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私とBURNOUT SYNDROMESの、はじめてのZepp Tokyo。

2019年12月20日、Zepp Tokyoで大切な大切なライブがあった。私にとっても、彼らにとっても。
2019年3月23日、恵比寿LIQUIDROOMにおけるワンマンライブにて、このZepp Tokyo公演は発表された。残りの2019年を丸々使って、Zepp Tokyoに向かって一緒に走ろうと誓いを立てたあの日。
率先して物販に立ち、手売りチケットを必死に売っていた彼らの力になりたくて、私もいろんな人を連れて行こうと沢山チケットを購入した。自分の分も含めて計8枚。
購入したチケットは全て友人等の元へ引き取られていき、私にできることは全部やったつもりではあったが、ソールドアウトの報せを聞くことはできなかった。Zepp Tokyoという高い高い壁。


ライブ当日、開場時刻が訪れ、ぽよと連番で会場内へ。Zepp Tokyoは何度か足を運んだことのあるライブハウスだが、いざフロアに足を踏み入れるとその大きさに畏怖のようなものを感じ、足元から何かがせり上がってきて脳天まで駆け抜けるような思いがした。このライブハウスがこんなに特別に見えたことなどなかった。

いつものようにオープニングムービーから楽しませてくれるライブ。「いつものように」とは言っても、それは毎度毎度進化して想像の遥か上、いや斜め上を突いてくるのだけれど。
1曲目の想像は全くできていなかった。何の曲かわかった瞬間の、震えるような感動が忘れられない。
ステージに駆け込んでくる眩しい彼らを見て反射のように涙が溢れてしまうのは、LIQUIDROOMの日の私と全く同じだった。
最初から思いっきり手拍子しすぎて、1曲目にして手がジンジンと痛んだ。ステージまで届け、届け!と念じながら、本当に内出血くらいはするんじゃないかと思うくらい思いっきり手を叩いたし、肘から先が吹っ飛ぶんじゃないかと思うくらい空中を力一杯ぶん殴った。この日この瞬間に、私の全てを捧げるつもりでライブに臨んでいた。

新旧入り混じったセットリストは、15th Anniversary Tourに相応しいものだった。アルバムを引っ提げたいつものツアーとは違い、次に何の曲が来るのか予測できない。ずっとドキドキしていて心の準備なんてできたもんじゃない。

あっという間に本編が終わり、アンコール代わりの観客によるFLY HIGH!!の合唱に応えて、廣瀬さんがステージに姿を現した。ツアー恒例の物販紹介コーナーは彼の独壇場。

「いつになったら大きいところでワンマンライブできるのかなあとか、Zeppなんて夢のまた夢かもとか思ってたけど、遂にZepp Tokyoでワンマンライブできました!」

ライブ中はほとんどMCをしない彼の口から、Zepp Tokyoに対する想いを聴けたことが嬉しかった。自分がZepp Tokyoという舞台を特別視していただけに、お揃いの気持ちの再確認は私にとってすごく意味のある行為だった。彼らの夢は、私の夢なのだ。

アンコールの熊谷さんのMC。直前の大裕さんの言葉は忘れたけれど、それに答えて
「もちろん、楽しいことは多い方がいい。でもどうでしょうか。人生そんなに楽しいことばかりではない」
こんな感じの始まりだった気がする。
「今年は脱退や解散が多い年だったなと思います」
という言葉に、胃の辺りがキュッとなって、身体から血の気が引くような、嫌な感じがした。

「大きい会場でツアー回るような、僕からしたら上手くいっているように見えるアーティストが解散を発表したりして、何が不満なんやろうと思った。でも、不謹慎ながら僕はちょっとほっとしたんです。ああ、自分だけじゃないんやって。悩んだり不安を抱えたりしているのは自分だけじゃないんやってそう思ったんです」
「悩んで挫けそうになった時は、今日のことを思い出してください。貴方は独りじゃない。そのことを伝えたかった」
「貴方の頑張りが、貴方を貴方のZepp Tokyoに連れて行ってくれる」

「悩んでいるのはあなただけじゃないよ。1人じゃないよ」なんて台詞、ただ言われても綺麗事にしか聞こえない。けれども、熊谷さんの言葉は説得力を持って私の中に響いた。
自分だけじゃないんだ。私もそう思えたよ。

アンコールも終わり、メンバーがはけていく。どんなライブでも必ず一番最後にステージを後にする大裕さんが、ふと立ち止まった。

「今日は本当に楽しかったし、すごく良い日だったんだけど、でも2階席とかまだちょっと余裕がある。もっと頑張ります」

大裕さんがこう言ってくれて、私はすごく安心していた。この日、自分以外のみんなは「人が沢山で嬉しいね」って、「振り向いたらフロアが埋まってて感動した」って言っていた。私も嬉しかったけれど、でもソールドアウトしてないんだよな、という思いが頭の片隅にはずっとあった。悔しいのは私だけなのかな、こんな気持ちはみんなの祝福モードに水を差してしまうだろう、と思ったので、口には出さないようにした。
だから大裕さんも同じ気持ちだったんだってわかって、すごく嬉しかった。次は絶対ソールドアウトさせよう。


2019年12月20日、この日私は夢見ていた景色を観ることができた。でも、まだ成し遂げていない。これで終わりじゃない。

次は、私たちが本当に観たかった景色を、一緒に観に行こう。