今回の日大アメフトの不祥事について
5月6日に東京・調布のアミノバイタルフィールドで行われた、関西学院大学対日本大学の一戦。
この試合は東西を代表する強豪校同士で、昨年の大学日本一を決める甲子園ボウルでも対戦していることもあり、非常に注目されてました。
しかし、その試合中に日大の選手が再三に渡る暴力行為を行い、最終的に退場になったことに対して、その映像があまりにも酷過ぎるとネットで騒然となりました。
(↓問題のプレー)
ネットで検索すると、山ほど関連記事が出て来ますが、どの記事もラフプレーや反則行為という風に記載されています。
アメフト経験者の私からすると、これは反則行為やラフプレーの範疇を通り越して、ただの暴力行為と言わざるを得ません。
一番問題となっている、無防備な人間への脊椎損傷を狙った反則タックル
これは素人目に見ても危険な行為であることはお分かりいただけるでしょう
この問題を受けて、5月10日東学生アメリカンフットボール連盟が声明を発表し、該当選手の出場停止という異例の処分を下しました。
監督は厳重注意処分とのこと。
学生時代、一部リーグで選手としてチームに所属し、社会人でも2年ほど母校でコーチを経験した立場から言わせてもらうと、この結果に私は全く納得がいかない。
該当選手が出場停止処分であれば、監督は最低でも解雇、もしくは永久追放が妥当である。
というのも、日大の内田監督は試合後にこの一件について聞かれ
「選手も必死。あれぐらいやっていかないと勝てない。やらせている私の責任」
とはっきりとコメントしている。
つまり、再三の暴力行為は、監督の指示の下に行われているのだ。
アメフト経験者ならわかると思うが、こんな危険かつ、無駄なラフプレーなどしようものなら、監督に一発で交代させられるのが普通だ。
そしてサイドラインに戻ってコーチ陣から、「いらんことすんなボケ!これで負けたらどうするんじゃ!」と言われるのが普通である。
そもそもアメフトのゲーム特性として、他のスポーツより反則への罰は重く、得点に直結しかねないので、危険か危険じゃないかに関わらず、絶対にやってはいけないこととされている。
一つの反則が勝敗を分けることも多々あるのだ。
その前提があるにも関わらず、重大な反則を繰り返す選手をそのまま試合に出場させ続けるということは、「反則で相手の脊椎を損傷させてでも、試合に勝てば良いから、もっとやれ」という監督の意向に他ならない。
アメフトやラグビーの練習中、試合中に「殺せ!」というような怒号は当たり前のように飛び交っており
選手も「この一発で自分が死ぬことになろうとも、こいつだけは殺す」というような、トランス状態でプレーしていることがほとんどだが
それはあくまでルール内の話である
ルールに沿ったスポーツの中で「ぶち殺してやる」という気概で激しくタックルすることと
ルールを逸脱し、試合に関係なく単純に重傷を負わせることを目的に無防備な相手に突っ込むことが、全く違うということは、経験者じゃなくても容易に理解できるだろう。
内田監督に弁解の余地はなく、強豪校の監督として続行することは、学生アメフト界にとってマイナスでしかない。
このような人間に指導された学生が社会に出て何をするかわかったものではない。
協会および、日本大学は自身の威信にかけても然るべき対応をとって頂きたい。
追記 5/12:関西学院大学が会見をしたようですが、この暴力行為を受けて"負傷退場したQB選手は膝軟骨損傷、腰の打撲で全治3週間と診断されたが、その後、左足のしびれも出てきたため、今後、精密検査を受ける予定"だそうです。
許されるべきものではないですね。
追記 5/13: この件は、もしかすると、どれほど悪質な反則だったか試合中にちゃんと把握していた人がいなかったんじゃないか?関学の鳥内監督が後からビデオ見て問題の深刻さに気づいたということは、日大の内田監督も試合中は把握できていなかった可能性もある。
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