無血開城

夢見る星の頭の中はウミウシの楽園で、従って僕たちはあの302度の温度を絶やしてはいけない。

日本家屋と地続きの夢。襖の丘にはヒマワリが目まぐるしく回転している。自らを太陽としているからである。

昔、未来を与えられた医師たちは、絶望の底で看護師を見つけたのだ。だから、今でもこの関係は続いている。

続く。続く。綴りはつ、づ、く。蕾のつ、に。継ぎ接ぎのつ、に。対消滅のつ。でも、あなたはそれをいつも笑う。ぼくはいつだって本気なのに。

光を探そう。光を探そう。それが我々の性である限り、鍵は手の中にある。手慰みのグミの泣く声は、失くしたエコーのせい。ふふっ。あなたは笑うときいつも肝臓を肥大化させる。私は話すことについて話しているんだよ。

お米の一粒一粒を、ぼくらだとするなら、お茶碗は世界で、炊飯器は神、お箸は悪魔ということになるね。だからぼくはお米を食べるときいつも神の言葉を唱えるんだ。汝、回り、しかしてそれは生える。

無血開城である。世は何でも無血開城である。

しりとりをしよう うん 負け。

もしネズミが3%になってしまったら、モグラは9.6メートルで生きていけるんだろうか。でも、そのときのぼくらはきっと52ヘルツで、クジラもきっと喜ぶだろう。

例えば、ぼくが君の手のひらをとってそこにアイスを垂らしたら、君はそっぽを向くだろうけど、けど、その時にふわりと香った君の髪の匂いをぼくはもう本当に本当に本当に本当に忘れられないんだ! ぼくは即座に跪いて君の指先に口づけするだろう。無論、アイスを舐めたいからだ。

愛するとは? それは匂いを嗅ぐこと。人混みですれ違いざまに、一瞬、しかしたしかにあなたの匂いを感じ取ること。振り返っても、だれもいない。これが、愛すること。

あなたの匂いは、まさしくセミの死骸のようだった。私を全くの虜にしたのだった。

あのとき!!! たしかに世界はウミウシになるまであと一歩だったのである!!!! 夢への扉は今にも開かれそうだったのだ!!!!!

しかし鍵だ! 鍵が我々を裏切った! 

あなたはそれをおかしそうに見ている。

はあ。


踊ろう。





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