見出し画像

トップをねらえ!

🔴トップをねらえ!

『トップをねらえ!』(Aim for the Top! GunBuster)は、1988年から1989年にかけて、ガイナックスにより全6話のOVAとして製作・販売されたロボットアニメである。キャッチフレーズは「炎の熱血友情ハードSF宇宙科学勇気根性努力セクシー無敵ロボットスペクタクル大河ロマン!!!!!」

💚スタッフ

◆原作:岡田斗司夫
◆監督:庵野秀明
◆脚本:岡田斗司夫(山賀博之)、庵野秀明
◆キャラクターデザイン:窪岡俊之、美樹本晴彦
◆メカニックデザイン:宮武一貴
◆音楽:田中公平
◆アニメーション制作:GAINAX
◆製作:バンダイ、ビクター音楽産業
◆発表期間:1988年10月7日 - 1989年7月7日
◆話数:全6話

💚概要

庵野秀明初監督作品。本作品は『王立宇宙軍 オネアミスの翼』だけを制作して解散するはずのガイナックスが興行不振により生まれた借金を返済するために制作された。

地味な作風でアニメファンへ受けが悪かった前作の反省を踏まえ、本作ではキャラクター原案に当時『超時空要塞マクロス』などの美少女キャラクターで人気のあった美樹本晴彦を起用、そのタイトルに見られるようにアニメ『エースをねらえ!』や映画『トップガン』を始めとする往年の作品のパロディ的な構成とし、昭和時代のアニメ・特撮作品に対するオマージュを盛り込むなど明るくとっつきやすい作風となった。

ストーリーはパロディを中心に始まりつつも、次第にシリアスな内容になっていく。ジョー・ホールドマンのSF小説『終りなき戦い』から着想を得て「ウラシマ効果」を積極的にストーリーに取り入れるなど、根底には重厚なSF描写や細かい科学設定がある。最終回の第6話はほぼ白黒で、作品題名とラストシーンにごくわずかな着色があるのみ。ラストは企画段階ですでに構想されており、庵野と岡田は「これならいける」という確信があったという。

企画立案の際、岡田のコンセプトは「作り手がやりたいSF・女の子・メカをそのまま出すのではなく、1万本売れる様に、1万円払った人が満足できるビデオを作る」を提示し、そこに庵野は「もし岡本喜八がアニメーションを監督したらどうなるか?」というテーマを持ち込んだ。そこから「しゃべる人間の顔を必ず映す」「キャラクターがあまり動かずに、切り返しを多くする」「ロケとセットもきっちり分けて、セットは今あるものの中に小道具スタッフが作ったものがポンとあるだけ」という表現を多用した。それはセル画の枚数をかけずに面白く見せるために開発した手法でもあった。

家庭用ビデオデッキの普及を背景に「バブル育ち」と形容されるようなOVA作品が数多く作られた1980年代にあって、映像やドラマ性を重視した本作は「OVAの金字塔」とも形容された。発売当時の宣伝などでは主人公「タカヤ・ノリコ」とその声優である「日髙のり子」、主題歌『アクティブ・ハート』を歌っているアイドル歌手「酒井法子」のトリプルノリコを売りにしていた。

まず、岡田斗司夫が企画を立ち上げてプロットを書き、それを元に山賀博之が脚本を書き上げた。岡田斗司夫名義にした理由について山賀は「小さい下請け仕事を、山賀の次回作という形で世間に出すわけにはいかない」「脚本をまとめた僕としては、“脚本:岡田斗司夫”というクレジットは匿名脚本家としての共同ペンネームのつもりでした」 と語っており、共同ペンネームとして当時ガイナックスの代表だった岡田斗司夫の名前が使われた。4話以降は半分以上が庵野によって書き直された。

💚ストーリー

人類が宇宙に進出するようになった21世紀初頭、人類は「宇宙怪獣」と通称される正体不明の宇宙生物群 (STMC) の脅威にさらされていた。その脅威に打ち勝つため、地球はマシーン兵器の最強型決戦兵器であるバスターマシン「ガンバスター」の建造を進めていた。

