何が好きかで自分を語る

乾いた人間になりたくない思いが抑えきれなくなったので、箇条書きとかいうダサい形式でも良いから、とりあえず"何が好きか"で私自身を語ろうと思います。

別に誰に見せるって訳でもなく、ただ自分の現在に「これがワタシだ!!!!(ドン!!)」みたいな尾田栄一郎みがほしくなっただけです。ワンピース全然知らないけど。

・英語:
もうめっちゃ好き。死ぬほど好き。文法も発音も表現も付随する文化も歴史も全部好き。
生きる上で欠かせないものは?と聞かれたら酸素とか血液とかそんなしょーもない回答の前に真っ先に頭に浮かんでくると思う。
人生が"始まった"キッカケも英語だし、今の生活があるのもこれのおかげだと思うし、英語学習の経験則が思考の核を成している気がする。
文字通り四六時中頭の中で意識してることだから、通学中とかに良い表現が思い浮かんだら即メモしちゃうし、情報収集してる時も気になった文法事項があったら即自分なりに解説書いちゃう。
一生おんなじことしか出来ないみたいな制約を課されるのだとしたら「英語学習」が良いです。

・哲学:
英語ほどにエッセンシャルというわけではないけど、なかったらなかったで狂ってたと思う。
確か最初は小学5年生の時に若干いじめみたいなのに遭って、その時に父上が「学校なんて行かなくて良いから家にあるアリストテレス全集でも読んだら?」とのことだったけど、天邪鬼だったからカントの「永遠平和のために」とかを読み出したのがキッカケ。(その後ちゃんとアリストテレス全集も読んだ。ちんぷんかんぷんだったけど。)
短い高校生活の中で自分のアイデンティティの一つになったからか英語と同等くらいには常に意識してる。
英語と同じで、収集対象として好きな側面があるので、Twitterで感心した記事とかトレンドになってる本とかはトレカ感覚で読んで頭の引き出しに保存しておきたくなる。
気の許せる関係の人との会話で私が提供する話題の8割はこれらしいし、向こうもそれを聞いてくれるから社交にも欠かせないものになりつつある。

・洋楽:
哲学が父上からの影響だとしたら、洋楽は絶対に母上からの影響。
特に70s〜90sが好きすぎる。
母上はSting、Queen、TOTO、A-ha、Wham!、Gipsy Kings、Journey、ABBAとかその当時の王道路線が好きで、CDがわんさかあった。私ももちろん聴いたし、基本全部好き。
母上から王道を教わったからこそインディーズ系とかBoston、Metallica etc.にもハマれた気がする。"More Than A Feeling" は死ぬ時に聴いてたい一曲。
社交を拒絶した代わりに音楽で持って生活を彩っていたので、人生が一番楽しかった時のプレイリストを聴くとその時の高揚感を思い出せる。そういう意味でも洋楽にはすごい救われてる。

・ジャズ:
ジャズもめっちゃ好き。キッカケは絶対に『セッション(Whiplash)』と『ラウンド・ミッドナイト』、この二つの映画。
一時期本当にドラマーになりたかったけど流石に出血はしたくなかったからやめた。
ジャズは歴史ももちろん好きだけど、それ以上に私の映画の趣味とあまりにも合致していて、そういう意味でも大好き。
好きだけどジャズを聴ける時期とそうじゃない時期があって、聴ける時期はたいてい人生に対するパッションがある。
よく聴いてるのはTake FIveはもちろんとして、ジョン・コルトレーンの'Giant Steps'、コールマン・ホーキンスの'Think Deep'、そしてもちろんデクスター・ゴードンの'Round Midnight'、あと特に好きなのが、セロニアス・モンクの'Rhythm a ning'の1965年ロンドンでの演奏。
チェット・ベイカーも好きだけど、TokyoのComplete Concertでの演奏が一番好き。

