猿川さんの倍満放銃

3月4日、Mリーグ1戦目に事件は起きた。


22900点差の上家立直からの手番


景気良く放たれる8s


気持ちのいい倍満
トレンドに乗る猿川



という事件が起きた。

今回はこの放銃について考えていこう。


トイメンはポン打2s


点数状況

上家の伊達さんは比較的迷わずに立直の判断をした。
伊達さんは間読みとかそういうのをさせないセンスがあると思う。
見てる側だと分かりにくいかもしれないけど、対局者視点になるとやりづらさがあるんじゃないかな。

なのでこの放銃はある種伊達さんの功績とも言えると思う。

そんな能書きはさておいて
猿川さんが8sを切ったタイミングでの私のツイートがこちらである。




似たようなことを思った人も多かったようでタイムラインがざわざわしていた。
それもそうだ。
完全優位な状況から垂直落下式ブレーンバスターを積極的に喰らいに行ってるからである。

しかし叩かれすぎな気もするので、猿川さんがおそらく考えていたであろうことを本人よりも先にnoteにしてしまおう。


分かりやすく貼っておく

まず、ここで本人が考えたのはおそらくこのあたりだ。
・2m良いなぁ
・放銃打点なんぼだろう
・58sで立直するのかなぁ
大体この三つ。

これを精査した結果ゴーサインが出る感覚は個人的に嫌いじゃない。
というか好き嫌いで言えば好きな部類だ。
これは肩を持ってるとかじゃなくて普通に好き嫌いの話。

彼が精査し損ねたのは以下の2点だ
・3sはどうなんだろう
・打点ないと思ってるのに見守って捲られることってあるんだろうか

特に下の精査が重要で、打点ねえと思って押すんだったら押さなくてもトップは堅い
が思考の中に介入するのが自然であろう。
なぜならここから捲られる現実的な和了素点はハネマンツモに限られるからだ。

(ドラ3とかで立直打ってこないだろう)
の中には
(そんなら行かんでもええか)
の同時成立レアチェリー虹点灯のBIG確があるのだ。

その上で、この選択そのものが好き嫌いで言えば好きな理由は
無限連荘爆裂モード
って感じだからである。

ただ、これがダメな理由は倍満放銃したから
というより
満貫放銃したら割りとトップ逃す
という部分が大きい。

まぁ少なくとも放銃しなかったケースと比べると結構逃すよね〜という比較の話だが。
麻雀はその選択をしたときとしなかったときの比較のゲームなので。

まぁこの比較において大事なのが
高打点だったケースと低打点だったケースの比較というわけだ。
高打点のケース
→巡目深いし降り切れるから行かない。自手の和了率もそこまで高くない。

低打点のケース
→たとえばドラ0確定の相手とかならかなり行く価値ある。放銃がマジで痛くないからだ。

今回の猿川さんの脳内は後者になる。
かなり行っちゃって良くねぇ!?
って感じだ。

ただ、一つ注意したいのがそもそも低打点の場合は放置してても結構トップだという点だ。


詳しい点数


詳しい点差



マンツモされると8100差(10100差の間違いでした><)になるので、マンツモorハネマン出和了条件となる。
岡田さんがラス親でブクブクのブルックリン全部リーチウォーズマンになることは考慮するとして
案外考えるべきなのは
ラス目の浅見さんがラス確和了をするであろうことだ。
ドリブンズってそういうチームだし。
多分ドリブンズの選手はここからハネマン縛りみたいな打ち方はしない。
チームポイント状況的にもある程度素直な局収支で麻雀してくると思う。

ここを見誤ると、マンツモされたら伊達さんに捲られちゃうって思いすぎちゃうので注意だ。

つべこべ言ったが、要するに降りって話だ。

見やすくするためにもう一度

いや猿川さん、無理やてこれ。
上で理由をつべこべ書いたけどそんなんぶっちゃけどうでもええのよ。
だって降りなんだもんこれ。

伊達さんが58s待ちで白暗刻じゃない感覚はちなみにかなり分かるよ。
なんかすごくダマにしそうだもん。
その意味でも伊達さんがお見事系とも言える。

ただ、そんな読まんでも良いんだよな。
なんつーかつべこべ言ったけどそれが全て。
これ、降りときゃ良いんだよな。
点数持ってるメリットって
「あーとりあえず降りときゃええか」
「とりあえず放銃しなきゃええか」
が働きがちな部分で、たとえば南1とかだと全然そんなことないと思うんだよね。トップ取りだと。

