実況のおはなし

25日のホークス戦の実況を皮切りに、月末までに実況を3試合控えている。

ラジオ2試合、テレビ1試合。

昔テレビで見ていた
“実況アナウンサーの舞台裏はとにかく準備がすごい!”みたいな世界で自分が過ごすようになって6年目を迎えている。
自分は諸先輩型に比べて絶対的な量が少ないので、
たいそうな事は言えないけれど。
ネットとかサイトがなかった分、昔の方が特にすごかったんだろうなと感じる。

今ではパソコンやタブレットを駆使して効率的にデータを扱うのか、それとも手書きで逐一データを紙に蓄積していくのか、これは年代や世代によってタイプが分かれるところ。

働き方改革云々がスタートして以降、
うまくデータページを閲覧しながら準備することも多くなったが、最終手書きに落ち着いている自分。

しかし、毎年どのように、資料なり、選手のコメントを蓄積すれば色々バランスが取れるのかということに苦心している。
ある先輩は全て手書き。ある先輩はエクセルに打ち込み。ある同期は全てiPad miniに集約。

現在の自分は実況席に持ち込むものは基本A3ノート一冊。
見開き2ページに優先順位の高い情報を詰め込んで、あまり混沌としないようにしている。

この方式でかなり慣れては来たが、これだと少し足りない時も当然ある。
そんな時は放送スタッフ、ディレクターが情報を提示してくれて、放送は成り立っている。

しかし、
ほぼ毎日実況する仕事だとしたら
自分はどうやって準備をしていくのだろうか。
ふと考えた。

それは
フリーアナウンサーの加藤暁さんという先輩の姿を見て思う。

Twitterなどで担当試合の告知をしているが、
ほぼ毎日野球の試合をしゃべっているイメージ。
ホークス戦を続けて喋ったと思ったら、翌日は
オオタニサンを喋っているし、その次には、シュート!と叫んでサッカー場にいる。

自分が大学時代、野球部の練習合間にみた高校野球の夏の予選でも加藤さんは喋っていた。

そして野球が終わったらウインタースポーツも喋る。

局アナだと、担当までの試合を時間をかけて見てスタンバイするのが大体の慣習。

それを考えると、果たしてどんな準備なのか。


皆さんも思いませんか?


すごいなといつも感じる。
様々な分野のクオリティを保ち、尚且つ上げながら
仕事をするタフさ?と言うのかなんなのか
表現が収まらないが、

スポーツが好きで実況を愛していないと出来ないことではあると思う。

最近、以前よりも自分は実況が好きだ。
嫌いだったとかそんな話ではない、
サッカー実況という一つの幅を広げられた喜びがあるからだろう。

だからこそ
突き詰める過程に関心が湧く。

そこをやってのけた上で信頼を勝ち得て一線を守る先輩。

近づきたいけれども
あまりにも世界が違うように感じる。


少しでも、その境地に近づけるような
そんな仕事をしようと思う。

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