見出し画像

2019/11/1 LAMP IN TERREN ワンマンツアー「Blood」@CLUB251

初めてのCLUB251。地下だったので圏外になり、開演前のTwitterはできなかった。周りに知っている人もおらず、ツイ廃にはつらい時間。
開演まであと4分なので、脳内で"ほむらの果て"を再生させて待った。会場BGMも照明もそのままだったので、メンバーがしれっとステージに入ってきていたのには下手側からの拍手で気がついた。

初日の1曲目は、ツアーで鳴らす一番初めの音。何の曲から始まるんだろうと思いながらも、予感はあった。この日の0時に配信リリースされたばかりの"ほむらの果て"、最新のテレンを見せつけるこの曲で、ワンマンツアー「Blood」は幕を開けた。

まあ序盤から歌詞を飛ばすわ飛ばすわで、2,3曲目で真ちゃんに「緊張してない?」と苦笑いされて、「……ハハッ(棒)」って誤魔化す大さん。
人間らしくて血が通ってて、歌詞飛ばしちゃうとかそういうライブも、私は結構好きだけど。

ここで白状するけれど、今回は曲順が全然思い出せなくて自信がないので、流れというよりは印象に残った部分を搔い摘んだり、MCとかこの日のライブで私自身が感じたこととかを中心に残したりしておきたいと思う。

"at (liberty)"前の繋ぎで健仁さんが前に出てベース弾いてたのがめちゃめちゃかっこよかった。それ最前で聴いてる人いいな〜って羨ましかった。そう何度も聴けるものじゃないし、同じのは2度とやらないかもしれないから。彼のベースさばきを最前で目に焼き付けるのが、私の夢である。もちろんワンマン尺で。
"I aroused"の最後の音をキーボードでポーン、ポーンと鳴らし続けて"花と詩人"に入る流れ、新鮮でとてもよかった。"I aroused"の次は"New Clothes"っていう定型を崩して、観客の意表を突いてくる感じが好き。テレンらしいな、とも思った。

新曲1は、2分40秒の10分くらいで歌詞書いた曲らしい。「初めて演る時は緊張する」って笑う正直な大さんが愛おしい。フロント陣がこちらに背を向けたので、"緑閃光"や"BABY STEP"のような曲が過ったけれど、全然違う方向からガツンとぶん殴られる衝撃。今までのテレンには無い感じの曲で、どんどん新しくなっていくテレンはめちゃめちゃかっこいいしワクワクする。

"New Clothes"のラスサビ前で大さんに「いこう、いこう」って煽られてテンション上がった。昂る気持ちを抑えきれなかった感じが良い。ライブで聴くこの曲が私は本当に大好きで、拳を掲げずにはいられない。
"ホワイトライクミー"の前に、大さんが「まだいける?」って感じで様子を窺うように2回くらい尋ねてきたのがとてもキュートでした。まだまだいけるし、この時間に終わりが来なけりゃいいのにって思った。

キーボードの前に座って「このCLUB251は…」とエモい感じで話し始める大さん。しかしなんだか様子がおかしい、他メンバーたちの。

大さん「えっ俺が間違えてる?」
大喜さん「いや、次ピアノ曲やったっけ?と思って」
健仁さん「俺だけセトリ違ってんのかと思った」

苦笑しながらスタンドマイク前に戻り、始まったのは"オーバーフロー"。忘れ去られなくてよかった。この曲は私を自由にしてくれるので好き。ライブハウスの中の誰にも負けない声で歌いたい、叫びたい。

キーボードの前に座り直し、「このCLUB251は…」と仕切り直す大さん。会場から少しの笑い。この後のMCはニュアンスだし順不同です。

「このCLUB251は昔からライブをやってきた場所で、最後にワンマンでやったのはin "fantasia"の初日?2年前かな?」
(真ちゃん「GREEN CARAVANの初日だから3年前じゃない?」)
「in "fantasia"じゃなくてGREEN CARAVANか。その後は企画に呼ばれたり〜って感じだったと思う。そうだよね?最初の頃はお客さんも、そこの眼鏡の人手挙げて。そのくらいまでしかいなくて…もう少しいたかな、そこのおっさんくらいまではいたかも」
(健仁さん「おっさんって…(笑)」)
「愛を込めておっさんって呼んでるから!だから満員の251は慣れなくて緊張した。251は弱さの象徴みたいなものなのかもしれない」
「昔はお客さんと対面で歌っていることにずっと違和感があった。隣に立って同じ方向を向きたいのに、なんで高いところから向かい合って歌ってるんだろうって。そういうことを歌った曲が"L-R"。今、最初の頃と同じことを思って曲を作ってるから、たくさん変わってきたけど根本はずっと変わってないんだと思う」
「"ほむらの果て"は、全部燃やし尽くしてやるって思って書いた曲だったから、公開するのが不安だった。でも公開してみたら『良い』って言ってもらえてよかった。今回は良いっていっぱい言ってもらえたけど、良くない時は良くないってはっきり言ってほしい。でも良い時はすっごい褒めてほしい」
「1ヶ月が30日あったら29日は曲が書けなくて、生きてる意味あるのかな?って思う。生きててよかったと思える日なんて1日くらいしかない」

