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皮膚科認定専門医試験を受けるための受験資格とその準備について

こんにちは☆dermadermaです。
年度末が近いということで、今年、専門医試験を受ける先生の中には4月から新天地でという方もおられるかもしれません。
今年から12月に試験が開催される予定ですが、その準備はいかがでしょうか。
試験の日程についてはこちらを参考にして頂けたら幸いです。

さて、今回は専門医試験を受けるための受験資格とその準備について書きたいと思います。


受験資格の確認

2021 年度皮膚科専門医資格認定試験受験申請についての手引きを参考に引用しています。重要な箇所を強調しておきました。

次の1から5までの事項を全て満たしている必要があります。

 1.本会に入会してから常勤として通算60か月以上の研修期間があること

 2.前実績単位の総計が150単位以上あること

 3.必須の講習会の単位が30単位あること.

  なお、必須として算定できるのは、1年度につき1回のみとなります.

 4.筆頭著者として論文を3編以上発表していること

 5.受験申請時において会費などの未納分がないこと


では1から順番に見ていくましょう。

1.本会に入会してから常勤として通算60か月以上の研修期間があること

これは入会してからとありますので、多くの先生が医局の入局と同時に皮膚科学会に入会かなとは思いますが、研修医時代に入会された方はその年数もカウントされます。
ちなみに私は研修医2年目の12月に入会したので1、2、3月はカウントされました。産休や育休または諸事情により研修期間が連続で5年(60ヶ月)ではない先生もおられるかもしれません。
そんな時にもし、研修医時代に入会しており、入局までに数ヶ月あればそれも入れることができますので必ずチェックしてください。
そして自分が一体、何年何月何日に入会したのか、正確に把握する必要があります。

皮膚科学会→会員専用ページ→登録情報の確認

ここのページに記載がありますので一度ご確認ください。
※勘違いしがちなのが入会してからであって入局してからではありません。
医局に入局≠皮膚科学会入会なので絶対に間違えないでくださいね。
自分の研修期間が受験資格を満たすものかどうか判断に困る場合は皮膚科学会の専門医部門がありますのでメールで問い合わせをするのも一つの方法です(コロナで人員削減のため返答に時間がかかるとのことなので、お早めに)。


2.前実績単位の総計が150単位以上あること

■前実績単位数について

※本会に入会した後のものに限ります.

ここで注意すべきは学会発表ですね。2020年から、発表の使い回し(表題だけ変えて同一症例を例えば地方会と全国学会で発表した場合、それは一回の発表としかみなされなくなりました)が認めてもらえなくなりました。
2021 年度皮膚科専門医資格認定試験受験申請についての手引き(一部抜粋)によると
◆同一演題を複数の学会で発表している場合、1 回分のみ申請が可能です。
◆提出された全ての学会発表は委員会で審査の上、単位の可否が決まります。そのため、申請いただいた演題が全て単位として認められるわけではありません。

となっています。専門医試験委員会での審査が全てです。
自分の発表はどうなんだろうと思う場合はとりあえず記載して提出した方がいいと思います。


4.筆頭著者として論文を3編以上発表していること

次に論文発表です。最低3本です。これが結構苦戦するのではないでしょうか。私の後輩も書くことが苦手でなかなか進まないと嘆いていました。

論文に関しても2021 年度皮膚科専門医資格認定試験受験申請についての手引き(一部抜粋)によると

【注意事項】 論文発表として申請可能な条件について。
●次の条件を満たしている、全国あるいは海外に広く頒布されている医学専門雑誌に掲載された皮膚科 学領域の論文が対象となります。

論文発表と認められる雑誌の条件
ア.年 2 回以上発行されていること
イ.1 回に付き 600 部以上発行されていること
ウ.査読があること
※On-line journal については「イ」の条件は含みませんが、PubMed で検索可能なこと。