宇宙怪獣との遭遇で消息不明となった艦隊の艦長「タカヤ・ユウゾウ」の娘「タカヤ・ノリコ」は、宇宙パイロット養成学校「沖縄女子宇宙高等学校」に通い、父を探しにゆくことを夢見て宇宙パイロットを目指していた。しかし、ノリコはずば抜けた体力だけが唯一の取り柄でマシーン兵器の操縦はからっきしな劣等生だった。彼女の特別な才能を見出したコーチこと「オオタ・コウイチロウ」による厳しい特訓や、同級生による嫉妬やいじめ、憧れの「お姉様」である「アマノ・カズミ」との交流といった経験を経て、自信の持てない落ちこぼれであったノリコは努力や根性によってその才能を開花させていく。そして学校の卒業を待たずしてパイロット候補生となり、戦場である宇宙へと旅立つことになる。

ライバルとなる「ユング・フロイト」との出会いや、ウラシマ効果で遭難直後の姿のまま漂流していた父の乗艦との遭遇といった出来事を挟みつつも、物語は宇宙怪獣との戦いへと移っていく。ノリコの未熟さを懸念したカズミからコンビ解消を言い渡されたショックを引きずっていたノリコは、ひょんなことから親しくなった男性パイロット「スミス・トーレン」と心を通わせ新たにパートナー同士となるが、スミスは「リーフ64会戦」の戦闘で帰らぬ人となる。

初めての戦闘で何もできないままスミスを失った失意とトラウマで戦えなくなったノリコをよそに、宇宙怪獣に太陽系への侵入を許したことにより始まった「火星沖会戦」の戦況は絶望的なものとなっていく。共に戦うカズミやユングも追い詰められていくが、辛うじて迷いを振り切ったノリコは未完成の状態にあった人類側の切り札「ガンバスター」に搭乗して出撃、死闘の末に不利な戦況を覆し宇宙怪獣に一矢報いることに成功する。

ノリコとカズミは人類の未来を担うガンバスターの正式なパイロットとして「太陽系絶対防衛戦」など二人一組での戦いを続けていく。ウラシマ効果でずれていく地球との時間差を織り込みつつ、宇宙で戦うカズミと宇宙放射線病に冒されたコーチとの恋愛模様や苦悩も描かれる。

やがて宇宙怪獣の殲滅を決意した人類は、宇宙怪獣の本拠地である銀河系の中心「いて座A*」をブラックホール爆弾「バスターマシン3号」を用いて丸ごと消滅させる「カルネアデス計画」を実行する。太陽系絶対防衛戦後にコーチと結ばれ、沖女のコーチとなっていたカズミも15年のブランクを経て最終決戦に志願し、バスターマシン3号と共に遅れて出立。カズミは先行していたエルトリウム内でノリコと久方ぶりの再会を果たし、共に最後の任務に臨む....

(中略)

地球人類の存亡を賭けた最終決戦において勝利したが、超重力の影響により地球では既に12,000年もの膨大な月日が流れ去っていた。明かりのない地球を目の当たりにした二人は人類の存続を半ば絶望視するが、まもなく地球の表面には帰還した英雄を歓迎するためのメッセージ「オカエリナサイ」が映し出された。二人は歓喜の涙と共に大きく損壊したガンバスターに別れを告げ、地球へと降下した。

💚主題歌

◆主題歌

「アクティブ・ハート」

歌 - 酒井法子
作詞 - 森浩美
作曲 - 西木栄二
編曲 - 船山基紀

◆エンディングテーマ

「トライ Again...!」

歌 - 酒井法子
作詞 - 小倉めぐみ
作曲 - 西木栄二
編曲 - 船山基紀

◆挿入歌

「トップをねらえ! 〜Fly High〜」

歌 - 日髙のり子・佐久間レイ
作詞 - 松宮恭子
作曲・編曲 - 田中公平

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?