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今更だけど「天気の子」について語りたい

新海誠監督作品「天気の子」。この夏(一部劇場ではまだやってる?)かなり話題になった映画の1つ。「君の名は。」を観た人はきっと期待していただろうし、前作は知らないけど今回は観てみよ〜という人もいたかもしれない。例に漏れず私も観た(2回も)。

感想をざっくり述べると、とてもよかったし刺さった。先に観た仲のいい友人の1人が「きっとあなたは天気の子好きだと思う」みたいなことを言ってくれて、私をよく知るこの人がそう言うんだったら…話題の映画だし…と思ってまだ観てない人を探して一緒に観に行くことにしたのだ。トータル、「君の名は。」より好きだった。何シーンか、かなり心にくるところがあった。

===※ここからはネタバレも含みます※===

よかったその1|好きなことで生きていく陽菜と穂高

最近の世の中って、YouTuberとかフリーで働く人の活躍ぶりからして「好きなことで生きていく」になりたい人が多いと思うし、現に私もそう思う1人だ。社会に出たらやりたいことも見つけられるけど、単にやりたくないことや気が進まないこと、理不尽で納得できないことなどももちろんあって 自分が本当にやりたいことってなんだっけ?私の価値ってなんだろう?みたいな気持ちになることが、少なくとも私にはある。

主人公の陽菜の、晴れさせる能力を活かしたサービスでお金を稼げてなおかつ人々に感謝されながら生きていく姿は素直に羨ましいし、今の時代っぽい設定で共感できた。どんな一般人でもひとつのツイートや動画でバズって一躍有名になれる時代に、自分の得意なことが誰かに求められるってすごく尊い。

その2|やっぱりRADWIMPSは最高

前作からそうだけど、この映画丸々この曲のMVであるかのように世界観がマッチ。観ている人の感情がピークに溢れるであろう点で流れるように自然に音楽が始まってすっと心に入っていく体験は、そうそうできるものではなさそう。観終わって音楽を聴き直すのはもちろんのこと、帰り道で曲からまた映画に想いを馳せる。2時間超えのMVを見ていたと言ってもいいくらい。

映画が先にあって曲があるのか、曲に合わせて映画ができたのか、どっちでもありどっちでもないようなそんな感じ。どっかの朝のニュースで新海監督が「この曲をもう一小節聴かせたくてシーンを描き足した」みたいなことを言っていたので、曲と映画は対等な関係にあって必ずしもバックミュージックという姿勢ではない雰囲気が好きだった。 

その3|好きな人を救ったら代償がある

これは好き嫌いが分かれそうな観点。穂高は最終的に陽菜を空から連れ戻す。それが世界の調和を崩す選択だとわかっていながら、陽菜への想いを優先させて行動する。結果、東京は水没?してしまい、雨は降り止まない世界になったというラスト。これが何とも言えないくらい好きだった。「連れ戻してもう一度2人は会えてハッピーエンド♡」みたいなのだったら、ん〜、、、となっていたと思う(笑)。

選択には代償があって、そうとわかっていても手にしたい何かがある。だから何としても手に入れる。それで世界がどうなろうと、ちゃんと引き受ける。全部が全部ハッピーに終わらないのが現実なのだ。やりたいようにやってる人だってどこかでその代償を引き受けながら、それでもその選択をしている。誰かにとっては正しい選択も他の誰かにとっては間違いであったりもする。ずーっと考えていたい話題だ。

がむしゃらに屋上に走って行った穂高を見てしまって、今ひとつ前に進めない私はすごく後ろめたくなったのだった。世界の形を変えてしまっても守りたいものがあるって素敵すぎるよ。

この点に関してはカツセさんのnoteに鬼共感だったので、ぜひ。


全体として

実を言うと「君の名は。」は、あまり好きではなかった。音楽も映像も良かったけど今ひとつ感情移入できなくて、最後に再会できちゃうんかい…って冷めてしまったのを覚えている。一緒に観た友人はえらく感動していたので、さして心の動かなかった私は感情のない冷徹人間みたいなレッテル貼られたなぁ(笑)  なので今回もあまり期待はしてなかったんだけど、結果大号泣。いいものをつくってくれてありがとうという気持ち。



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