと鮭のムニエルをいただきました。初めてエスカルゴ食べたのですがおいしかったです……!! 食欲ゼロだったのに全部食べ切ってしまった。
2人のウエイターさんが対応してくれたのですが、1人は笑顔がさわやかなイケメン。好き。もう1人はなぜか日本語の語彙が豊富。「イタダキマス」「オイシイ?」などなど言ってました。好き。日本人観光客に慣れてるんだろうな。

食事を終えたあとは少しばかり街を散策。予定が合わず見学を断念したもののそれでもガルニエ宮への未練が残る私に、「どうせだし外観見ようよ!」と友人。好き。もうなんかありとあらゆるものが好きな人になってるな。さすが博愛の国(どういうこと)

ガルニエ宮の周囲をぐるっと一周した後はメトロに乗ってコンコルド広場へ。

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奥に見えるのはライトアップされたエッフェル塔ですね。この日は雨がぱらつくこともあったので水たまりもちらほら。

辺りを見回すと凱旋門もあり「結構近そうじゃない? 行ってみよう!」と行動力マシマシ2名の提案で凱旋門まで歩いてみることに。
パリは街並みも綺麗で、夜の冷気も心地よく、「普段インドア派だけど、こうやって散歩するのもたまにはいいかも~」と思う私。
しかし。

凱旋門、思ったより遠かった。

もともとのサイズが大きい。歩いても歩いても全然近づいてこない。だんだん体力もすり減ってきた。これあとどのくらいかかるんだろう。というか凱旋門からどうやって帰れるんだろう。切符そろそろ時間切れないか?
友人Cの意識もだんだん怪しくなってきた。大丈夫か?

シャンゼリゼ通りをひたすら歩きなんとか凱旋門に到着。

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当時は体力の限界で感慨に浸る余裕がなかったのですが、改めて画像見ると堂々たる佇まいですね。素敵です。

ここでシャルル・ド・ゴール・エトワール駅が近くにあることが判明。パリって人名を冠した駅名や地名が多いですね。ド・ゴールといえば『ジャッカルの日』だな! などと思いつつそれはさておき、この駅からメトロを乗り継いで帰ることにしました。

ここで友人2人がお手洗に寄りたいとのこと。ちょうどすぐそこに駅構内のトイレがある! とドアを開いてみるとすぐ展開される個室。そして異臭。端的に言ってやばそう。
「え、これ入るの?」「他に見当たらないし……」

「人生で最悪のトイレ体験だった」
――シャルル・ド・ゴール・エトワール駅のトイレについて、友人A
「近所の公園に昔あった公衆トイレがあんな感じだった」
――友人B
「あれは本当に、ダメ」
――友人C

綺麗なトイレに入りたければ、お店の中に入ったほうが良いらしい。

我々はその後、無事にホテルに帰還しました。この日も自室のひび割れ四方八方噴射シャワーヘッドと戦いました。

行動力マシマシ組の1人である友人Bには「インドア派の2人(私と友人C)を引きずり回してごめんね!」と言われました。大丈夫だよ、せっかくパリに来たんだしいろいろ見られて楽しかったよ! しかし行動力つよつよ組のあの体力は本当にどこから来るんだろう。彼女たちがパリでおそらく一番楽しみにしているであろう明日のディズニー、私の体力は持つのでしょうか。

ちなみにこの友人は『ミッドナイト・イン・パリ』という映画が好きで、パリの夜景に憧れていたそうです。確かに記憶は朦朧ながらも、夜のパリは幻想的できれいだった。私も帰国してからこの作品を観たのですが、画面に映るパリはどこを切り取っても美しかったです。(予告編貼っておきます)


パリ1日~2日目は以上です。次は3日目!
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

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