見出し画像

瀬戸内国際芸術祭2019秋会期

10月下旬に瀬戸内国際芸術祭に行ってきました。心が震えるという感覚を初めて覚えた芸術祭で、3年後はすべての会期の作品を絶対に観に行くぞ、という気持ちにさせられました。


そもそも瀬戸内国際芸術祭とは、瀬戸内海の12の島+高松港・宇野港で開催される現代アートの芸術祭で、3年に一度のペースで開催されています。現代アートを巡りながら島々をまわり、地域の文化に触れることができる仕組みが整っている、画期的なものです。

この芸術祭の特徴として、鑑賞者は作品まで自ら足を運ばなくてはならないため、かなりの時間・労力・お金が必要になります。3日目に雨が降ってきたときには、「なんで私こんなきつい思いをしてまで芸術鑑賞してるんだろう。(坂道ばかりの島で、山登りをしているようだった。)」と思ったこともありましたが、相方と励まし合いながらなんとか辿り着くことができました。ガイドブックの写真だけでは全く伝わらない音・匂い・色・手触りなど、五感を刺激するものがたくさんあり、今までに感じたことのない感動体験がたくさんできました。きっとこの気力と体力を使って鑑賞するスタイルが非現実的で、作品がどれも場の固有性に富んでいるからこそ、そう感じるのかもなと思いました。そのため、美術館とはまるで違う印象を受けたのだと思います。

また、地域の歴史や文化を発信・再生するために美術という方法を用いているため(キャプションは基本的にはなし。ガイドブックに少しだけ記載有。)、一見すると「何だこれ?」となるような作品も、じっくり時間をかけて鑑賞すると、地域に対するアーティストの意思や表現を感じることができ、それも瀬戸芸の醍醐味だと思います。


総合ディレクターを務める北川フラムさんは、東京中心の都市化や効率第一を嫌い、均質的な価値観の統制を強化する世界を嫌います。私もこの姿勢に大変共感し、地方において主に美術を媒介として、希望を与えられるお手伝いがしたいと最近思うようになりました。方法は模索中だけど、いつか実現できるといいな。


自分が興味ある分野の輪郭をほんの少し掴むことができたので、これからはもっともっと深掘りして自分の納得いく結論が出るといいなと思っています。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?