細かな粒子

装飾写本のように

びっしり埋め尽くされた

言葉にならない

宇宙の叡知の

言葉を取り外した

感覚だけの 唸りを


それは ただ 漂い

交差しながら 響きを増し

身体を通り抜け

飛び交う 想いを

曼陀羅のように


あの すんとした 澄みきった 

清らかで 作為的な空間に 

幾何学模様と


散りばめられた細かな
モザイク画も

どれも道標なのに


あれを感じながら


それが何であるかも





わからないほうがいい




慰霊塔の鐘の音に 

寺院から声明が

グレゴリオ聖歌の厳かな


琵琶法師の撥に 打ち付けられた 

産まれゆく 音霊に


柔らかな 
ラスコーの天井の

こだまする響きもれた
変わりゆく景色に


はじ 「」まり



お「」わり


過去から繋がる未来の先の

もっと先を提示され


同じ あれを見せられる人がいて



私達は同時に


言葉にならない
あの世界を見せられて


畏敬 畏怖の念


時に全身全霊を込め

慰められる



垣間見た異空間の


出所がわからない 
混沌と漂う白き者のコエに


シダ植物がお生い茂った

見たこともない壮大な景色に


歩く度に蓮の花が「ぽん」と開花する


鶴は大きな翼をゆっくり広げ 

上空天高く飛び立つ



そもそも 言うべきなのか

探求心があだとなり



戻ってこれなくてもいい?



知りすぎるのも

知らない方がいいんだということも

わかる人にはわかるように


知りたければ

知りたいほど知らされて 



許容範囲を越えた世界感を


受け止められられぬと壊され


あぁ…


だから振り出しに戻り 
やり直しをずっと繰り返し


また人間「」


有り難く「人間」



幕が上がり 

開いた先のステージが変わり



わかると

立ち去らざるおえなくなり



その世界を表現に残し 




びっしり引き詰められた

粒子の世界を1枚の絵にして



不自由さの中で





私達は「自由」










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