・クラシック:
クラシックも好きなんです。特にショパンとドビュッシー。
クラシック音楽は生きていたら絶対遭遇するけど、多分はじめて意識的に聴いて感動したのはドビュッシーの『月の光』と『夢』だったと思う。
そこから家に何故か置いてあった蓄音機で王道ばっかり聴いてたけど、たまたまYouTubeで聴いた1985年ショパンコンクールでのブーニンの『英雄ポロネーズ』が本当に美しくて翌日学校サボって一日中聴くくらいには大好きになった。
他にも人生がかなり終わってた時に『カルテット』を観たので『Je te veux』を聴きながら希死念慮と戦ってたのも今となってはいい思い出。

・邦楽:
正直いうと昔は苦手だった。洋楽とジャズにゾッコンだったのもあるけど、恋愛至上主義に溺れて元恋人の未練をたらたら歌ってる陽キャソングとか、エモぶって卑猥なフレーズ入れてるだけのお遊びソングとか、MVにしかお金かけないようなやっすいバンドとかばっかりだと思ってた(ド偏見)。
たしかアジカンとか椎名林檎を嫌々ながら聴いてみたらテイストの違う退廃さが変に癖になって、そこから陰鬱だけどギターで必死にうるさくしてる曲とか、朴訥な歌詞を歌い飛ばす曲の魅力に気づいた。そういうのって洋楽だとあんまり知らなかったし。
最近はあんまり抵抗がなくなってきて、価値観の合う友達が勧めてくれるバンドミュージックならノリノリで聴けるようになった。

・映画:
これに関しては完全に父上母上の英才教育。でも実際私も心から映画は好き。
最初の映画体験は3歳の時に観た『地下鉄のザジ』。特に父上がヌーヴェルヴァーグ信者なのでそこから『オルフェ』だの『大人はわかってくれない』だのを観た。
母上は父上以上に映画に詳しくて、ハリウッドから東欧の映画までとにかくめちゃめちゃ知ってるし、俳優にも詳しい。生粋のトニー・レオンファンらしく、小学生の時にトニーが出演するウォンカーウァイ映画は一通り観させられた。『恋する惑星』が好き。
逆に私が自分で開拓できる領域はあとはエンタメ系しか残ってなかったので、B級カルト映画は結構観てた。『ナポレオンダイナマイト』とかその辺。
マーベル映画が登場したタイミングでそっちにもハマって、作品単体というよりも元ネタになった映画を探る感じで今でも観てる。

・ドラマ:
日本のも海外のも好き。
これもまた両親経由でハマったカルチャーだと思う。
母上は夜中によく『ダウントン・アビー』とか『アグリー・ベティ』を観てたし、父上はTBSとかフジの箸にも棒にもかからないようなドラマを観てた。
かくいう私は小学校の時はよく早退しては父上に迎えにきてもらっていて、帰り途中で観る14時代に再放送してるドラマが好きだった。のだめカンタービレとかGTOとか。
中学生になって『逃げ恥』が始まって意外と面白かったのでTBS系のドラマを見る習慣がついて、そこから何故か『カルテット』に行き着き、坂元裕二脚本の虜になった。大豆だとわ子は最高です。
海外ドラマに関しては完全にサブスクに助けられた。マーベル映画の明るいトーンに飽きてた時期にNetflixでDaredevil、Jessica Jonesに出会って死ぬほどハマったし、オリジナルドラマが充実してたので『Good Place』『13 reasons why』『Atypical』『Girl Boss』『Master of None』『Stranger Things』もすごい好きだった。
あと当時NHKだかBSかでゴシップガールがやってたのでそれもハマった。

・冬:
夏は暑くてバカだし、秋はなんか暑いんだか寒いんだかはっきりしないし、春は生命の息吹があからさまでこっちの生気を奪ってくるしで、結局冬が一番誠実な季節な気がする。
暑いのは全裸でも死ぬけど寒いのは着込めば全然オッケーだし、むしろ着込むのもそれはそれで風情があっていい。冬物のお洋服っていっぱいバリエーションあるし、肌を露出しないで済むから本当に気楽。
雪は降ったら公共交通機関を停めてくれるし、積もったら積もったで銀世界は綺麗だし好き。
一年が終わりに差し掛かっていく退廃的な焦燥感も好き。人生いつも焦ってるけど、私だけじゃないんだって思える。

