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瞬きの途中で また世界は変わる

真っ赤なワンピースを身に纏い、胸を弾ませ、たった一枚のチケットを握りしめて新幹線に乗り込む。辿り着く先は東京。東銀座の駅を出ると、たちまち新橋演舞場が見えてくる。だいすきな自担の写真を取り出し、今日の記念にシャッターを切る。



記憶が溢れ落ちてしまう前に、想うことを書き残してみたいと思います。


以前、沼堕ちブログを書きました。龍我くんに出会ったのは2020年の6月。(詳しくは沼堕ちブログを読んでもらえたら… と言いたいところだったけど久しぶりに読み返したらあの頃はうまく書けた!と思っていたものが、あんまり好きな文章ではなくなっていてちょっとショックだった。(笑))

それから1年とすこしが経ち、舞台「少年たち」で龍我くんの姿をはじめて見ることができた。振り返ってみると、この1年とすこしの間に、日々エナジーを燃やしながら自担を追いかけ、さまざまな感情を抱いて好きという気持ちを更新し続けてきた。本当にあっという間だった。こんなに熱量が高いときに、この目でいちばんだいすきで大切な自担を見られる幸せを感じた。





新橋演舞場に入り、席に着く。この日のために準備した双眼鏡を取り出す。もうすぐ自分にとっての夢の世界が幕を開ける。そう思いながら気持ちを高めていると、ブザーが鳴る。会場の音が小さくなる。〝始まる!〟とすべての人が悟り、気持ちを整え、耳を澄ませる。舞台に視線が注がれる。その瞬間、自ら高めていた気持ちの、その蓋が外れたように思わず涙が溢れた。やっと龍我くんを見られるんだと思うと嬉しく、同時に緊張や、どんな世界が待っているのだろうとワクワクする気持ち、さまざまな感情が渦を巻き、溢れた。



幕が上がった。


泣きながら、それでも深呼吸をして手に持っていた双眼鏡を覗く。

大好きな人の、横顔が映った。わたしがはじめて龍我くんを見た瞬間だった。ずっとスマホの中で、テレビの画面で、雑誌を開いて、追いかけてきた人だった。龍我くんが、目の前のステージにいる。存在している。そしてわたしがそれをこの目で見ている。ずっと鮮明に思い出したいし、いつまでも忘れないでいたいと思う。

はじめて見た龍我くんは、とても美しかった。こんなに美しい人がいるの?と思った。あまりの美貌に恍惚とした。美しすぎて、この文章を書いている今もあれは夢だったのではないか?と思うほど。ただ写真が残っていることで、チケットの半券がきちんと切り取られていることで、Suicaの履歴を見ることで、現実だったんだと判断するくらいには夢かと疑っている。



いちばん胸を打たれたのは、「約束の歌」の歌唱シーンだった。物語の中では、弟を大切に想うミズキとリュウガが互いに共鳴して、この歌が始まる。

龍我くんの歌声は、普段のパフォーマンスを見ながら、単純に好きだなぁ…と思っていた。透き通るような歌声でまさにアイドルらしい歌声だと思う。しかし実際に生で聴いて、本当に優しくて甘く伸びて、透き通っていて、その中でも特に純度の高い歌声だと気付かされた。何というか、本当に綺麗でまっすぐ伝わる歌声。正直言って、これは衝撃だった。ステージから、観客席で見ているわたしまで届いてくる歌声が、その優しさも甘さも純度も100%、そのままで心に響いてきたからだ。その瞬間、完全に心を掴まれ、その歌声の虜になり離れられなくなった。それが嬉しくて、ただただ感動して自然と涙が出た。

涙を流しては、その響きを味わいながら、この瞬間を忘れたくないという一心で必死に聴き入った。

〝時の流れはいつも変わらずに
 僕らを未来へと連れてゆくよ
 ずるさも弱さも強がりも
 すべて僕が受け止めてやるよ〟

龍我くんが歌ったこの歌詞をなぞれば、脳内であの歌声が蘇る。ずっとずっと忘れないでいたい。それは間違いなく、わたしにとっていちばん大切な瞬間だった。



いつか、なすくんが〝ステージに立つと佐藤龍我しか勝たん!〟と褒めてくれていたことを思い出した。新衣装を纏い「We'll Be Together」を歌う龍我くんを見て、〝本当に王子様だ… 〟と思った。その姿を見れば一瞬にして引き込まれ、目が離せなくなった。ステージ上での佇まい、まっすぐ前を見つめる瞳、容姿端麗で、見ている人の目を惹きつけるオーラ。龍我くんが持つアイドルとしての素質が大好きだ。そんな素質を持つ龍我くんはやはり逸材で宝だと確信した。ずっと大切にしていたい宝。どんなときもわたしのど真ん中に存在していて、その煌めきで目の前を明るく照らしてくれる人。いつまでも、ステージの光の中に存在していて欲しいと願う。なすくんの言葉は、本当にその通りだった。ステージに立つ龍我くんは凄くかっこよくあまりに眩しくて、それを目の当たりにすると、単純だけど生きてて良かったと思った。この煌めきを見るために生きているし、これからも生きていたいと思った。ステージに立つ瞬間がいちばん輝いている彼が、心から嬉しく誇らしかった。テレビやスマホ、誌面で見ているだけでは、実際に足を運ばなければ、絶対に得られない感動をもらった。幕が降りる瞬間、この夢が醒めないで欲しいと苦しくなった。



会場を出ると、抱えきれない感情のあまり、ふらふらとしながら東銀座を歩いた。帰りの新幹線までは数時間あったが、どこにも向かわずただただ反芻したいと思った。この目で見た龍我くんの姿を焼き付けられるだけ焼き付けておきたくて、ほんの一瞬も忘れたくなかった。でも時間の流れには抗えなくてきっと少しずつ溢れ落ちていくんだな…と思うと無性に不安でこわくて泣きそうになった。当たり前のことだけど、わたしが見たものはわたしの中でしか生き続けない。龍我くんを見て感動したその一瞬一瞬を永遠にしたくて、いつまでもわたしの中で光っていて欲しい、光らせていたいと思った。一つも取り溢したくないという気持ちで張り詰めた胸を時折抑えながら、気を抜くと涙が溢れ出してしまいそうだった。改めて龍我くんを好きな気持ちと向ける想い、燃やすエナジーの大きさをつくづく実感した。必死に想いを抱きかかえ、泣きそうになりながら東京の街を歩いたこと、きっとわたしは忘れない。龍我くんを好きな人生の中で、振り返るときに、スポットライトの当たる一日になった。



今度、龍我くんに会ったら、生で歌声を聴いてパフォーマンスを見たら、どんな風に映るのだろう、どんな感動をくれるのだろうと思うと、胸の高鳴りは止まない。同時に、わたしの想像を超えるものを届けてくれるのだろうな…と思う。そしてそんな風に思わせてくれるのが最高のアイドルなのだと惚れ惚れする。来るその日まで生きてわたしもわたしの日常を全うしようと思います。がんばるね。



「約束の歌」の〝瞬きの途中で また世界は変わる〟という歌詞をこの文章のタイトルに残します。自分にとって大切な一曲になったよ。劇中での歌詞の意味とは異なるけれど、瞬きをする間にもわたしの大好きなアイドルはどんどん成長して輝きを増し、煌めきを放ってくれるのだろうと思います。龍我くんの輝きや煌めき、一つも取り溢したくないという想いでこれからも追いかけていきたいと思います。



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