永すぎた僕のセゾン

電車の乗り降りで、ソワソワと急かないことにより最低限の色気を保っている。実にしょうもないことである。けれど、私にとってこのようなことがなによりも大切で、尊いことなのだ。常にちょっとだけ「恥ずかしいな」と思いながら暮らしている。いつなんどきも、うっすらと恥ずかしい。自意識過剰のあまり、自意識過剰であることをひた隠しにしている。

長い春休みが終わった。永遠かと思った。4月に入った辺りからだんだん鬱々としてきて、何をしていてもなんだか苦しくて落ち着かなくて、イライラしていた。普段から神経質な人は大変だ。

もうハタチなのに、思春期が終わらなくて困っている。

休み明けの授業は眠い講義で、超・やってられんということで、勝ち確のデート行くみたいなヒラヒラの服装で臨んだ。殺すぞと思いながらクローゼットを睨んで、友達もいないし、一言も発さずに家に帰ろうと思った。

強い気持ちだった。しかし、車窓にうつった自分を見ると全然似合っていない。デートというよりは、一昔前の貧乏芸大生みたいな感じだった。帰りたい。まあ知らん奴にどう思われても別にいいか。ていうか、誰もどうも思わんわ。結局ドナドナと電車に揺られて、出席した。

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