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風俗

風俗 ①その地域を特徴づける、衣食住の仕方や一定の行事②風紀③風俗営業の略。

 風俗という言葉を見て、キンタマパンパンなやつらはニヤニヤしているだろうが私は風俗の話を書くような単純な男ではない。

 地域を特徴づける衣食住の仕方や一定の行事。要はそこのルールの事だろう。郷に入っては郷に従えという言葉がある。私はまさにこれをするタイプだ。高校の時、やたら規則に文句を言ったり他校と比べる人がいた。私は常々、違う学校行けば良かったのに選択権が自分にあっただろうにと思う。こういうやつは大概、受験に失敗して私の学校に来ていた。違う学校に行けばいいのにが出来なかったやつだ。自らの学力の足りなさが原因でここに来たのにそれを棚に上げて文句を言うなんて御都合主義万歳なんだ。罪を犯し刑務所に来たのに刑務所で贅沢出来なくて怒っているようなものだ。これは言い過ぎだ。私の母校は大して校則も厳しくないし、不満を何も感じない可もなく不可もなくという言葉が相応しい場所であった。
 この学校かっこいい(かわいい)やつ居なくね?というやついたよな。例えとしては良くないが、手に入らないおもちゃをねだるより身近なもので遊びを見つけられる人間の方が人生楽しいぞと思う。上を求める貪欲さも必要だが、与えられた環境の中でやりくりする能力も大事だぜ。

 高校時代、揉めたくはないので教師に忠実だったが、1度だけ反旗を翻したことがある。それは卒業式前の風紀検査が引き金だった。2つ目の風俗の意味「風紀」への華麗なタスキリレー。私は中学に入ってから髪を切るのにお金を使ったのは大学時代の失敗に終わった1000円カット一回だけだ。ずっと坊主にしてそれを伸ばしてはまた坊主を繰り返していた。そのため風紀検査とは私にとってあってないようなものだった。なのに最後の最後で風紀検査に引っかかったのだ。原因の大元は眉毛だと思っている。私は五厘の坊主にしたとき、眉毛だけボーボーなのが何か恥ずかしくて眉毛も五厘くらいにした。とてもしっくりきた。それからは眉毛の適切な長さが分からなくなり、定期的に五厘くらいにした。坊主でなくても。卒業式前最後の風紀検査も例外なく眉毛が薄かった。それをそこまで世話になってないあまりキレるタイプでもない教師にキレられた、それの怒りの余韻で髪の毛も横が耳にかかってるからアウトと言われた。俺でアウトなら全員坊主か角刈りじゃなきゃダメじゃねえか、正当な検査しろやボケ。と思い、卒業式まで1週間ちょい学校に行かなかった。私の中では人生最大のストライキだ。再検査するチャンスを教師から奪ってやった。卒業式当日にとやかく言ってくるはずもないだろうが私は万全の体制を期して卒業式に参戦した、五厘でな!私が五厘にしたところで敵へのダメージもないが、私の小さな怒りをいつものように心にしまい卒業するのは嫌だったので平和的対抗で鬱憤を晴らした。自己完結に等しい。私はこの時、初めて尾崎豊が染みた。この支配から卒業した気分だった。おかげで皆で歌うはずの仰げば尊しを卒業式で初めて聴くこととなった。私は思う、仰げば尊し我が師の恩という歌詞を生徒に歌わせる我が師共。とんでもないパワハラだ。

 さあ待たせたな、短いが風俗の話をしよう。私は童貞である。誇る事でも恥じる事でもないと思ってるので自ら公言しなければ聞かれて隠す事もしない。童貞を知られると必ず言われる、風俗は?と。これはセットだ。ポテトとケチャップ、ピザとコーラ。答えは、行った事がない、だ。私はあまり行こうとも思わない。理由は様々ある。まずは金銭面。決して安いものではない、かといって風俗高いんだバカやろー値下げしろーと思ってる訳ではなく、妥当な値段だと思っている。だがその値段で何ができるのかを考えると性欲の為に使うのはもったいなく感じる。何より事後にこれを考えると虚無感に襲われてどうかしてしまいそうで怖いのだ。次の理由はシンプルに知らない人が苦手だからだ。これに説明はいらない。ただでさえ知らない人に緊張するのに、女性な上にエロの方の緊張まで来ると私は思考がフリーズして地蔵のように固まってしまうだろう。そのくせ緊張で固めるべき場所は固まらないだろう。最後の理由は、今更行くには遅すぎるという事である。私は童貞のまま24歳になってしまった。このタイミングで行くなら大学生の頃に行っておいた方が良かったな、今行くのはもったいないと謎の思考に陥る。私は謎に自分の童貞に愛着が湧いてきているのかもしれない。決して固執しているわけではない。2000円札ぐらいの感じの愛着の湧き具合だ。率先して使わないが、大切に保存しているわけでもない2000円以外の何者でもないあいつを持っているような感覚だ。私はこのまま歳を重ねたらどうなっているんだろうという興味と恐怖が共存している。この2つは表裏一体だ。なんなら恐いもの見たさという興味だから恐怖が先行している。まるで自分の人生を人ごとのように考えている。俺の人生の主人公は俺のはずなのに!もったいねえな!来世は頑張れよ!

 お目汚し失礼致しました。また明後日。

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