ある天文学者の恋文
超新星でさえ軌道を回り続けるのだ。だが、いつかやがて数世紀後か数秒後か命が誕生した無へと帰るべき時が訪れる。僕もその規則の例外にはならない。それゆえ、もう君と共にいるための方法を思い付くことが出来ない。
おそらく、我々が生まれた瞬間には誰もが永遠の命を持っている。じゃあ何故死ぬの?と君は聞くだろう。なぜなら生きていく上で、人は誰も、一つ過ちを犯す。たった一つ。そのせいで、永遠の命を失ってしまうのだ。
僕の過ちは分かっている。僕の過ちはもっと、早く君に出会わなかったこと。もっと長く君と過ごせなかったこと。永遠の命という宝物を失うのに充分な理由だ。
美しい人。君のおかげで僕の最期の3ヶ月はとても美しかった。この上なく美しかった。
僕だけの特別なお別れの言葉を君に贈りたいけど、これしか言えない。
I love you.
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