けどこれ南3局なのよね。
愚形×愚形の一向聴なのよね。
2mは場況良いから実質好形だとしても
好形×愚形の一向聴。
鳴ける加点はあるけど、8sと南どっちも通ってないのよね。

あと先切りをよくする伊達さんが先切りしてる可能性がある牌が今回は4mしかないのよね。
なんつーか別に変に気にしなくても良いんだけど、そういう時って宣言牌跨ぎ当たること多そうな気もする。まぁそんなに気にしなくて良いんだけど。

あと見落としがちなのが自分の手が厳しければ厳しいほど
「押したけどツモられる」
の分岐増えることも注意したい。
これが鳴ける三面両面ドラ3の一向聴とかだったら誰も文句言わないよ。立直蹴って無限爆裂モードがいよいよ現実的だからね。

これは押してもケッコーどうせツモられるよーって感じ。
南とかいう牌もネクストバッターサークル控えてるし。
(押すにしても南から切るべきじゃねとかはさておいて)

まぁみんなが思ってるよりは酷くないし、本人が思ってるよりは酷い
くらいの放銃だと思うかな。

夜勤中なので軽めにこの辺で。
アディオス!

追記
22900差ってマンツモされても
10100点差か。
次局マンツモセーフか。
ほなら大分アカンやろ!アカンやろー!!

追記②
トイメンのオタ風ポンから相当白対子以上がそこにあると読んでるね。
読んでるというか直感的にそう思ったんだろう、が正しいと思う。
実際、南白いずれか対子以上率はかなり高いと思う。
なぜかというとオタ風ポンの2000点混一色安パイ無し、みたいな進行は流石にやらないだろうから。
南か白が対子以上確定で読むと自分で南を1枚持っていて、南対子だった場合のオタ風スルーの分岐(メンホン七対子とかの方が高打点期待値が高いケースとかが多かったり、赤1で満貫手順を踏む上でオタ風スルーに寄るケースが多くなることから)で白対子以上が更に少し濃くなる。

要するに白暗刻の58s立直はマジで下振れだと思う。
で、倍満放銃は結果的に本当にかわいそうだと思う。正直こんな立直は大抵裏1で満貫みたいな感じだから。

・トイメン白対子以上6〜7割
・赤5m赤5s見えてる

から。

そういう意味で面白い放銃だと思う。
ちなみにそれでも8sは切らない。
ネクストバッターサークル南と
自手のシャンテン形が厳しすぎるから。

けど多分この放銃はみんなが思ってるよりは"面白い放銃"の類だと思う。
倍満放銃のインパクトが強すぎて視聴者視点だとやっぱ叩きたくなるんだけど、打ってる感覚だとマジで白暗刻は想定しない。58s待ち白暗刻とか考慮しないレベルだと思う。
ていうか考慮しない人の方が正しいと思う。

でも、俺が結論として言いたいのは
南白の所持率がトイメン高いなら、南から切るべきなんだよねこれ。
なぜかというと"放銃打点で恐れた南"を今後打つ方針で"放銃率の高い8s"を先打ちしてるわけだから。

これって打点に関わらず、裏の抽選をこの点数状況から受けに行ってるんだよね。現状恐れた南の高打点放銃の可能性を後に控えながら。

その思考は間違ってると思ってて、上家にツモられたら寒い、みたいな思考が働くときって
南を切ってトイメンにアシストする

南の高打点放銃が怖いからベタオリする
かのいずれかになるのが筋だと思う。

結論としては、そんな感じかな。
面白いけど、8s切りにはならないんだよなこういうの、みたいな話でした。



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