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コミック会話を取り入れたコミュニケーション

知的、発達障害の方が苦手としていることの一つに、他者の気持ちを考える(周りの空気を読む)、というものがあります。

彼(彼女)と関わっていて、なんでそんなことをしたんだろう?、そんなことしたら相手が嫌がるだろう?、という場面をよく目にします。そして、そのことに対して、言葉で、注意や助言をしている職員もよく目にします。

しかし、その殆どが相手に伝わっていないのです・・・。

伝わらいことに関しては、いろんな要因が絡み合っていると思います。

障害特性として、言葉による会話の理解が難しい、ということがあると思います。
迷惑行動によって周囲の人が関わってくれた、という成功体験もあると思います。
文頭に書いたように、空気を読むことが苦手、ということも大きく関わっていると思います。

他者や周囲がどのように感じているのか、を言葉で伝えようとしても難しいし、そもそも言葉の理解が難しければ、頑張って伝えようとしても徒労に終わるだけです・・・。

そこで使ってもらいたいのが、コミック会話です。

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コミック会話の例です。

私とBさんが、ご飯とパンのどっちが好きか、ということを話している場面です。

まず、コミック会話を行う前には、コミック会話内でのルールを相手に説明しておきます。

今回の例では、

声に出た発言は”実線の吹き出し”

自分や相手が思ったこと(声に出ていないこと)は”点線の吹き出し”

矢印は”誰が誰に向かって行動したか”

これらが事前にきちんと共有できていないと、コミック会話を行ってもそのとらえ方が自分と相手で統一出来てなくて、伝えたい内容が伝わらない、といことが起こってきます。

沢山の内容をコミック会話で伝えようとすると、文字も多くなるし読みにくくなります。言葉や思ったことは出来るだけシンプルにしたほうが、相手に伝わりやすいように感じています。

コミック会話を行うときは、伝えたい内容を描いたものを先ず相手に見てもらい、その後それぞれのコマの説明をするようにしています。説明は言葉と文字を使っています。説明した後で、それをまとめたものをそれぞれのコマに書き加えています。


コミック会話を続けることで、空気が読めるようになっていく、とは思っていません。ただ、こういう場面のときはこういう風に行動したほうがいい、と考えることが出来るようになれたら、彼(彼女)の生活が少し楽になるのではないか、と思っています。

知的、発達障害の方は物事を汎化することが難しい傾向があるので、コミック会話で得た内容と似た出来事が生活で起こっても、対処しきれないことが多々起こってくると思います。ただ、同じ内容の出来事をコミック会話を用いて振り返ることで、徐々に汎化出来ていくのではないか、とも思っています。


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