僕の信仰告白②

椎名麟三の「私の聖書物語」が、僕をキリスト教に導いたのは、椎名麟三の小説を僕が好んで読んでいたからだ。
椎名麟三の小説は、一言でいうと、暗い小説だ。
太宰が心中した時に、次に自殺するのは、椎名麟三だと言われた。
僕は椎名麟三の小説が好きだった。
その椎名が、クリスチャンであった。
椎名自身の生き方に、僕は共感していた。
椎名は、中学生の時、父親が女を作って、家に帰らなかったので、父親のところに行って、家に戻るように言った。しかし、父親は、椎名を追い返した。
それで、椎名は家出して、コックなどをして、暮らした。その後、父も母も自殺した。
そういう背景を持つ椎名がクリスチャンになった。
椎名が信じたキリストを、僕も信じられるのではないかと思った。
それでも、神を信じることはできなかった。
神を信じる根拠が僕には必要だった。
その後、パスカルのパンセや、岩下壮一神父のカトリックの信仰を読み、信仰は、頭と心の両方で信じることを学び、神を信じるに至った。
信仰は、感情だけでするものでなく、論理だけでするものでもない。その両方でするものだというところに至って、聖書学や神学を学び、信仰に至った。
これが、僕の信仰である。

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