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分かる人には分かる#9 なぜ鹿島アントラーズは柳沢、小笠原、相馬、中田ら”レジェンドOB”をスタッフに集結させたのか?

私世代のサポーターにとっては、とてもホットなニュースです。

鹿島アントラーズの新シーズン2021年の新体制が発表されました。

2021年はクラブ創設30周年となる節目の年です。クラブ・サポーターともに久々の優勝を見たいものです。

2018年にアジアチャンピオンズリーグ(ACL)で悲願の初優勝を勝ち取りましたが、国内タイトルは2016年シーズンのリーグ・天皇杯で優勝して以来遠ざかっています。

新シーズンは、基本継続路線です。ザーゴ監督は続投となり、補強については、新人以外は外人2人のみ。最大の懸念事項であったエヴェラウドの残留を成功させたことが一番の成功と言えますね。

前年をベースとして、ピンポイントに外人選手を補強しています。アルトゥール・カイキとディエゴ・ピトゥカの2名で、ともにジーココネクションによるもので、前者はクルゼイロが前所属、後者はサントスからの移籍となりますが、このピトゥカがエグイ!現在所属しているサントスは、コパ・リベルタドーレスで決勝戦を控えています。そんなチームで多くの試合に出場している主軸です。南米クラブチャンピオンになりそうなクラブのバリバリの主軸ですからね。破談になりながらもなんとか獲得に至りました。レオシルバの後継と目されていますが、柴崎岳が海外移籍してから、ラストパスを出せるボランチが空位となっていましたので、まさにラストピースがハマった形になります。期待せずにはいられません。

さて、ここまでは選手について書きましたが、いよいよこの記事の本題の部分です。

2021シーズンの新体制事業発表会見にて柳沢敦ユース監督、當間建文ユースコーチ、佐藤昭大ジュニアユースGKコーチの就任が発表され、昨季にて引退した曽ヶ端準はアシスタントGKコーチに就任したことが発表されました。

そして、熊谷浩二コーチ、相馬直樹コーチ、佐藤洋平GKコーチ、中田浩二CRO、小笠原満男TAと、全員がOBとなります。

OBをトップチームの監督にするということももちろん素晴らしいことですが、監督の場合は成績不振などで解任されると、決して良いとは言えない形でクラブから離れることになるため、コーチ陣にOBで固めていくことに、ものすごくクラブのOBに対する愛情が感じられます。駒として見ているのではなく、永くクラブにいてもらえるポストですからね。しかも、育成年代の指導者ですから、チームの伝統や哲学を若年時からしっかりと吸収させることができますので、クラブにとっても利点しかありません。

かつて現役時代に鹿島にて活躍したメンバーが集結するこのクラブの方針はどのようなものかという問いに対して、ジーコのコメントを引用していますね。

「哲学をクラブとして確立し、継続して取り組んできたからこそ、ここまでの実績を残せるクラブになった。これからも哲学を変えてはいけない。」


まさにジーコスピリットですね。

貢献してきた選手が引退して、"哲学"を育成年代に還元することとなります。これほど素晴らしいことがあるのでしょうか。他のクラブには哲学があるのかどうかは分かりません。

そして現役時代に十分な実績を残したOBが数多くいるクラブも他には無いでしょう。鹿島アントラーズだからこそ可能となった"哲学"の継承なのですね。

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