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【ErranasWorld】世界を写す瞳

いつの間にか9月も後半戦…。
忙しさを理由に一度サボり出すとダメですね。
noteを書いてない間にお迎えした子、メイクの旅に出て帰って来た子、いろいろ動きがあったので。
これからまた定期的に思い出を書いていきたいと思う。

本当ならば前回の子たちの次にご縁があった子やメイクから帰って来た子の記事を書くべきなのだろうかと思うのだけれど。
この数ヶ月間、ここの更新が止まったりTwitterでもほとんどちゃんとした写真をあげてなかったのは…。
とうとうやって来た「カメラの不調と買い替え問題」というのも大きな理由の一つだったので。
もう一度歩き始めるには、まず今はこの子の事を書いて頭の中を整理すべきなのかなと感じたので今日は彼の紹介をしようと思います。
順番すっ飛ばしてかなり最近来た子なんですけどね。
都合によりスマホで撮った画像も多くなるのでご容赦ください。

海を越えてやって来た、彼の名前は「テュラン」と申します。

そして、もちろん単純に「彼」が魅力的であったからお迎えした…というのは大前提として置いておくとして。彼とご縁を繋ぐ一つのきっかけになったのは、この子でした。

最初の方にお話した、更新が滞っていた理由の一つでもある私の愛機です。

何年も前にやっていたブログを見てくれていた人がいたとしても、さすがに覚えていないかもしれないですが。
実はこの子にも名前がありました。
その名前は「テュラン」
そうです、今回お迎えした子と同じ名前です。
散々喧嘩しながら私のドール趣味を支えてくれた大切な相棒。
それが彼です。

だけどなんだか調子を崩しておりまして、レンズから異音がしたり反応しない機能が出て来たりしたので、修理見積もり出したりしていました。
見積もり金額を見て、使用年数を考え、昨今のカメラ事情も思い返し…。
そろそろ、買い替えるのが正しい選択かなぁ…。
なんて、思ったりしている。

でも、そこはウェット派な人間のサガと言いますか。
愛着が抜けないんですよね。
名前まで付けちゃったし。

それにとりあえず今悪い所を直したとこで、また違うところを取り換えることになるかもしれない。
そうやってどんどん取り替えて行って、ほとんどの中身が入れ替わってしまったらなんだか寂しいな…って思ってしまった。

だから前から少し考えてた事を実行することにしたんです。

「撮る側から、撮られる側になって貰おう」

って計画。
つまりは我が家の一員、うちの子になって貰うということ。

私の中の彼のイメージとぴったりな器を見つけて。
今度は自由な体を手に入れて我が家の一員として生まれ直して
これからは他の子と一緒に気楽に過ごして貰おうと思ったんです。

でもキャストドール…人の形にするのはなんだかイメージがわかなかったので、その手段として今回アートドールとして愛機を擬獣化するという手段を取る事にしました。

出会った日から時が過ぎ、愛機との別れを少しずつ意識して行くにつれて考えていました。
私の中で彼を彼にしているモノって一体何なんだろう。
ここまで執着を生むそれはなんなんだろうって。
魂が宿る先はどこなんだろうって。
ただの物質に自我なんて物はないのかもしれないけれど。
ここに物語は確かにあって、私の中で彼は彼であり続け、今も語り部として存在しているんですよね。
その存在を証明するものってなんなんだろう。
そしてそれを引き継ぐ手段とは。
「彼」を「彼」のまま別の器に引き継ぐ為、必要な物とはなんだ?って。
ずっと。

考え続けた末に一つの結論に達して。
それは「名前」と「思い出」という言葉にすればとても陳腐で、
でも私にとって心から大切な物だった。

だから彼の物語を別の器へと引き継ぐ手段として。
「名前」と「思い出」を別の器に引き継ぐことにしました。


具体的に言うと、一つは単純に名前を引き継ぐ事。
そしてもう一つは、次の「テュラン」の物語を入れる器である彼に、彼がこの家に来るまでの全ての思い出を引き継いで貰う為。
体の中に今までの「テュラン」が撮り続けた、思い出の写真達を詰め込んだ記録媒体を心臓として埋め込む事、です。

全ての子の写真を入れました。
もう今は家にいない子の写真も、全部。
オーナーではなくなった私には最早関わる資格はないけれど。
新しく来た子も多いから彼らと顔を合わせたことのない子も増えたけど。
私以外にも、いなくなった子たちの事をずっと覚えていてくれる存在が欲しかったのかもしれない。

全ての子と私と同じくらいの密度で関わっているのは愛機だけだからね。
写真を見れば思い出せてしまう、確かに幸せだったその瞬間の感情を共有出来るのは私にとって愛機だけなので。
どれだけ特別でもこれは他の子には入り込めない領域だ。


