見出し画像

Footwork & Network 好きな場の話

大学二年の時と比較して、自分でも面白いくらい変わった昨年。じゃあ結局この間なにをしていたかといえば、越境と越境と越境だったと思う。中高一貫校で過ごし、大学内で新しい友人を作るのにさえ四苦八苦していた私が、今思ってもよくこんなに色々な人と知り合い、話をすることが出来たものだ。素直にすごい。

そんな越境をする中で、本当にたくさんの、自分の価値観を広げてくれる人に会ってきた。出会いの数だけ、気付きがあり、思い出があり、それを思い出させるグラレコやツイートが残っている。無精で、インドアだからと、機会を作ろうともしてこなかった私にとって、ゼミに入ってからの多くの巡り合いは、一つ一つ、大切な財産だ。これは、挑戦を後押ししてくれる長岡ゼミの場のおかげであり、ポジティブな意味で、私が自分一人で決めたことなんて一つもないと思う。自己責任論という言葉を笑って受け流し始めた事を、一年前の私は全く想像しなかっただろう。

本当に、私にとって環境が何より大事だ。好きな組織、場、コミュニティのためなら、私は自分が不得意だと思っていた事にも率先して挑戦して、それを”楽しいこと”に変えることが出来る。今年、ゼミ長になる事を満更でもない気持ちで受け入れた時にも、環境の力を強く感じた。やったことがない自分にとって挑戦的なことも、好きな場のためなら割と頑張れる。好きな場にいるから、頑張れるともいえるかもしれない。そして、今回は最近見つけた、私にとってのそんな場である、青春基地の話をしたいと思う。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

青春基地は、一人ひとりに想定外の未来をつくる、をビジョンに公立高校の学校改革を通じた「教育の再定義」を探究、生成しているNPO法人だ。(まだ、自分なりの落とし込めてないので、説明は代表のわこさんのTwitterを引用した)入るのを決めたのは、説明会に参加した2021/2/25。まだまだ参加して間もない場ではあるのだが、先ほど言った通り、青春基地は私の大好きな場の一つだ。ただ、正直私は色々な分野の中でも、特に教育に対してはあまり関わったことがなくかなり無知だった。そんなこともあり、一回聞いてみるか、と軽い気持ちで説明会とも認識せず参加した青春基地の説明会でどうして参加を決めたのか、そのエピソードを最初にしようと思う。説明会では最初青春基地が何を目的にしているか、今どんなことをしているのかのおおざっぱな説明があり、その後教育についての対話の場が設けられていた。そこで私が青春基地に所属するばっきーさんから教えてもらった言葉を紹介したい。

『”課題”だと思うから楽しくない』

私はその対話の中で、特に先生の過労の問題を口にしていた。「先生に余裕がないと青春基地の活動も広がらない。でも、先生の過労の問題は学校の括りで解決するものじゃない。どうすればいいんだろう。難しい。」その言葉を聞いて、ばっきーさんは自分が東大の講義に参加した時に、教授が言っていたという言葉を伝えてくれた。それがさっき引用した言葉だ。そしてばっきーさんは加えて『こうした方が楽しいじゃんを基準に青春基地は考えてる人が多いんだ』と教えてくれた。

それを聞いた瞬間、急に青春基地に入って活動がしたい気持ちが湧いてきた。今になって思えば、私は「課題を解決しないと」「課題解決に貢献しないと」という気持ちをこの時持っていて、興味は湧いてはいたが、生半可な覚悟じゃ参加しちゃいけないと感じていたんだと思う。教育の知識も無い、1年で辞めるかもしれない。そんな私が関われるほど簡単な問題じゃないから…と。しかし、ばっきーさんの話でNPO法人に関わる事の責任感、みたいなものが払拭され、素直な気持ちで参加をしようと思えたように思う。少なくとも、青春基地は単純に楽しそうだから、関わってみたいから、という理由でも参加を許してくれる場だと感じたのだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして参加を決めた後、ミーティングに今までで計三回参加させていただいた。一回目初頭はNPO法人らしい(?)、補助金申請するための書類の作成について話していたりして、全く分からないながらぼけーと聞いていた。その後は「一年経ったけど、改めて皆に聞きたいこと」みたいなテーマ設定で、「どうやって生きていたいか」「ソーシャルセクターに属しているがどんな感覚があるか」など、非常に面白い話題で大盛り上がりして、正直対話イベントに匹敵するほど面白かった。対話イベントではなく、ミーティングなんだけれども。ここでは詳しい内容は書かないが、私自身も、非常に考えるところがある話題だった。

