人生4の話

前回: 人生3

心身ともに壊れたまま社会人になろうとしていた。

入社まで丸2ヶ月間の春休みがあった。私は人生最後の休息で何かをしなければと焦っていた。
バイトがない日は都内に出向いた。美術展を観たり、たまに無理してライブを観たりした。都心で何かをする度に、何か感じろ、何か感じろ、と強迫観念に駆られた。その思いとは裏腹に何を見聞きしてもうまく飲み込めず、素敵な展示品の数々が上滑りしていった。ライブを観るときだけはイライラするか羨ましくて悔しくて涙が出た。
何をやっているんだろう。そういう感じで全く残らない何かを沢山やって、春休みが終わった。

ここから先は

3,653字
この記事のみ ¥ 100

いかがでしたか? すごくいっぱいお酒を飲ませてもらえませんか?