自分が投稿した雑誌が上記を満たしている必要があります。私も投稿した雑誌が該当しているのかわからなかったので、皮膚科学会に問い合わせをしたことがあります。学会側の返事は「専門医試験委員会での審査が全て」とのことで明確な返答はいただけませんでした。
有名どころに投稿しておけばまず間違いないのであまり心配することはありません。学会発表、論文も単位数がギリギリの先生にとっては認められるのか不安だと思います。もし認められなかったら受験資格がもらえないので。
今更かもしれませんが、単位数がギリギリの先生は12月まで時間はありますので、それまでに可能な限り地方会や総会での発表、もしくは講習会・必須の受講、旧制度の方は専門医テキスト購入で単位を稼いで余裕を持って臨んだほう良いかなと思います。

専門医テキスト購入については
テキスト集は、学会旧制度前実績として初回購入に限り下記単位の取得が可能です。
『研修講習会(選択)前実績10単位。』
 専門医機構新制度の先生は対象外です。

とホームページでも記載があります。購入するだけで10単位もらえるのでギリギリ足りないかも、論文や発表が一つでも欠けると足りなくなるという崖っぷちの先生は購入されてもいいかもしれませんね。私は自分の勉強のために購入しました。

もう一つ注意事項があります。私も投稿したことがありますが、ミニレポート・依頼原稿です。文字数が少なく手軽ですが、注意事項の記載があります。

●目安として、依頼原稿及びミニレポート(印刷時に概ね1ページ程度の論文)は、いずれか 1 報までとしてください。例えば、依頼原稿とミニレポートを 1 編ずつ申請した場合は、委員会において個別審議となります。

やはり最終的には委員会での審議が全てですね。私は10本以上論文を書きましたが、ミニレポートも2本ありました。1報までと記載がありどうなるのだろうと思っていましたが、おそらく2報とも受理されたと思います(不可にはなっていなかったし、評価が4だったので受理されたのではと思っています)。
書類を送って本当に受験資格が与えられるのか?と不安になりながら結果を待った記憶があります。

3.必須の講習会の単位が30単位あること.
なお、必須として算定できるのは、1年度につき1回のみとなります.

2021 年度皮膚科専門医資格認定試験受験申請についての手引き(一部抜粋)によると
講習会参加は、1 回につき 10 単位とし、80 単位を超えて加算することはできません。
●必須講習会の参加履歴が 1 年度(4 月から翌 3 月)につき 1 回以上で、合計 3 回以上あることを確認して ください。

つまり最低3回は必須講習を受講する必要があり、一回受講すると10単位がもらえ、最高で80単位(8回受講分)まで申請できるということです。
みなさんはどうでしょうか。費用を最低限で抑えるなら受験する都市から3年前から受講し、最低回数の3回でということになりますが、私は出題されたらどうしようと思い5回受講しました(つまり入局してから毎年総会に参加したということです)。
必須講習からの出題はあります。
詳しくはこちらを参考にしてください。

どこまでやるかですが、とりあえず自分が受ける年から3年遡れば及第点ってとこだと思います。12月に試験があるということで、試験年度の総会講習会必須は受けることができます。しかもオンラインということで非常に受けやすくなっています。私はぜひ受講すべきだと思いますよ。

試験問題は3月末〜4月頃には完成していますが、出題者の先生は自分が出題した箇所はつい強調したくなるものです。2021年も必須講習を視聴してい良かったと思うことがありました。お時間のある先生はぜひ受講してみてください。

5.受験申請時において会費などの未納分がないこと

これは当たり前というかなんというか。
未納がないかは確認しましょう!


最後に書類審査の点数についてですが1〜5点に分けられます。
加点、減点対象は加点は1点と5点だけです(どれほど加点もしくは減点されるかは公表されていません)。つまり2点、3点、4点は受験資格が与えられるだけで可もなく不可もなくという感じです。2点だからといって落胆する必要はありません。2点で受かる人はいくらでもいます。

年間研修評価書についてや受験申請書研修終了証明書に関しては

にかなり詳しくまとめています。記入時の注意事項や失敗しないためについての知恵も書いておりますので参考にしていただけたら幸いです。

オミクロンが早く終息して日常を取り戻したいと願いながら。
ではまたnoteで情報を発信していきます☆




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