ゴマヒチ祭!自曲「しゃままや」の裏話

ゴマヒチ祭開催おめでとうございます!
いつも素敵な企画頂ける酩酊堂さんには感謝しかないです…
初めに私はこんな曲を投稿したよって事で聴いてください。「しゃままや」です。


イラスト見た時から凄くインスピレーションが湧いてて、最初にイラストを見た時に脳内に浮かんだのは、朝鮮半島の民謡のアリランの歌詞でした。

本当に夜空の星空とか、冬の峠道に咲く花とか、凄い似てるなって思います。
後半の曲の部分では、メロディはこの曲のアレンジで、間奏では原作に敬意を払い、割とそのまま引用しました。

追記…アリランは、「私を捨てていくあなたは、十里も行けず足の病気にかかる」という、人に捨てられて置いてけぼりにされた恨みの歌です。以下たたりもっけはそこから連想。

また、たたりもっけという青森や岩手辺りに伝わる怪異の一種があります。
昔、貧しい家庭に子供が産まれてしまうと、きちんと供養もせずに殺してその辺に埋めるみたいな話もあったみたいで、その子供が怨霊となって現れると信じられていたみたいです。
よって、基本的にこの曲の前半は東北弁をベースとした方言で進行します。

曲の中では化け猫の話と組み合わせて、死んだ事に気付かないたたりもっけと、たたりもっけを成仏させてやらんとする化け猫の心情の対比を描いています。


ここから、個人的に設定していた裏ストーリーを語ろうと思います。
化け猫は和尚さんに紙袋に入れられて蹴られて畑に埋められてしまった事で、人間に恨みを持つ化け猫になってしまいました。

村の人の中でこの話は話題となり、子供にもあの畑には近付いてはならないと言い聞かせていたのですが、とある子供の親は、その畑に村の人が近付かない事をいい事に、養えない子供の一人を畑に埋めてしまいました。
沖縄民謡に「てぃんさぐぬ花」というひたすら親の言いつけは守りなさいという歌詞の民謡があるのですが、この曲の子供は親に捨てられた事を受け入れず、「親ぬゆしぐとぅ」を破って家出しているという体で畑を彷徨います。

子供は冒頭で昔話風に話すので、多分自分がもう存在しない事は理解しているのですが、死んだ事に気付かないふりをして、自分が人間の子供だった頃の記憶の中に入り込んだ妄想に浸りながら、畑を彷徨い続けます。


寂しい中、化け猫に出会った事で心の何かが外れたのか、何がおかしいのかも分からないけど笑いが起きて、涙で目の前が見えなくなって、おもむろに触ろうとしたら化け猫も死んでるから触れなくて、わしゃわしゃしていたら化け猫の見た目がぐちゃぐちゃになっていました。
触ろうとした事に化け猫は、君もあのお坊さんと同じようにイタズラしようとするのかって少し冗談を言ったら、たたりもっけは真に受けてしまったのか、怖がって逃げてしまいました。

化け猫は哀れに思って、君はもう死んでいるんだって事を気付かせようと、髪の毛を落として幽霊の見た目に近付けたり、家がもうない事を教えたり、色んな歌を聴かせて安心させて、その後はだんだん盛り上がって、サックスパートはニューオーリンズのお葬式のイメージです。

これが終われば、ピアノソロパートでめでたしめでたし…?です。


朝鮮半島、東北地方、沖縄、ニューオーリンズと様々な地方を巡る旅お疲れ様でした。

幽霊や怪異という少し悲しい題材を扱いましたが、日本の物悲しい暗いイメージはあまり好きでは無いので、少しポップにしたいと思い、最後にアメリカの要素を入れてみました。

ストーリー展開は今まで作った曲で一番作り込みました。
楽しかったです。

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