二回目のミーティングでは、先生へのインタビューに同席した。正直先生の名前も、所属もその時初めて知り、どういう経緯でインタビューしているのかもほぼ分からない状態だった。軽い挨拶を求められたときに「入ったばかりで何にも分かっていないんですが、お願いします」と言ったが、これでいいのか?私ここにいていいのか?とか入った直後はおどおどしていた。しかし、インタビューが始まれば、単純に先生の話が面白く、そしてわこさんの質問が的確で、気付けばIPadを手にしてグラレコを描いていた。先生へのインタビュー後、その感想から始まってまた前回のような対話が始まり、学生インターンの子が言った「私は妄想の中で生きてるよ」「自分は全然世の中を変えられると思っていない」って言葉だったりが頭に残っている。そして、この場が二回目にも関わらず、皆が本当に素直に意見を口に出していて、それを許される雰囲気を肌身で感じて、「自信ないことに自信持ってきた」なんて、今まで言ったこともない言葉をポロッと言ってしまったりした。普段だと聞くことが出来ないような、もしかしたらみんな思っているけど、口にしていない話が何でもできる、そんな稀有な場になっていると思った。

三回目のミーティングは、割としっかりとミーティングで、振り返りとして生徒から来たアンケートを見てどう思ったかとか、四月になり今提携して活動をしている学校の環境も少し変わるので、それをどうとらえていくのか、みたいな話がメインだった。まず、生徒にどんな授業を提供していたかも詳しくわからず、そしてその学校にも行ったことがない、雰囲気が分からない私には、きょとん案件で、終始「あーわかんない、わかんないなあ」となっていた。その時にふと、そういえば、今までのミーティング、全然分かってなくても参加できてたんだなと思った。そして、話がちょっと落ち着いたときに「質問が…」と手を挙げ、本当に業務的で初歩的なslackの分類の話だったりを聞いて、その後他の子も質問してくれて、本当に初歩的な、今青春基地がなにしているのか、とかの資料を頂いた。あーこれで少しは理解できるとホッとしてる時に、わこさんから「他に質問とかある?」といわれて「いまはまだ無いので、資料読んで、わからないことあったら質問します」と答えた。その後の言葉が、私にとっては考えさせられる言葉だったので共有したい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「そんな、全然読んだりとかしなくてもよくて、緩く関わってる人も多いから分からなくても大丈夫だよ。細かく、詳細に分かってなくても、やれるから」

と。そういわれたときに私はまた「こうしなきゃ」に囚われていたのかなと思った。「入ったからにはしっかり理解しなきゃ」とか思っていたかな、と。でも、その後、ミーティングが終わり、布団の中で考えていると、それとはなにかちょっと違う感じがした。ミーティングの心理的安全性は、その場のみんなが忖度せず発言するところから生まれていると感じたが、それはわこさんの雰囲気があって成せる業だと思っている。なんでも受け入れてくれそうな雰囲気とでもいうだろうか。今回わこさんから言われた言葉にもその一端を感じたし、そういえば今までもミーティングでも感じていた。でも、私自身、じゃあ緩く関わりたいのかと言われると、それは違う気がした。入る理由に責任感から逃れられたというのがあった。ある意味、緩さに惹かれて入ったみたいなところだろう。なのに、緩く関わろうとはしてなかった。しっかり青春基地について知りたいし、その上で行動したいと思っていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「課題を解決しないと」という責任感の呪縛から解き放たれた時、“楽しさ”を求める自分を肯定でき、やりたいからやる、と素直に口にできた。
ただ、その一方で、責任感はないが、割とがっつり関わる気満々なことに気がついた。関わったからにはとことん!という気持ちはあるのに、責任感はない。なんだそれ、と自分でも思うが、それが素直な気持ちだ。そして、「資料を読む」云々の話をしたとき、多分私の中に純粋な好奇心しかなかった。青春基地の話だから、分かる必要がない話だったとしても、読みたかった。そこに、責任感や、やらされてる感は全くなかった。

何時も純粋な好奇心で行動できるわけじゃないと思う。何かしら責任が生じるところでは、責任感と好奇心がミックスされて行動に移ることが多い。というか、そっちのほうが遥かに多いだろう。青春基地は、その責任感が極めて与えられにくい環境なんだと思った。責任感を持たないことが許される環境なのだ。やりたい人がやり、やりたくない人はやらない。自分で関わり方も自由に選べる。

分からなくてもいいよ、緩くてもいいよ、やらなくてもいいよ、という目線で見てもらえることで、責任感のない純粋な好奇心で動きやすいのかもしれないと思った。その一方で、じゃあ責任感を与えられて動くと好奇心が削がれてしまうのかというと、そうとも言えないなと同時に思った。責任感や義務感で動いた結果だったけど、割と楽しいみたいな経験はこれまでにある。責任感がないのが一番だ、と声高に言いたくてこのnoteを書いたわけではない。ただ、そんな青春基地が居心地の良い場所をいうのは確かで、これからもこの場に居たいという気持ちに嘘はない。責任感が緩くなりがちなこの場所が、これからどう機能していくのか。そして私はどんな関わり方を望むのか、していくのか。そんなことも楽しみにしつつ、これから積極的に関わり、活動していけたらと思う。

これからも、よろしくお願いしますという気持ちを込めて。

名称未設定のアートワーク


いただいたお金は、執筆に役立つ書籍類を購入するための足しにさせていただきます。 少し懐に余裕があり、成長途上のNOTEを応援したい気分の方がもしいらっしゃいましたら、サポートいただけると飛んで喜びます🙇