日記

同胞たちの血しぶきをその身に受けた者だけがこの場所で祈りをささげる。なぜかと言えば、我々は友の声に呼ばれここに誘われるのである。豪雨。僥倖。こびりつく血を洗い流し給え。物理的な時間の経過が一体何ごとであろうか。この魂の痛みは無限回廊に迷う幼子の不安めいているのであります!!!! それは時間の経過とともに一層烈しくなり、ついには死の無感覚の境地に至るのであります。これが癒されるには、一つの契機なくしてはありえません。母なるあなたの抱擁なくしては。あなたの、あなたなしには何事も成しえないのであります。

この膠着状態が何よりも我々の魂に深刻にして不可逆の痛みを加えるのであります。それはゆっくりと折れる骨、徐々に深く刺し込む牙であって、我々は全てを投げ出し狂うこともできず、正常であることを要求され、来るべき決定的な破壊と腐敗の瞬間に備えなければいけないのです。これが何よりも我々の精神を蝕み、その奥底に巣食って、ほじくり取り出そうとするたび痛みと血と膿がじくじくと溢れそのくせ事態は好転せず病原は尚それによって致命的なまでに禁忌不可侵の深奥へと滑落していくのであります。

友の阿鼻叫喚の聖歌が脳髄に寄生し我が灰白と瑞々しき肉と記憶と思考を貪りながら肥大化しついには我が意識はこの虫に完全に操作されているのであります!!!! 今も鼻の奥から吐き気を催す腐臭が漂い、耳の奥からぎちぎちと我が脳髄を食む憎き咀嚼音にかちゃかちゃとその触覚か硬く節ばった足で頭蓋骨を引っ掻き回す音とブゥゥゥゥゥゥゥンンンンとつんざく羽音が私の正気を奪い私の社会的な振る舞いや良識に糞をまき散らし、蓋をした過去が沸騰し今にも爆発せんがごとくの釜茹での様相を呈しており、私は完全に逃げ場と助けとを失い、防空壕の中一人自決することもできずに腐る手足を死ぬその時まで凝視し続ける宿命を課せられたのです。


ただ汝の意志のみが行われますように。

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