・クリスマスシーズン:
単純にこの季節で気分が落ち込んだことがないから本当に好き。
あと感覚的だけど、周りの人が露骨に幸せそうな表情になってる時期で、私まで生きてて楽しくなる。
子供がはしゃいでるのも最高に可愛いし、カップルが幸せそうに歩いているのも素敵だし、せっかくだからと贅沢しようとしてる人もなんだか愛らしい。
クリスマスソングも素敵。讃美歌は心地いいし、普段J-Popしか聴いてないような人も無条件で"こちら側"にくる感じがあっていい。Back Numberもこの時期なら許せちゃう。

・お洋服:
レディースが特に好き。
これも多分母上がファッション雑誌の編集だからというのが大きいと思う。
というかメンズ服って好きになりようがなくない??ほとんどレディース準拠のデザインをリメイクした感じがしちゃう。
生まれ変わったらフリフリな感じの服とかも着てみたいと思いつつ、友達の自撮り写真で満足してる。
ブランドは本当に知らない。デザインしか見てない。
よく買うのはNora Lilyっていうブランドです。オヌヌメ。

・いぬ:
かわいい。はちゃめちゃにかわいい。なんであんなにかわいいの?
人間を飼い主と思ってる子もいれば、同列かそれ以下の存在だと思ってる子もいて本当に全部かわいい。
もはや「犬」っていう文字も発音もかわいい。
3歳の時に家族だったいぬが今見ても世界一かわいい。優勝。人間はダメ。
猫に対しては本当に感情が湧いてこない。ごめん。

・ペンギン:
ペンギンは人生の先輩的な存在。
パートナーと一生添い遂げるところとか、群れとしての生存能力とか、とにかく人間の上位互換感がすごい。
南極とかいうはちゃめちゃな環境で生存してるアデリー、アゴヒゲ、ジェンツーのピゴセリス族とコウテイペンギンには本当に頭が上がらない。
一度姉の住むオーストラリアに行ったときにフェアリーペンギン(コガタペンギン)の帰省を観るイベントに連れてってもらったことがあって、ほんとうに可愛かった。

・あのお方:
めっちゃ憧れる。その顔になりたい。クソデカ感情しか向けられなくてごめんね。仲良くしてくれてありがとう。

・人間(観察):
人間って、面白いんですわ…。
水分とタンパク質の塊がなんか運動と思考して、同種と遭遇したら社交までするんですよ、という無機質な分析もさることながら、普通に人々の営みって面白い。
エドガー・アラン・ポーの『群衆の人』っていうこれまたすっごい変な小説があって、無名の語り手による人間観察の書き散らしがとにかく面白い。私も真似してカフェではいつも窓際に座って暇さえあれば外の人の動きとか、店内の会話の様子とかを観察して、スケッチしたり、内容が面白かったらメモに書いてる。多分人権侵害で訴えられたら確実に負けるレベルのことしてる。
特に「会話」は本当に謎で好き。
誰かと食事に行く行為も、食事それ自体よりもそれを材料にする「会話」が暗黙的な目的だし、かといって会話は必ずしも内容として情報の交換だけではなくて、感覚の共有、共感の態度の交換でもあって、言語的でもあり語外のニュアンスとしての抑揚とか表情、ボディーランゲージもあって、はちゃめちゃに高度で緻密。
しかもこの営みが至極ありふれたものとして行われているのがもう謎すぎる。一体どれだけの処理を脳内で行なって言葉を選んだり、声の調子を変えたり、目線を設定したり、間投のタイミングを見極めたりしているんだろうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?