この日のMCは、大さんの弱さを曝け出すようなお話だった。「すっごい褒めてほしい」と言った大さんは、愛に飢えた子どもみたいだった。メンバーの方を振り向いて「やろう」と演奏された新曲は、ピアノから始まる、冴え渡るように凛とした曲。
この日のMCと同じような話を、ツアー前のツイキャスで大さんがしていたことを、私は思い出していた。コメントで届いた「曲が完成した時はどんな気持ちですか?」という質問に、「完成したら、今度はみんなに受け取ってもらえるのかなっていう不安でいっぱいになる。安心できることはない」と答えていた。大さんは真っ直ぐでかっこよくて、時としてヒーローのように見える。けれども同時に、脆くて繊細で、強い人だけど強い人ではなくて。どうしたらもっともっと愛されている実感を与えてあげられるんだろう、なんて烏滸がましいことを考えていた。

アンコールの声と手拍子が鳴り止まないステージに、再び姿を現したメンバー。「今日は全然跳んでないから体力有り余ってんじゃない?」と、アンコール1曲目は"地球儀"。
散々跳んだ後のMC中に、私の足が攣りそうになるのはいつものことだ。

"地球儀"でフロアに降りた時にみんなが詰め寄ってくるから…って話は、割愛しておこう。健仁さんが「やめろお前」って止めたけど、ペロッと言っちゃうあたりが大さんらしいかもね。ほむらのベースの「デデデデデ⤵︎」で話のオチをつけてくれる健仁さんに「バンドっていいな!」って無邪気に笑う大さん。
「"ほむらの果て"は攻撃的な曲だから『大さんに嫌われたわ〜』って思った人もいるかもしれないけど、あの曲こそみんなに共感してほしくて書いた曲だから!」「…俺なんで新曲の話してんだろ?(笑)」
「俺たちのYouTubeアカウントには非公開の昔のライブ映像とか残ってて、そういうのをたまに観る。いろんなところで過去のインタビュー記事が残ってて、ありがたいなあと思いながら読み返したりする。最初は『世の中に対する葛藤を歌ってる』みたいなこと言われたりしてた。『ラブソングが全然無いよね』って言われて、それからはラブソングも少しずつ書くようになったかな」
……私の記憶はここで途絶えました。中途半端なとこまでしか思い出せなくてごめん。
昔話をしたから、あの曲が来るかもしれない、と思った。そしてそれは的中する。

「この手が眼に映った時」といきなり飛び込んだ歌い出しに、反射のように自分の拳が上がる。
原点回帰のような夜だったから、この曲が聴きたかった、"L-R"。私が初めて能動的に聴いたテレンが『silver lining』だったから、"L-R"を聴くといつも最初の気持ちが蘇る。テレンのはじまりとも言えるような曲が、私とテレンのはじまりの曲になっているのは、奇跡じみててなんだか嬉しい。

アンコール2曲を終えて、メンバーがステージから捌けていく中、1人ステージに残った大さんが「うーん……🤔」と唸っている。

「弾き語りでもう1曲新曲やっていい?」

「もうレコーディングまで終わってる曲。でも合わせてないから今日はやらないってライブ前に話し合って決めたんだけど、やりたくなっちゃった(笑)」
捌けていったメンバーに「ごめん!」と笑ってギターを手に取る。

「この曲はもうタイトルも決まってる。
"いつものこと"」

歌詞を聴きながら、これは大さん自身を歌った曲なのかなあと想像した。やはり「愛されたい」と歌う大さんに、「この人のことを大事にしたい」という気持ちで胸がいっぱいになって、私は今にも泣きそうだった。私なんかが「護りたい」と言えるほど、彼は弱くはないけれど、この人のことを私は心から大切にしたい、と思った。
大さんが2番に入ろうとした時、3人がステージに戻ってきて、それぞれ楽器を手に取った。「お前にだけカッコつけさせねえぞ」って態度で表しているように見えて、ドラマのワンシーンみたいで本当にかっこよかった。驚いた顔でキョトンとしている大さん。私は泣いてしまった。「こんな最高のメンバーがいるなら、大さんは大丈夫だ」って思った。私の愛が大さんまで届かなくても、大さんが苦しんでいる時に私がただただ無力でも、3人が居てくれれば大さんは大丈夫だと確信できた。
「え?じゃあ最初からやる?え?2番からでいい?」ってもたもたしてイマイチ締まり切らないところもまた、テレンらしいのだ。

テレンのライブは毎回何が起こるかわからなくて、まさにライブって感じがする。だから何度でも行きたいし、本当はどれ一つとして見逃したくない。
ツアー初日のCLUB251には、この日にしか目撃できないドラマがあった。次に行ける渋谷Star loungeが待ち遠しい、なんて思っていたけれど、何日もかけてだらだらレポを書いていたら、もう目前に迫っている。
定期公演で通い慣れたあの場所で、今度は一体どんなドラマが生まれるのだろうか。

ここからは追記。この日のセトリ覚えてなかったけど、みんなで摺り合わせしたのと、『Maison Diary』のライブ音源の曲順から割り出した結果、多分下記のものが合っていると思う。
ライブで聴く"send me"大好きだから最高だったな〜

1. ほむらの果て
2. send me
3. heartbeat
4. at (liberty)
5. I aroused
6. 花と詩人
7. Water Lily
8. 新曲1
9. innocence
10. BABY STEP
11. New Clothes
12. 凡人ダグ
13. ホワイトライクミー
14. オーバーフロー
15. 新曲2
en1. 地球儀
en2. L-R
en3. 新曲3「いつものこと」