大正CoC怪談會のKPをしました

白雨堂(BOOTH出張所) さまのCoC6版シナリオ「怪談會-kwaidankwai-」
こちらのシナリオを2021年の6月、そして2022年の5月にKPとしてセッション致しました。その感想やら、セッションするとき何考えてるか、なんやらをつらつら。

まずはシナリオ全体のお話とか。

※シナリオのネタバレを含みます。未プレイ、これから探索される方はご注意ください

最初に、丁寧に時代背景と題材をくみ上げシナリオとして公開してくださった驟雨さまに感謝を。
あらゆるパターンを作っているけど必ず一本道になるようにカバーされた展開。なにより大正の怪談遊びというテーマへの考えの深さがリアリティのある作品大好きです。ほかのシナリオも読み込んで回せるように自分なかに落とし込んでいきたい。

物語はフィクションだけど、せっかくなら史実に実在するキーワードがある、元ネタがあるほうが「それ知ってる!でもどうやってかかわってくるかわからないから楽しみ!」という気持ちで作品に触れることができる。
これは小説や映画、ドラマなどほかのエンタメにも共通することだと思うけど、バックボーンを知っているとなお楽しめる。無学だとちょっともったいない。そういう感覚がある。
歴史とか時事とか、文化や習慣など見聞の広い人は見える世界も広くて考えも広がる。そのような知識の積み重ねがセッションでのやり取りでリアリティを感じる描写や展開ができる。
そんな風に思っているのであんまり詳しくないのですが、せめて自分の住んでいる国が舞台のシナリオはフィクションではなくありえたかもしれない「仮想現実」くらいの気持ちで描写したい。
怪談會以外でも電脳九龍街(元のタイトルは九龍街のギャングスタ)や美しきインボウのAdamas などをKPさせてもらった時は少しだけ自分の知っている現実に存在する名称やらを導入で描写しています。自己満足。
NPCも基本はシナリオ上の役目を踏まえたうえで「なぜそのように行動するのか?」「PCから聞かれたら、どのように答えるのか?」を考えてその時アドリブで返してしまうことが多いです。決められたセリフがあったりするんですが、どうしてもセッション中に生きてる存在として動かしたくなりがちです。

怪談會では大正の都内ということで。大正はよく調べてないけど今より身分差性差に保守的?でも想像より科学技術とか発達してて不便そうではないイメージ。都内は・・・コンニャクは田舎者なので全く想像がつかない。グーグルマップを見て想像で補う。というお粗末な感じでした。
料亭に入っちゃえばその辺は有耶無耶でも大丈夫でしょう。それより建物内の描写を凝ったほうがいい。なにせ肝試しが怖くなるようにココフォリアの部屋を整えるのが大切だ。
コンニャクはしゃべってて、怖い雰囲気を出すということができないのがわかっているので小道具をたくさん用意しました。

見えにくい蝋燭での探索、怖い女性の日本画、河鍋暁斎の幽霊画など怖がらせる要素がシナリオに出てきたのでこれを画像で用意しました。あとはBGMと環境音。テキストだけより、ココフォリアならではの視覚聴覚へ訴えることのできる仕組みでカバーして、伝わるように楽しんでもらえるようにしてみました。
怖い絵の二つはどの卓でも1名は怖がっていただけたみたいで「目をそむけたくなる」というような感じになってもらえたのは描写し甲斐があったと感じました。探索するのに、目が合うのが嫌!って言われて急いで仕舞いました。なんでや、暗がりちゃん可愛いから選んだのに(ぴえん)

NPCは基本的に技能判定のサポート、それ以外はPLが場所についてや怪談についての質問への返答で真相へたどり着くピースを渡す。北村さんは肝試しを楽しむ、こんちゃんは基本的に震えてる、でもちゃんと理由があって震えている。くらいで動かすつもりでしたが北村さんはマイメロちゃんになり、こんちゃんは勘違いで会に紛れ込んだ非恋系バトエン厨としてのキャラがついていました。親しみをもってもらえるなら何でもいいんだけど、コンニャクが動かすとカッコいいキャラとか頼りになるキャラにはならないのでむつかしいですね・・・。

2回セッションをして、その時のPC達の職業や間柄によってシナリオの設定をほんの少しだけ変えています。1回目では肝試しの仕込みは北村さんがやっている設定でしたが、2回目では北村さんは関わっていないから全部初見。
あとは1回目に宝塚女優PC(特殊技能:舞台メイク)を作ってくださったので事前導入として昼間に北村さんと肝試しの仕込みを手伝ってもらいました。事前導入で昼間の状態でほんの少しだけ肝試し会場の下見をしましたが、ここの事前情報があってもなくても進行に支障がないと判断しての突発導入でした。

そのときのPLとPCのためにセッションしたい。シナリオの土台はあるけど作ってもらったPCの設定も生かして探索と物語に登場してもらいたい。そうやってセッションをできたらいいなと思っていつも無い知恵を絞っています。
今回は前回のPLの方々に観覧席として通話と画面共有してもらって見守ってもらっていましたが事前導入などの「改変のつじつま合わせ」を楽しめたと感想がもらえて嬉しかったです。
2回目はPCのペットの猫のべーこんさんの参加くらいしかご用意できなかったのですが探索でも戦闘でも大活躍でPCを救ってくれました。

百物語から肝試し、そして百一話目の怪異の体験。過去から重なってきた呪いの解消。
肝試しが怖いから何もしなくてもいい、逆走してもいい、いいや襖は開けるし布団はめくる!!と全部やりきってもいい。でも生きていれば絶対に水盤にたどり着くというスキのないシナリオ構成。
ですが皆さん素直に肝試しをきっちり探索しきって前に進むルートを選んでいただきました。もしほかの展開になったらうまく描写できるきがしません。
ルートを外れて後悔するくらい恐怖してほしい!!だってこれクトルゥフだから!!と思うんですが怖い描写が下手でむつかしいので、パワーで押し切られてなんもわからないけど脱出エンド。になってしまいそう。
そういう感じになったら謎は解けないから、もしほかのシナリオを遊ぶ時であってもいつも遊んでくれてるPLの方たちとなら心配しなくて大丈夫かな。

怪談會は、過去に起こった無念と呪い、怪談、そしてシナリオの時間軸での怪異。
それらは積み重なっているけど、全部を理解できなくても探索者を脅かす怪異を退けることはできる。でも人間だから「なぜこんなことが起きたのか」を判明させたい。その気持ちが探索をさせる。
探索箇所にバックボーンをちりばめられていて、作者さんのたくさんの工夫と物語を見つけることができる。
また少し改変しましたがもともとNPCへの態度や発言への質問やコミュニケーションも大事だよと教えてくれる素敵なシナリオだと思いました。

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