テレビや新聞が伝えない情報 2020年12月号⑧

ソ連崩壊の1991年から17年後に、資本主義という言葉も実質的に消滅していたのに、日本人にはまったく知らされていなかった。ではこのリーマン・ショックという世界恐慌で、アメリカの投資家はどれだけの損害を被ったのでしょうか。ウォール街では800兆円が消えてしまったと言われていました。実は消えていませんでした。その証拠にニューヨーク株に見切りをつけた投資家は原油市場に参入して原油相場が高騰。ほぼ同じ時期に穀物市場でも穀物相場が高騰しました。ウォール街の投資家は損失さえ受けていなかったのです。ではリーマン・ショックで被害を受けたのは誰だったのか。当時売られていた債権は、サブプライム・ローン(サブは、下。プライムは優良。つまり「優良ではないローン」)といって、「担保がなくても」銀行から金を借りて、豪華な家が建てられるという制度でした。この仕組みは債権として売られていたのです。この家を建てた人と、債権を買った人が被害者になりました。逆に言うと、売った側の人間は被害を受けようがないのです。アメリカの大統領は誰がなっても同じとかいたことがありますが、このときの息子ブッシュ大統領を批判する報道があったのだろうか。なかったはずです。

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