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ジンバルを窓から投げ捨てた話

今はジンバルというめちゃくちゃ便利な機材が次から次へと登場しておりますが、元々ステディカムマーリンというテコの原理を生かしたスタビライザーを練習に練習を重ね個人的に極めたなと思ってたくらい使い倒しながら自由自在なカメラワークを追求していました。一眼カメラを使用して動き回るカメラワークは当時はかなり珍しくすごいすごいと言われてドヤ顔でした。

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そしてroninというめちゃくちゃ簡単にステディカムのような滑らかな映像が撮れる機材が登場し同じように使い倒しておりました。

自由自在なカメラワークを武器にしながらドヤ顔で撮影していたのですが、ある日俳優時代からお世話になっている監督の方からメッセージが来ました。

“ステディカムのような自由自在なカメラワークもいいけど、ジンバルを使うのを封印しなさい”
ええ?となりながら
なにがダメなのかわからず、どういう事なのかを聞きました。
“最近のJUNPEI君の映像はそればかりになっている。数年後にはジンバルは誰もが使うおもちゃになってるよ。これからジンバルに頼りすぎるとどんどんチープな映像になっていくから、おもちゃを使わずに画を作り、JUNPEI君にしか撮れない画を切り取りなさい”
正直な所そのメッセージに衝撃とショックを受けました。
自分の武器を封印、、、??
僕は監督に言いました。
どうやって画を切り取ればいいかわからないです。と
監督は”写真は勉強になるよ”とアドバイスをくれました。
僕はアドバイスの通りジンバルを封印して
写真を撮り漁る日々をやりました。
写真を撮っては監督に送りフィードバックをもらう日々を繰り返してました。
実際の所、写真撮影は好きじゃなかったのですがとにかく撮りまくってました。

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監督のアドバイス通り写真を始めてから、映像でもフィックスの画や自由自在なカメラワークをしない画作りの面白さにハマりました。
カメラワークよりも写真ならではの自然光やライトを使った光と影を大事に撮るようになりました。
そしてある日気づいたのですが明らかに前よりも撮る映像がいい方向に変わったのです!
どう説明したらいいのかわかりませんが
一枚一枚の映像が良くなったんです!


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めちゃくちゃ色々な事を省きますが
監督が教えてくれた事の意味が今は少しだけわかるようになりました。
もしシネマトグラファーを目指している方で伸び悩んでる方は、武器をあえて封印して捨てる事も大事なのかなと思います。

とはいえ仕事での撮影ではステディカムやジンバルは作品によってはかなり必要なので、窓から投げ捨てずに大事に持っておいてください笑

ちなみに僕はいまだにジンバルのオペレートーは封印継続中です。
信頼できる若手のカメラマンに任しております。

最後に
僕はステディカムもジンバルも大好きです。
否定したいわけではないのです。
むしろ超肯定!!
ただ自分になにかしらの試練を与えてもっと成長していきたいと思い封印継続中でっす。
そして監督からは新たな試練のメッセージが定期的に今も来ます笑
おじさんになっても素直に生きるのが特技かもしれません。
プライドなんて窓から投げ捨てましょう!

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