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人生に無駄なことは、あるやろ



当時僕は2つ前の会社より、静岡県富士宮市にある管理者養成学校に行かされていた。

行かされるとは何事だ、この研修は30万かかるんだぞと言われそうだが、イヤイヤな気持ちは誤魔化せない。

そもそも上司たちは受けた事がないのだが…お前が教育されろよ。

なお上司の一人はのちに横領がバレて解雇される。

まあ仕方ない、新幹線で山口から静岡へ、そこから在来線で富士宮市に行き、喫茶店で富士宮焼きそばを食べてから学校の送迎バスに乗る。

山々山々山々山々ってカンジの風景を見ながら学校にたどり着くと研修中に使う服と寝具を一人ずつ渡される

なんとシーツは10日以上替わらない、臭そう。

服だけは7日目くらいに2枚目を渡されるようだが不安で一杯である。

ちなみに服はどうみてもオウム心理教のアレである。本当にありがとうございました。

実際にはオウム心理教がパクったらしいが。

当時はツイッターをしておらず、記録したノートなども捨てており、記憶は断片的、出来事の順番もあやふやだが、覚えている部分だけを書いていく。

初日、携帯電話の電源を切り使わないように指示を受ける。100人くらいを10人ずつくらいに班分けされる。

財布は一応手元で許された。

2日目、入校式

大声で返事、大声で決意表明、素早く立ち上がり素早く座るだけのクソイベント

ここで半泣きの女性もいた。これはやり直し一度、二回目でクリア。

日にちもう省くわ

山にある学校からバスで町に降り、駅前だったかな?で、セールスガラスという歌を、離れた場所にいる教官に聞こえるように歌うという訓練がはじまる。

これは事前にYouTubeで歌を練習していたので自信があった。通行人の前で歌うことで度胸を養う訓練らしいが、僕はクソ上司に100人の前でバナナのたたき売りをしろと言われたこともあり、今さらである。

一度は歌詞をとちったが二回目で合格。

問題は毎日あるラジオ体操だった。

普通のラジオ体操ではなく、持ち時間三秒の東風戦のようなスピードで10数分、身体が固く運動神経のない僕は死んだ。

教官の「トロい」「グズグズするな」の罵声が飛ぶ、知るかボケ。

歌とは別に、大声を出すだけの訓練もあった、これホントにビジネスコース研修か?空手の合宿とかじゃなくて?

なんたら十ヶ条1分速読なんてのもあったが覚えていない。かなりイヤだったんだろうなぁ(他人事)

そういう環境で身体を動かすからメシだけは旨かった。滞在中2回スピーチが回ってきたが、1回はメシをネタに話した記憶がある。 

40年前から変わらない教科書でしょーもないシミュレーションを繰り返し終盤やって来たクソイベント

夜間40キロメートル行進

敗残日本兵のようなリュックサックと落書きのような地図に電池が切れかけの懐中電灯をわたされチェックポイントを通過して歩く歩く歩く。

班員にたまたま経験者(二回目)がいたからギリギリクリアできたがかなりツラかった。

あほみたいな旗を振りながら歌わなければならないとか、固まって歩いてはならないとか色々あり、マジクソ。

足の皮はぐちゃぐちゃになった。

9日目くらいの晩、夕食は鍋だったのを覚えている

教官からカーテンを閉めて照明を消すように指示が出た。

おお?やるか、やるんか?

教官「今までみなさんの力を引き出すためとはいえ、強い言葉を使って申し訳なかった、みなさんが卒業できなかったとしたら、私の責任です」

くるぞくるぞくるぞ

教官「みんな、目を閉じて、私は強い!私は出来る!はい続いて」

班員「「「私は強い!私は出来る!」」」

洗脳キター(゚∀゚ 三 ゚∀゚)

みなさんお待ちかね、さんざんカラダを酷使し暴言を吐かれた状況でこれである

あらかじめ数年間幸福の科学にハマっていなければヤバかった。

ありがとうエル・カンターレ。

そして最終日、11日目、外で何かしらの訓練をしていると、フラフラした。

貧血かなとおもったが、みんなも揺れて声を出している。

3月11日14時46分

静岡では震度5か4か、山口で3までしか体験したことがない僕はビビった。

この時点、研修参加者はなにもわからない。携帯は使えずテレビもない。

夜もやたら揺れるので、寝場所にあったホワイトボードはあらかじめ倒した。

翌日、ようやく事態を教官から知らされる。震度7、津波、原発、訳がわからない。

なかには会社がぐちゃぐちゃになった参加者もいたが、学校の見解は

「では最終試験をやりましょう」

oh、クレイジー

なんやかんや予備日2日を使い、ギリギリ13日目に卒業した僕の思いはただ一つ。

無駄な体験したな。