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サイクロプス部の日々

2022年
3年2組 出井田 戊知

本日、僕達はこの学校を卒業します。僕らの三年間はサイクロプス部の活動に全力で打ち込むことが全てでした。最高のチームメイト、指導をしてくださった顧問の大間仁先生、いつも励ましてくれた先輩方とOBの皆様、いつも励みにさせていただいた後輩達に深く感謝します。

僕がこの学校をくぐった時、一つの決意がありました。恥ずかしながら僕は中学時代、何かを成し遂げるという事がなく、それを悔いていました。だからこそ、高校では何か一つでもいいから極めてやろうと考えていました。

そんな時、ひと際目立つ一つ目の塗壁先輩に勧誘されたのがサイクロプス部との出逢いです。「立派な一つ目巨人を目指す」というサイクロプス部の活動に共感し、即日入部を決めました。

練習はとても厳しかったです。1年はまだ一つ目整形手術が認められておらず、巨人服(ギリシャっぽい革の服)の着用も出来ません。先輩方について、放課後の校庭を「ウオォー!」と叫びながら走る日々でした。

2年に進学し、ようやく一つ目整形を受けた時の感動は今でも忘れられません。眉間に開く大きな瞳を見て、これで自分も独眼の巨人だと大いに盛り上がりました。また新入生が入ってきてくれたこともうれしかったです。

2年の県大会では無念の敗退にチーム全員で一つ目から大粒の涙を流しました。絶対に3年では全国大会に行ってやる、その思いで厳しいトレーニングやエルフの村襲撃に励みました。

そして迎えた3年、自分の巨人棍棒スマッシュで国立競技場の全国大会に出場を決めた日の事は今でも忘れられません。(初戦で強豪学習院独眼巨人部にあたって敗退しましたが…)

本日、私達はこの独眼巨人活動を胸にそれぞれの道に歩み始めます。天目くんは大学独眼巨人リーグ強豪の大東文化大学へ推薦され、物愛くんはサイクロプスの本場欧州に留学、僕は地元独眼OBの方に誘われ株式会社サイクロプス産業の社員になります。

ですが、僕は架空ヶ崎高校サイクロプス部の事は一生忘れません。チームの皆に恥ずかしくないサイクロプス社会人として活躍し、再び逢ういつかを楽しみに、励みたいと思います。

みんな、サイクロプス!