見出し画像

2019/1/26 LAMP IN TERREN 「SEARCH#010」

既にお馴染みになりつつある毎月26日、渋谷Star loungeでのLAMP IN TERRENの定期公演。
今回のSEARCHは"BLUESYARD"〜landing prove tour 2015〜の復刻セトリ。私が知らない頃のテレン。

なんやかんやあって初めてバーカウンターの近くから観ることに。開演待ちの会場内BGM、シャウトしまくってる感じのいつもと違う雰囲気の選曲に「珍しいチョイスだなあ」なんて思っていたら、照明が消えていつも通りのSE。

1曲目はL-Rから。L-R始まりは個人的にとてもしっくりくる。テレンのCDの中で初めて通しで聴いたのがsilver liningだったので、"1曲目!"っていう印象がとても強い曲。
林檎の理では終始小さく跳んでた。この曲は地球儀の次に跳べる曲だと思ってる。2曲目にして脚にきた。多分この曲のどこかの歌詞を「お前ら」に変えてオラオラな大さんがかっこよかったのですが、どこを変えていたか曖昧なので明記するのは避けます。
その後ボイドまで立て続けに演奏が続く。曲間の転調とか繋ぎ方まで凝ってて、昔から曲の繋ぎに拘ってやってたのかなあとか想像していた。こういうところに見える音楽センスが本当にすごい。曲と曲の間が途切れなくて、だんだん「この曲かな?」って察しがついてきてそれが確信に変わる瞬間とか、全然予測もつかなくて次の曲がわかった瞬間に鳥肌が立つ瞬間とかが好き。テレンのライブの醍醐味の一つ。

ボイドが終わってMCへ。MCの途中で唐突に「残念なお知らせがあります」と大さんが言って、会場内が若干騒つく。「どこにも音源化されてない曲があって……"時の旅人"って言うんですけど」「やろうと思って前日までずっと練習してたんですけど…中途半端なものをお届けするのはどうかと思って」\え〜〜!/「代わりにまだライブでちゃんとやったことない曲やるのでそれで許してもらえますか(苦笑)」「え〜〜!って言っていいよ段取り決めてあるから」\え〜〜!/「あーーもーーめんどくせーなあ!(頭ガシガシ)」
「どうぞ笑ってくださいな〜」って始まる凡人ダグ。すごく自由で気怠げでどこか気が抜けてしまうようで、バチバチにかっこいいダグさん。いつもより上手側で観ていたのでギターソロの真ちゃんがよく見えた。ロック。
Sleep Heroismの大サビ前、曲がピタッと止まった静寂で「…許してもらえましたか?」って苦笑混じりの大さん。「悪くないでしょ?」っていうのはかっこいい自覚のある人の発言だよ。ずるいねえ。

緑閃光の後にダラダラ話し始める大さん。「昔の曲やるとMCも昔みたいになるね。収拾がつかなくなる感じ(笑)」だがしかし、なかなか次の曲にいかないのには理由が。「次の曲やりたくないからなんですよね(笑)」「今の俺の気持ちとものすごーく遠いところにある曲」やりたくないと駄々をこねてはMCを続行しようとする大さんに「また大人に怒られんだから!早くやれって!」とお説教する健仁さん。「昨日パスタ作ったんですよ〜」という大さんの話を遮って始まるドラム。王様のひとり芝居。「結構覚えてるもんだな〜」なんて言ってたら直後に歌詞を飛ばして見事にフラグ回収する大さん。真ちゃんの方を向いてテヘペロ。

portraitとランデヴーという個人的にセット感の強い2曲の後に「そろそろ声出したいんじゃないですか渋谷!」とmultiverse。野音でのmultiverseを思い出してニコニコしてしまう。みんなで歌える曲が楽しい。

ワンダーランドの後で、大さんから"BLUESYARDについて"。"BLUESYARD"は"憂鬱の置き場所"という意味で、2015年に回った初ワンマンツアーのタイトル。当時から今のテレンに至るまで紆余曲折、いろんなことがあって、セトリは同じでも当時のままの彼らではない。それは進化でもあり変化でもある。それでも「この気持ちだけは、ずっと変わらない」という大さんの言葉から本編最後の曲、メイへ。
〈貴方が僕の証明  胸の内側にある〉
「…ここ。って、あの日も言ったね」とはにかみながら心臓のあたりをトントンする大さんは、YouTubeの動画で何度も観た2015年当時の大さんそのものだった。昔の曲は虚構を描いたものが多いって大さん本人もインタビューか何かで言っていた気がするけれど、メイは紛れもなく大さん自身を歌った曲だと思う。

アンコールに応えて再び登場したメンバーは、18曲を終えてお疲れのご様子。客席の手拍子も心なしか疲れていたような気がする。「アンコール明日じゃダメ?(苦笑)…ダメか」と健仁さんが言ったのを聞いて、明日もテレンに会えるならありかもしれないってちょっと思った。
「アンコールまでは復刻しませんよ?やりたい曲やらせろ!」で選ばれたのはNew Clothes。この曲を演らないライブがあったら、どうしても物足りなく感じてしまうと思う。ライブでも映える、めちゃくちゃ強い曲。

大さんに「何か話したいことある?」と振られて「じゃあ」と話し出す真ちゃん。「"BLUESYARD"に来た人は言わんとしていることがわかると思うんだけど、(2015年当時と比べて)ちょっとは成長したと思いませんか?」という問いかけに、うんうんと頷く一部観客。
大「アドリブでギターソロするようになったしね」
真「ああ…まあしくるけど」
喜「言わんでいいのに…笑」

緩んだ空気のままフロント陣がこちらに背中を向けたところで、次の曲がわかった。この日の最後の曲はBABY STEP。
〈幼い僕は 孤独を知っている
いつも貴方と比べてしまうから
それが 時にはとても暖かいから
いつも 尚更悔しくなった〉
初めて聴いた歌詞のアレンジ。ワンマンツアーMARCHのMCがふと脳裏をよぎる。
「けど俺は全部と闘います。今全てに勝てる自信があります。自分にも、周りの友達にも、皆さんにも勝って、もっと素晴らしいものを翳して、この世界で生きていこうと思ってます。皆さんと生きていこうと思ってます」
違う世界で暮らしていても、大さんと私たちは1対1、人対人で対等なんだな、大さんはそう思っているんだな、と思う。それが嬉しい。

今回のSEARCHは"BLUESYARD"〜landing prove tour 2015〜の復刻セトリ。私が知らない頃のテレン。出会う前までタイムスリップしたような、昔を知らないのに懐かしいような、不思議な夜だった。
復刻セトリ発案者は真ちゃんなんだって。真ちゃんありがとー!以下セットリストです。

1. L-R
2. 林檎の理
3. into the dark
4. クライベイベ
5. 雨中のきらめき
6. balloon
7. ボイド
8. 凡人ダグ
9. Sleep Heroism
10. reverie
11. イツカの日記
12. 緑閃光
13. 王様のひとり芝居
14. portrait
15. ランデヴー
16. multiverse
17. ワンダーランド
18. メイ
en1. New Clothes
en2. BABY STEP

(ゴールド・ルーズが聴きてえなあ。)