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武藤敬司引退試合の感想

2023年2月11日、ついにこの日が来てしまった。プロレス界の国民的英雄、武藤敬司の引退試合だった。
ついこの間、プロレス界の先駆者、アントニオ猪木さんがなくなった悲しみも冷めやまずにしての、武藤敬司引退だ。

僕は幼い頃は、テレビ中継で新日本ならばアントニオ猪木、藤波辰爾、長州力、初代タイガーマスク、バンバンビガロなど、全日本ならば、ジャイアント馬場、ジャンボ鶴田、ラッシャー木村なんかを知っていた。
新日本の武藤敬司、橋本真也、蝶野正洋など闘魂3銃士の時代は高校生あたりになるので、高校野球部に所属して、甲子園目指していた僕は、練習に忙しくあけくれていたので、プロレスは観ていなかった。で、そのうち格闘技は2000年近くになると、総合格闘技K1に人気が移り、僕もアンディフグ、ピーターアーツ、佐竹、武蔵、アーネストホースト、のちに2000年を越えて、魔裟斗、小比類巻、山本キッド、須藤元気、ボブサップなどが活躍していていて注目していた。今の時代ならば、武尊、那須川天心であろう。

その間、もちろんプロレスファンは観ていたとは思うが、日本全体としてはプロレス観戦は低迷して、テレビ中継もなくなっていた。

しかし、最近になって僕はYouTubeの動画配信で見直し、またプロレスを観るようになった。三沢が立ち上げたプロレスNOAHをみて、武藤敬司がNOAHに参戦していることを知った。そしてみていると、なんと潮崎豪から、GHCベビーチャンピオンを奪い、親日のIWGPベビー、全日の三冠ベルト、の3つを取った3団体ベビー級のグランドスラムを達成してしまった。この試合は年間のプロレスベストバウトにも選ばれた。歳は58の武藤敬司の実績である。方舟の天才、丸藤とのタッグでもCHCベビータッグ王座を戴冠、タッグでも3団体のベビー級グランドスラムに輝いている。

しかし、去年2022年には股関節を痛めて、長年苦しんできたひざ痛(軽減のために人工関節手術をしている)も相まってか、引退を覚悟し、ついに「プロレスはゴールのないマラソン」といっていた台詞を撤回して、引退表明した。

引退ロードとして、グレートムタの試合を含めて、清宮海斗(清宮には、ドラゴンスクリュー、シャイニングウィザード、足四の字固めなどの武藤殺法を継承した。)や、中邑真輔、タッグではあったが棚橋との試合をこなした。

引退試合が迫る間近、親日対抗NOAHでの内藤哲也vs拳王の勝者、内藤を試合後、引退試合に指名をした。かねてからの武藤ファンである内藤哲也はもちろん承諾して、決まった。

当日、セミファイナル試合でオカダ・カズチカvs清宮海斗の、IWGP世界ヘビー王者とGHCヘビー王者のプライドをかけたシングルマッチが白熱して行われた後、メインファイナルイベント、武藤敬司vs内藤哲也の武藤敬司引退試合が始まった。東京ドーム観客数3万人を越える熱狂の中、武藤敬司は還暦60歳とは思えないほどの、プレーをして見せた。引退試合を行っていない、かつての戦友橋本真也を弔うかのごとく、袈裟斬りチョップからのDDT、そして三沢光晴を弔うかのごとくのエメラルド.フロウジョンをきめた。また、会場に解説にきていた蝶野正洋のSTF
も披露して見せた。もちろん武藤自身の得意技フラッシングエルボーを始め、ドラゴンスクリュー、シャイニングウィザード、あし四の字固めも披露した。この武藤殺法も幾度なく内藤哲也にかけて苦しめた。ときには、人工関節入りの膝のリスクをお構い無く、生涯最後のムーンサルトプレスを魅せるのにトップロープに上がったが、やはり、自分を心配する家族や医者の顔が浮かんだらしく、途中でやめてしまっている。

前半、中盤戦は武藤に見せ場をつくらせてあげたかのような、試合後半は内藤が一挙に形勢逆転して、ドラゴンスクリューやシャイニングウィザード、足4の字固めなど、掟破りの武藤殺法を披露してみせた。最後のフィニッシュは、内藤のきめ技ディスティーノが決まり、武藤敬司現役最後の試合が幕を閉じた。武藤は東京ドームの天井をなかなか眺められないと、最後の仰向け姿を堪能していたみたいだ。

その後「長年のプロレス人生を応援してくださり、ありがとうございました!」の武藤の挨拶が終わるやいなや、まだ余力が残っている!と、解説席にいた蝶野正洋に、「蝶野!俺と闘え!」と、蝶野をリングに引っ張り出して、古株タイガー服部レフリーと、辻よしなりアナウンサーによる異例の引退第2試合目が始まった。蝶野は杖を離し、マジに武藤に向かって、チョップと蹴りを見舞い、倒れた武藤にSTFをきめて見せた。武藤はすぐさまギブアップして、前代未聞の「引退試合2試合負け」の最高のエンターテイメントで締めくくってみせた。蝶野コールも盛り上がっていた。

最後に、古舘伊知郎アナウンサーの挨拶コメントで東京ドームはしんみりとなり、花道を去る頃には、観客全員、ましてや武藤の付き人を経験したゲストの棚橋弘至の涙も誘いながら、リングを後にした。

僕はAbemaのペーパーびゅうを購入して観ていたが、涙はでないものの、胸の奥では感動しており、なんともいえない寂しさと、面白かった引退試合を十分楽しめた心境に浸れたがする。ちなみに、ペーパーびゅう購入数はなんと、那須川天心vs武尊の東京ドームの試合を抜いて、Abema史上最高の売り上げを記録したらしい。

武藤敬司をずっとみてきたわけではないけども、ムーンサルトプレスの使いすぎで、若い頃から膝に爆弾をかかえながら、よくあの年齢まで闘えたなぁと、感心してやまない。自宅では、歩くことすらままならない、といったご家族の証言もありながら、よくリングに上がれば、あれほどの動きができるものだなと、ビックリしてしかたがないし、根性が尊敬できる。笑

さすが、プロレス界の天才である。

武藤敬司は引退してしまうが、これから後のプロレス界はどういったパフォーマンスをみせてくれるのであろうか?。武藤なき後、NOAHは清宮が引っ張れるのか?はたまた、潮崎や拳王、中島が対等するのか?
藤田、杉浦、50歳過ぎたレジェンドたちは?
方舟の天才丸藤は?
親日も、オカダ・カズチカ、棚橋は?
内藤哲也のパフォーマンス、存在感、人気は武藤敬司を越えていくのか?
全日は、宮原は強いのか?諏訪魔はオーナーとしてはどうなのか?

これからも、ちょこちょこプロレスをみていきたい僕には、将来もファンとしてたのしみでしかたがない、のと同時にプロレス選手の皆さんには、くれぐれも怪我の少ないよう、命の大切さを優先するように願うものである。

今日のご飯は、LOTTEの小枝です。子供の頃から、好きでした。久しぶりに食べました、最高に旨いです。良かったらお試しあれ!

今日の短歌
去り行けど、寂しさだけでは終わらない。あのスターは楽しみ残しけり。

ではでは、またの投稿でお会いしましょ。


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