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酔っ払いママがベビーカーでトラブったお話

数年前に、シリア人のパートナーが日本に来た時に、僕がアテンドする係になりまして

成田まで迎えに行きました

彼の到着を待って

特急に乗って都内まで一緒に移動してきたんです

そして目的地の駅に着いて、一緒にホームを歩いていた時に

ちょうど別の電車がホームに入ってきまして

扉が開くと、ベビーカーに子供を乗せて押して出てくるママさんが目に入りました

次の瞬間、ベビーカーのタイヤが電車とホームの隙間に落ち込んだのです

しかも挟まってしまってる模様

外国人をアテンドしてた僕は

「え、どうしようかな」と一瞬躊躇してしまいました

すぐに周りの人が数名救出に寄っていたので、「大丈夫かな」と思った次の瞬間

僕の隣にいたシリア人の彼が、自分の荷物をほっぽり出して、走っていくではありませんか

余計な事を考えて完全に出遅れてしまった私

彼を含む5〜6人で挟まったベビーカーは無事救出

よかったよかったと思ったら

そのママ

笑いながら「すみませ〜ん。ははは♫」

え?と思って見てみたら

まだ明るいのに、ベロベロに酔ってる

なんじゃこいつ!?

駆けつけた駅員も「あなた酔ってるんですか?」とちょっと怒り気味に彼女に質問

なんとまぁお騒がせなママやな、と思いながらも、もう私達は用も済んだので後は駅員に任せて早々にその場を立ち去りました。

で、この一件で自分自身凄く反省したこと、そして人間というものに感じたことがありまして

目の前で困ってる人がいたのに、自分は咄嗟に「この異国の地から来た客人を無事にアテンドしないといけない」という仕事感が働いてしまって、出遅れてしまったこと

一方で、初めて訪れた異国の地で、言葉も通じない彼が一目散に助けに行ったこと

その助けに行った彼はあの内戦でメチャクチャなシリアに居て、いつ死んでもおかしくない日常を送っていること

そして助けられたのは、平和な日本で昼から幼児を連れて飲んだくれている母親

これらの事実が自分の中で暴れまわって

未だに整理がつかず

数年経った今、文字に起こしてみても、結局まとめることが出来ていませんが


人間はどんな環境にいても、その人次第で人間味というものを忘れることなく

行動できるものなんだなぁと感じました

僕はただのサラリーマンで

国際協力なんて恐れ多いと思ってますし

ずっとドメスティックに生きてきたので、世界のことなんて、全然知りませんが

そんな僕がこんな非日常な経験が出来るなんて幸運だなぁと感じます

こういう経験をしたことで、自分の行動が少しでも良い方に変われば良いし

もし僕のnoteを読んでくれた方の人生が、少しでも良い方向に向かえばいいなぁと思ってます。

現実の僕はなかなかクソヤローですけど、これは良い人ぶってるわけではなくて、割と本音です(笑)

だって、みんなで楽しく生きていきたいやん?

PS:ちなみにこのシリア人の彼は、本国で今映画監督として活躍してます。
酔っ払いの姉ちゃん!あんた映画監督に助けられたんやで!ツイッターで自慢して炎上しぃや!(笑)

サポートいただいたお金は、こんな僕を育ててくれた母ちゃんに還元したいと思います。