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不妊治療のこと。気持ちの整理のこと。

前回の陰性の結果を受けた時、その日の担当の女医さんから言われたのは、「で、どうしましょう?」だった。いや、妊娠判定陰性で、ダメになってかなり凹んでる人を前に、ずいぶんと冷たいなと思ったが、初めて会った先生だし仕方がない…。お医者さんはものすごい人数(100人以上の人数、いや、もっとか?)を、その日の数人の担当医でまわしているので、とにかく忙しいのだ。

そもそもの話をすると、私はその病院で定まった先生に診療してもらっていない。その日の担当もしくは空いてる先生なら誰でもいい、という診療を選択している。その病院は自分で受診の仕方を選べるようになっていて、もし気に入った先生がいたら、その先生のいる日をセレクトしたりできるシステムになっているのだ。私は年齢もあるし、迅速に妊活を進めたかったので、先生誰でもいいからはやく診察してくれるシステム、を選んでいる。そんな病院なので診察までの流れも、とてもスムーズである。入り口でチェックインすると、後はメールでご連絡。採血室への案内や、内診室、診察室、精算まで。ポコポコとはいってくる携帯のメール通知を見落とさないように気をつける。

「どうします?」もう一度先生が聞いてきた。私はまだ陰性という結果を受け入れられず、「えっ、まだ生理も来てないんですが」と言ったら、「もうすぐ来ると思います。今週末くらいかな。」とカレンダーを指差しながら答えた。「もう一度やります。」と私が言った。「じゃ、また生理が来たら3日目に予約してください。」と先生は答えた。

病院からは寄り道せず、さっさと帰ってきた。歩いているうちに、なんだか悩んでいるのが馬鹿馬鹿しい気持ちになってきた。さっきは突風のように起こる出来事に、私は置いてかれようといていた。でも、と頭を切り替える。淡々と、毎日の小さなタスクをこなしてこその前進だ。そこで悩んだところで「じゃあ止めますか?」という選択肢はなく、自分の腹では続ける意思の塊がどっかりと腰を下ろしている。「明るい未来を信じて頑張る」それが一番しんどいのだけど。

そして、広尾のバーに行ってギネスを飲んだ。久しぶりのアルコール。こんな日ぐらいはいいか、と思う。


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