独裁・王政・一党独裁が嫌いな理由

 日本の民主主義が良いとは言いません。
 ただ、他よりはましでしょう。

権力の集中と効率

 コロナ対策で動きが遅い日本政府が揶揄されています。
 確かに独裁制などで権力が集中し、短い期間での対応や新展開への対応が求められる場合、民主主義よりははるかに対応が早くなります。
(厳密に言うと、対応が早くなる場合もあるが、致命的に遅れる場合もある・・・ですけど。)

 民主主義の動きが遅い理由はいろいろ考えられます。
 一つには、官僚主義と政治家の縄張り意識がブレーキをかけており、この弊害は民主主義では避けて通れないものです。

 つまり、独裁や一党独裁で権力が集中しているほど『見た目の効率』は良くなり、一部の『評論家気取りの芸能人たち』が民主主義に疑問を呈することすら起こるのです。

組織票は民主主義が幼い証拠

 少し話がズレますが、ご辛抱ください。
 民主主義において、官僚主義と政治家の我田引水が効率を下げているのはまだ民主主義が幼いからでもあります。

 その際立った証拠が、選挙で見られる『組織票の存在』です。
 有権者の各々が十分な情報とそれを評価判断できる教育を受けていれば組織票自体が存在しえないでしょう。
 投票を指示『される』方は、十分な情報と判断教育があれば自分の考えで投票するでしょうから指示は意味がありません。
 また、『指示する』方は民主主義の根本を理解し、安直に組織票を作ることの危険性を理解するほどの歴史知識が有れば、指示自体を行わないでしょう。第二次世界大戦以前のドイツや日本の歴史が組織票の恐ろしさを物語っています。ちなみに、大陸の面積での二大大国にも同じ教訓があります。

 会社や上役や村の長老の指示通りに投票する組織票は、投票者自身が『考えることを放棄』しており、民主主義以前に『効率よく動ける経済体制』にすらなっていない原始的な社会であることを露呈しているのです。

もとい

 幼い民主主義でも権力の集中はありますが、更に集中度合が強い独裁制、寡頭政治制は、政権が『有能であれば」素早い対応で危機を乗り越えます。
 但し、年単位の短期間に限ってのみ『効率が良い』のです。

個人は弱い

 個人は弱いものです。
 独裁者がいくら有能でも、年齢による衰えには勝てません。
 加えて側近が権力の代行を始めます。
 全ての側近が有能であれば良いのですが・・・

 つまり、有能な独裁者は衰えます。
 それをサポートするべき側近たちも、有能である、あるいは、自己の利益よりも社会を優先できる人材である可能性は遥に低くなります。

 今は有能で効率が良くても、時間とともに無能になり社会一般の状況とは乖離し権力の甘い汁だけを吸う『社会にとっては効率を引き下げる』要因になるのです。
 独裁国家の事例を見てゆけば、ほとんどがこのパターンに陥っています。

 そして、寡頭政治も、憲法を変えてまで就任している永年大統領も独裁者と同じ道をたどるのです。

権力の集中は
 長い目で見れば
 非効率を招くから嫌いです

bye

ありがとー