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先制攻撃について Ⅲ

先制攻撃についてⅢ

「先制攻撃について」という続きもの文章で、前回『護道』という新しく確立された武道を紹介しました。
新しいと言っても術理は古武道のものなんですが、古武道がかなり穏健なものであっても相手をねじ伏せる、というニュアンスがあるのを、“相手を痛め付けるのではない”、というコンセプトののもと、練り直した武術で私は大変感動しました。
しかし、どうもこういう話しは単なる理想論に流れた感情的な話しなのではないか?と思われがちなのでちょっと技術的なところの解説をやってみようと思います。(ほとんど解るやつだけ解ればイイの感覚ですが)

まず「先制防御」というコンセプトですが、最初に相手の最大武器である両手を捕まえてしまいます。攻撃がとどく間合いに入る寸前に相手の反射を誘う動きを入れ相手を止め、動きを正中線斜めにずらしながら入り捕まえます。
捕まえる時の筋力の使い方も屈筋の力比べにならないよう古武道的な筋力使いをします。 こうすると頭は冷静なまま、まず第一の固めができます。(これだけで未経験者には何のことやらですかね?)
そうして、「相手との一体化」「不覚筋動の活用」と呼ばれている、イメージで相手の肩や重心の軸にある筋肉がビス留めされた、と想うと相手の筋肉は自覚する前に固まって力がほとんど入らなくなります。その状態をうまく誘導しながら後ろから両脇を捉えた型にまで持っていくのが第2の固めです。 (この辺になると何のこと言ってるのか解らない人、グッと増えますよね?)
その状態から腰骨の辺りを押して前にいったん重心を出して、後ろに引いて抱きかかえるよう固めるのが基本型です。
この“イメージすると自覚する前に筋肉が固まる”という事が経験してない人にとっては、「そんなうさんくさい、あるわけないだろ。」ですね。
多分、運動系のものは自覚した自分が鍛えるものだ、と考えている人にとって相手のイメージで自分の筋力が左右されるなどということは考えられないことなのでしょう。
でもあるんですw
そうして最後に自分の脳波(創始者はそう表現されます)を送って相手を沈静化させるそうです。

護道の中心コンセプトには“脳波が移る”がよく出てきます。
「合気」や「発勁」などと古武道では呼ばれていた動きは筋力的には“一部に偏らない全体力”とか“呼吸を合わすことでの相手の無力化”などと説明されてきましたが、護道の師匠さんはビジョントレーニングセンターという脳波測定器があるところで測定してもらったこともあって“脳波が相手に移る”という説明を採用されています。
(自分が気を送ると、生徒がこれまで出来なかった技を急にできる、という経験も含めて)
そして、別の介護センターで働く柔道有段者の方が「うちの患者の暴れ方はハンパじゃないので全く痛めないなんて無理です。」という言葉を受けて一週間介護をしてみたら、そもそも暴れるという行動が起こらなくて「おかしいな~。」と言われた経験もあるそうです。それもふまえて、「脳波は移る」をコンセプトの中心に据えられたそうです。
この辺はさらに、解る人にしか解らないので次回にゆずりますw。



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