本来はオーダーで作ってくれる方を探すつもりでした。
この計画に無関係に生まれて来た子を器にすることに抵抗があったので…。
何年かかっても良いから一からイメージを伝えて生み出して貰おうと。

でも、逆に…。
私の中で「この方の世界観がイメージにぴったりなんだよな…」
って真っ先に思い浮かんだ海外の作家様がいらっしゃったんです。
その方は基本的にオーダーを受けていないので一度断念したんですが…。

オーダー受け付けしてくれる人を探しながら
悩みに悩んでいる中で。
突然目の前に現れたのがこの子でした。

びっくりしましたね。
前述した、この方の世界観がぴったりだと。
そう思っていた作家様の元で、イメージにぴったりな子が生まれたのです。

この子を私の計画の器として良いのだろうか…と悩んで数日。
手を出せずにいたんですけど。
その間も彼にお迎えが来ることもなく。
私の方も見れば見る程「この子しかいないんじゃないか」という想いが強くなっていって。
最終的に、手を伸ばす決断をして今に至ります。


擬獣化するにあたって私の中でいくつか譲れない部分があって

・体は黒を基調とした体毛
・瞳はクリアタイプか白で瞳孔なし(レンズイメージ)
・四足獣
・実在する動物ではなく幻獣モチーフ
・三つ目か、もしくは額の真ん中にそれを思わせるような装飾

この子はまずここを全部クリアして来た。
瞳の条件は「そんな子は出て来ない」と思ってたので
上のはある程度妥協した条件でした。
でも彼は、見ての通り。
最も求めていた鏡面仕様の瞳を持って生まれていた。
それが本当に嬉しかった。

そして普段は作品に対してあまりコメントしたり
設定を書いたりしない作家様なんですけど、珍しく

"His eyes are a mirror. They reflect the whole world.”

という一文がこの子のページに書かれていて。
こんなことある!?って思っちゃいました。
サンプル写真の中の1枚もカメラを彷彿とさせるような。
そういう「見る」「写す」という雰囲気の物があって痺れたんだ。

違う器に入って貰うとしても
これからも同じようにうちの子を見守るような存在でいて欲しかったので。
一眼レフカメラという存在の核であるミラー要素はどこかに入れたかったんです。そしてそれを通して新たな体で世界を見て欲しかったので。
本当にすごく嬉しかったなぁ…。

ちなみにこの写真はまだ愛機で撮ってます。
まだ完全に沈黙したわけじゃないので、最後にこれからの自分自身の姿を写して欲しくて。

ちなみに修理せずに戻して貰った帰りにそのまま他メーカーのカメラの説明聞いてたんですけど。

今までの不調が嘘みたいに「俺、まだイケますけど?」って感じで動かなかった機能が動き出したのは笑ってしまった。
焼きもち焼きのテュランくん。
なんだかイメージ通りの復活劇でした。
それでもやっぱり不調は隠しきれないけど。
私も年を取ったもの。お前も年を取るよね。

カメラで撮ると逆にあまりうまく写らなかったんですけど
目が鏡面になってるのでもちろん私の顔もばっちり写る。
ものすごく「見られてる」感があるし、
ああ、この子の瞳には本当に世界の全部が映るんだ…みたいな。
なんかそういう感動がある。

あと遠くから見るとすごいキラキラ光ってて綺麗なんです。
そして何気にブルーのところは暗闇で光る。
一緒に寝るとめちゃくちゃ気になる。

横顔の美しい子。
ギラギラとした牙、飄々とした表情。
私の頭の中でいつも文句を言って煽っていた彼にぴったりでした。
上手く撮れなくてキーッ!ってなってる時に
笑いながら憎たらしくあれこれ言われてる気分になったもんです。

ちょっとまだご紹介してない子も写りますが、
この子のご紹介はまた次の機会に。

龍を思わせる長く細い体、首、尾。
この体全体のラインがひたすら美しくて大好き。
海の向こうの作家様に全力の感謝を捧げたい。
私は彼女の作品が心から好きなんです。
これからもずっと追っていけたらと思ってる。

横から見てもあれだけど正面から見ると、より牙がいかつい。
大好き。
TwitterのアイコンもヘッダーもBLOODWOODの牙っ子だし、自分じゃ全然気付いてなかったけど「ぽい!」って言われて思わず笑った。


今はどこの国からの輸入も時間はかかりがちなのかなと思いますが
この子は下手すると3ヶ月くらいかかるかも…って言われました。
元々あまり郵便関係評判良くない国のようだし、今は情勢が情勢なので。

