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皆と過ごした学び舎

20■■年
3年■組 ■■ ■■

本日、僕は架空ヶ崎高校を卒業します。

思い返せば、あれは3年前の入学式でした。山に長い間棲んでいた僕はこの学校の事をずっと見ていました。そして勇気をもって、紛れ込んでみたのです。

幸いクラスメイトの皆も先生方も素性も知らない僕を受け入れてくれました。放課後、僕の身体は霧となって消え、翌朝にはまた実体化を繰り返していましたが、皆その事には触れずにいてくれました。本当にやさしい人達でした。僕は皆と一緒に過ごせたことを幸福に思います。

※エージェント■■■による追記 反ミーム的な効果と思われます。生存者へのインタビューでは「夕方に帰宅し、翌朝登校していた」と認識していました。

僕らは沢山の思い出を作りました。虚像祭では僕の提案を受け入れてもらいクラスのみんなで作った『■■■の王』の像は今でも私の宝物です。修学旅行で行った京都で陰陽師の安■■明に絡まれた僕を助けてくれたのもクラスの皆です。

でも、この楽しい学び舎の日々も、もう終わりです。僕はその事を思い出さないようにしていました。考えないようにしていました。進路指導は病気を理由に受けませんでした。今日、クラスの皆は卒業します。形の無い化物である僕は卒業できません。元の形の無い化物に戻ります。

ですので、山に帰らなければナリませン。嫌ダ。僕ハ皆といつマデも一緒ニ遺体。ソ宇ダ。皆も卒凝なンかヤメて一緒に山ニ還ろウ。僕らの学校ハ永遠ニ続ク!ソレガイイ。ソレガイイ。タノシイ。タノシイ。オイシイ。