曲に罪は無い、の気持ちが分からない

なんか、ぷすという、某歌手?が捕まったとかなんだとか…。ツユってグループで活動するリーダー的な人なのかな??
なんとなく聞いたことはあるけど曲は全く知らないから今回も他人事になってしまうのだが、この件で気づいてしまったことがある

私は鏡音リンレンが大好きだ。ガチファンには遠く及ばないかもしれないが、それなりに曲は知っている。推すようになって何年経ったのかはあまり考えたくないが、初めて知ったころはまだリンレンの方が年上だった(いまじゃ兄弟くらいの差としても限界があるレベルだけど…)。声質や見た目、そして何より曲が私の心にマッチしたのだろう。気づけばアクスタ、キーホルダーなどのグッズが山のように増え、ついに去年マジカルミライ用に法被まで買ってしまった。貢いだ額も考えたくはないが、それで推しがますます世に名を連ねていくのなら本望である。

私がリンレンを好きになったのはなんと言っても曲を聞いたからだ。初めて聞いた曲は、ロストワンの号哭だったはず。ロック系が好きな私にピッタリだった。そこからまた色々な曲を聞き、徐々にリンレンとは何者なのかという興味がわき、気づけば公式設定などを見るようになり、見た目も良いじゃん!となってグッズを買うようになった。恐らくこんな感じで今に至る。

と、いうことは、曲が無ければリンレンを推すことは無かったのではないだろうか。

曲があったからこそ出会えたのであり、曲があったからこそライブに行っているのだ。

もし、何らかの事情で曲が消えてしまったらどうなるだろう。遅かれ早かれ、リンレンという存在を知ることにはなるのだろうけれど、ここまで推すようになっていただろうか。全然違うアーティストにハマったかもしれないし、もしくはもっと推すようになっていたかもしれない。リンレンにおいて、曲というものがいかに大切なのかが分かる。

では、その作曲者が何かやらかしたらどうなるだろう。きっとネット上のどこかに曲は残るはずだ。それはYouTubeかもしれないし、ニコニコかもしれないし、はたまた海賊版サイトかもしれない。ただ、それを聞く人はどうなるだろうか。

恐らく、今までずっと応援してきた人たちは、ある種の洗脳のようなものにかかって、ずっとその作曲者の曲を聞くだろう。そして、いつか帰ってくるその日を待ち続けるはずだ。それだけ熱烈に応援してきたのだから無理はないし、私はそれを否定するつもりはない。
ただ、今までその作曲者を知らない人だったら、新たに聞いてみるか、と思うだろうか。面白半分で聞く人はいるかもしれないが、純粋な気持ちで聞く人は限られるだろう。残念ながら私も心が汚れているので、どこか蔑んだような気持ちで曲を聞いてしまう。

ここで、曲に罪は無い。という人たちがいる。まぁ言いたいことは分かる。作曲者が捕まったとしても、曲は何も悪いことをしていないのだから、これからも曲は広めていくべきだ。という主張なのだろう。確かに、それだけで言えばそうなのかもしれない。曲はご存知の通り概念なので、罪に問うことはできない。もし酷い歌詞やメロディーだったとしても、批判されるのは結局人間である。

ところが、曲は生きていて、命を宿している。と言う人もいる。比喩表現であるのは分かっているが、こうなると問題が発生するのではないかと思う。それは、誰が命を宿したのか、ということである。私はこの場合、曲に携わった人がそれに当てはまると考える。よって、もしその命を宿した人が捕まったら、曲も罪を犯したことになってしまうのではないか、と思ってしまう。

これは、私が、曲と作曲者の関係を、「曲は作曲者の分身」と考えているからであり、「曲と作曲者は親子関係にある」とする人たちは分かってくれないかもしれない。あくまでこれは個人の考えによって変わるので、ほかの人が何と考えようと否定はしない。ただ、私の考え上はこうなってしまうということをご承知いただきたい。

よって、今回ぷすが捕まったことにより、私は彼らの曲を聴くことができなくなってしまった。それは、純粋な気持ちで聞けなくなったから、というのとは別に、聞いている自分も何か悪いことをしているように思えてしまうからである。街中、あるいは友達と会う時に、訳アリの曲を聞いていたらどうなるだろう。きっと皆普通に接してくれてるだろうが、「そーいやこの曲の関係者捕まったよな…」「この人は結構ファンだったのかな…?」と、変に思われていそうで嫌なのである。一般の人(ガチファン以外の人)はやはり曲の偉大さよりも、作曲者の悪いイメージが先行してしまうはずだ。

これはツユに限った話ではない。普段私が聞くリンレンの曲も、作曲者が何かやらかしたらもう私は聞けないだろう。幸いまだ誰もやらかすことなく来ているのがありがたいが、もし今後あったら、一般の人がリンレンを知るきっかけが減ることになってしまう。新規が入ってこないということは、今のファンがいなくなったら終わりということだから、どんどん層が狭まっていき、気づけば無名になってしまっているかもしれない。

今まで私は、リンレンは永遠に世界に残ると思っていた。それは彼らが人間ではなく、スキャンダルや犯罪を犯すことが無いし、不老不死だからである。しかし、今回の件で、何か一種の終わりというものが見えてしまった。新たな発見をすることができたのは嬉しいが、このような形で発見はしたくなかったものである。

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