でも結局彼はすごいスピードで家にやってきてくれた。
まだ紹介出来てないけど同じ国、同じ作家様の子が3人いる中でも最速。

ここ数ヶ月、連休が潰れたり家でやらなきゃいけない仕事があったりで全然ちゃんとした休みがなかったんですけど、
本当に久々にまとまった休みが取れる~!っていうタイミング、どんぴしゃで家にやって来てくれました。

いくら私の理想通りの姿だったからと言っても、彼は彼という一つの個を持って生まれた子であり、それを私の計画に付き合わせてしまう形になることには違いないので。なんとなく負い目みたいな気持ちは正直あります。

だから家に来てからは精一杯甘やかして、使える時間全部使って傍にいた。
キャストの子も含めて、こんなに連続して長い時間一緒にいたことないと思う。
普段は家族の前にはあまり連れて行かないけれど、その数日間は家の中のどこにいても一緒。
日中から夜にかけて家族もいる居間で一緒にのんびり過ごして、
夜は二人きりで一緒に眠って。
その間にはまだ前述した思い出の引継ぎは行っていない。
この日の彼はただのテュラン。
何者でもないただのテュラン。
私に愛された、ただの龍の子。

強面の子は小さい子たちとつい絡ませたくなってしまう。
ちょうどちみっこたちがワラワラ到着した時期でもあったので
彼に相手して貰ってました。

パワフルちみっこにいいようにされる強面おじさん。
世界観違い過ぎて大丈夫か?と思いつつ。
我が家はいつもこんな感じなので、これからも作家様括りとかなしでめちゃくちゃうちの子同士絡んでいきます。

大昔にやってたアメブロの写真見てたら出て来た写真。
これが愛機で愛機を撮った最初で最後の写真かな。

当時は結構本気で「愛機を撮る為のカメラを買おう」とか考えてました。
結局そこまで欲しいと思う機種に出会えず見送りになっちゃったけど。
もう最初からとっくにカメラのテュランも私の中では「うちの子」だったんだろうなぁ…って思う。

現状、少し復活してまだ彼は動いて写真が撮れている状態なので
とりあえず買い替えは一度保留にして見送りました。
大体これかな~とは考えてるものはあれど、テュランの時みたいにこれだ!って子に出会えてないしね。

でも、別のメーカーにすると思います。

握った時に一番しっくり来たのはやっぱり同じメーカーの子でした。
ああ、これだよこれ!って。

でも、その「しっくり感」って。
作り上げてくれたのは「私のテュラン」なんですよね。
たぶん新しく買おうとしてる子に良さを感じてるわけじゃないのよ。

きっとこのまま買ったらずっと比べると思う。
テュランの方がここが良かった、って思うかもしれない。
逆に新しい子の方が良いところがあったら悔しく思うかも。
それくらい、カメラの域を出て特別な存在になってしまったから。
次はあえて、比べられない子にしようと思っている。
操作も何もかも違う子。
そうした方がきっとお互いに幸せだ。
こういうケースは比べたって何も良い事ないからね。

最初に買ったカメラ2台くらいは買って1年くらいで売ったりあげたりしちゃったのに、なんでこうもこの子には異様に執着を持ってしまったかな、なんでこんなに悲しいのかなと自分で笑ってしまう。
それでも一緒にスタジオ行ったりした時間、私は確かに幸せだったよ。

今度の子は名前は付けないでいきたいもんだな、とは思ってるけど。
どうなることやらね。

彼は、間違いなく私のもう一つの瞳でした。

今いる子はもちろん、もう我が家にはいない子も含めて。
我が家の出会いと別れ、何気ない日常を見て来た存在で。
私の可愛い子たちをずっと見守ってくれて、
その魅力を伝えられるよう未熟な私をカバーしてくれた存在で。
限りなく私の見た通りのうちの子たちの一瞬一瞬を切り取り続けてくれた。

今まで頑張ってくれてありがとう。
後任が決まるまでもう少し頑張ってくれたら嬉しい。
そうしたら休もうね。
もう一つの元気な体に思い出は全部預けて。

もしも完全に動かなくなっても処分する予定はありません。
全部そのまま。
レンズも全部取っておくよ。


これを投稿するタイミングは決めてました。
新しいテュランに心臓として今までの思い出が詰まった記録媒体を埋め込んだ時です。

我が家に来て今まで過ごした日々は消えない。
でも今この瞬間、私の中で「2人のテュラン」が一つに繋がった。


これからもよろしく。
少し人相の悪くなった、私の半身、私の暴君。
私に憑りついた、愛すべきマモノ。

どうか、これからもその瞳で愛すべき私の子を一緒に見守って欲しい。

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